2012年01月16日

時間が足りない。――[669]生誕19,238日

 休日もなく馬車馬のように動き回る日が続く。稽古は本日もダブルヘッダー。ああ、マッサージに行きたい。

 『友達』では転換の音楽を決め、段取りをとり、スムーズに進むように何度も繰り返す。これがプロのスタッフ相手なら1回で済むところだが、研修生たちがスタッフワークも勉強としてやっているので、こちらも演技同様、時間がかかる。まあ、俳優もスタッフもやれと押しつけられる彼らもかわいそうではあるが。

 夜8時になって稽古場を移動し、『誰も見たことのない場所』の稽古へ。実寸サイズで冒頭から動線を確認。と思いながら始めたのに、若手とベテランの力量の差が目に余り、ドS演出家は「なんで、語尾を落とす?」「なんで、相手のリズムや声量を受けない?」「なんで、なんで?」と、いつしか若手の特訓に。あー、こりゃいかん、時間がいくらあっても足りないと我に返って動線確認に戻すが、あえなく時間切れ。結局3分の1ほどしか進まず。

 二兎追う者は一兎をも得ず。

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避難所まで……近い? 遠い?
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2012年01月15日

ミッション完了。――[668]生誕19,237日

 観ました、映画『ミッション・インポッシブル』。我が劇団のベテランOがあまりに絶賛するので、ハリウッド映画嫌いのオッサンも、「さあ楽しませていただきましょう」と期待いっぱいで早々に席に着く。ところがすぐ後にやって来た左隣の人の手には大量のポテトフライが乗ったプレートが……。うわぁ、勘弁してくれよ。オイラは匂いが苦手なんだよ。いや、ポテトフライの匂いそのものが嫌いというわけではないが、映画を観るときは飲み物だけにしてほしい。でないと、我が記憶では「トム・クルーズ=ポテトフライ」になってしまうではないか。それに「くちゃくちゃくちゃ」と余計な効果音までミックスされてしまうではないか……と思っていたら、やって来た右隣の人の手にも同じように大量のポテトフライが……。オー・マーガー!やむなくオッサンはハンカチを取り出し、それを鼻にあてての鑑賞と相なりました。えーん、えーん(泣)。映画館経営者の皆様、どうか館内では「食」は禁止にしていただきたいと切に願います。
 映画は、あっという間の2時間。これでもかと見せ場が連続するので、遊園地のアトラクションのように、何も考えずに身を任せていれば存分に楽しめます。もちろん、「ンなわけねぇだろ」「不死身すぎるだろ」とかツッコミどころも満載ですが、何度も出てくるトム・クルーズのさわやかなドヤ顔がそのよこしまな気持ちを許しません。編集の勝利です。


 今日は午前中から夕方まで新国立劇場演劇研修所の1次試験。受験にやってきた若者たちは誰もが全身に緊張感をいっぱいにみなぎらせ、「ミッション」の遂行に一生懸命。そのがちがちになった声と体はかわいそうなほどだが、いいの、いいの、現実はトム・クルーズのようにはいかないんだから、もっともっと泥臭いんだから、と演出家は若きチャレンジャーたちに温かな眼差しを送りつつ、バッサバッサと非情に合否を決めていく。
 現実は厳しくもある。(自戒を込めて)
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夢の入り口?
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2012年01月14日

富士山はどっち?――[667]生誕19,236日

 午後から『友達』の稽古は、今日は初台。今日こそ、たったか急いで最後まで通るつもりが、「聞いてないでしょ?」「だって今、相手の反応、もらってないじゃん」「なんで、そんなふうに勝手にやれるの?それは独り芝居だよ」などと、次から次に演出家は引っかかってしまい、結局半分ちょっとしか進まない。ほとんど手をつけてない場面がまだまだ結構残っているというのに、果たして間に合うのか?今、目の前で起こっていることにちゃんと心動かされること。ただ、それだけだけが芝居だというのに、それができない(確かに難しいが)。ついにしびれを切らしたドS演出家は「今後、相手の反応を受けずにやったらK(演出助手・男子)を殴るから」という理不尽極まりないことを言い出し、実際に隣に座っている演出助手にドスドスとパンチを繰り出し始める。稽古場では『友達』以上に不条理な世界が展開されていく。

 8時に稽古を終えたものの、本日も稽古はダブルヘッダーなので、今度は『誰も見たことのない場所』の稽古のために、初台から西新宿へ急ぎ足で向かう。

 その移動中、しゃかしゃか歩道を歩いていたら、コンビニ袋を提げた20歳そこそこと思しき男が突然、「すみません」と声を掛けてくる。思わず足を止めると、「すみません、フジサンはどっちですか?」。フジサンって富士山、なのか……?と思いながら頭が「???」状態になっていると、「すみません、だいたいでいいんです」と食い下がってくる。そこで「あっちだと思います」と指で西の方角を示すと、「ありがとうございました、すいません」と、その20歳男子は風のように目の前から去って行った。……もちろん、既に辺りは真っ暗。あの若い男子は富士山の方角を知っていったい何をする気なのか。狐につままれたような出来事。もしや狐だったのか?

 『誰も見たことのない場所』は倍速稽古でいくつかの場面をやってみる。台詞を喋るスピードも倍、感情の起伏の幅も倍というこの稽古、めちゃくちゃ速いフットワークが要求されるので、気持ちの流れがはっきり体に落ちてないと対応できない。

 結果。……うーん、まだまだ。これで新鮮さが少しは取り戻せるのではないかと思ったのだが、先は富士山に歩いて行くより遠いのかもしれぬ。
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街灯も寒さ対策?

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2012年01月13日

アングラに思いを馳せる。――[666]生誕19,235日

 連日の会議で今日も朝から西新宿。常務理事会。一つ一つの議題をあれこれ話しながら次々に進めていくものの、12時半まで、たっぷり2時間を費やす。おかげで昼食にありつく暇はなく、すぐさま別棟に移動して1時から『友達』の稽古。

 今日の稽古は5時で切り上げねばならなかったのに、なかなか深まっていかない芝居に苛つく演出家がいつのまにか「芝居ってのはね……」「相手を受けるっていうのはだね……」と自分の演技論をぶち上げ始めるので、さほど進展のないまま、あっという間に4時間が過ぎる。

 それから歩いて西新宿から初台へ移動し、6時半からはマンスリー・プロジェクトの演劇講座『否定のエネルギーが生み出したもの」を聞く。講師のふじたあさやさん、ゲストの流山児祥さんからはアングラ時代のエピソードがあれこれ飛び出し、取り留めはなかったものの話は面白かった。同時に、「確かにあの頃は演劇が事件になる時代だったんだなあ」と改めて思い、今や社会に与える影響がすっかり小さくなり、お行儀が良くなった現在の演劇状況をちょっぴり寂しく思う。

 ふと気がつけば、今日は13日の金曜日。そしてこのブログの連載回数が『オーメン』。ひえー。どうりで帰宅してみると全身が重くだるい。何もやる気が起こらない。すっかり生きる屍と化している。さては悪魔が取り憑いたか。(それは「老い」です)
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来月の演劇講座は、いよいよ小劇場時代に突入。
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2012年01月12日

韓国版『奇妙旅行』。――[665]生誕19,234日

 朝10時半から夜10時まで丸一日、西新宿。会議「演劇と教育委員会」→新国立演劇研修所『友達』の稽古→ワンツーワークス『誰も見たことのない場所』の稽古。一日が追われるように過ぎていく。気がつけば、24時間芝居のことばかりのような毎日が始まって、もう1週間が経過。新年も明けて、はや12日が過ぎている。こんな調子じゃ、やはり今年も追われ追われの1年になりそうだ、マズいマズいとは思うものの妙案はなく、ただ「がんばろー」と実体のない言葉でオノレを駆り立てるのみ。がんばろー、俺。

 ところで、この19日・20日に、一跡二跳が2002年に上演した『奇妙旅行』が韓国の劇団サンスユによって上演される。 字幕付きの韓国語上演。作者である我が身も本番はもちろん稽古も未だ見たことがないので、いったいどんな芝居に仕上がっているのか今から期待に胸が膨らんでいる。サンスユの演出家(女性)はこの『奇妙旅行』で韓国の東亜演劇新人演出家賞を受賞し(昨年、ソウルにて上演)、今や韓国でもっとも注目を集める演出家の一人らしい。
 しかし、韓国といえば映画でも血ィどばどばっの「これでもか流血映画」が多いので、この韓国版『奇妙旅行』も、もしかしたらとんでもない「バイオレンス&ホラー芝居」になってるやもしれぬと、いささか不安も少々(一跡二跳の初演でも珍しく血糊をけっこう使ったし)。
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劇団サンスユ『奇妙旅行』のフライヤー。
本公演は日本演出家協会主催「日韓演劇フェスティバル」の招聘公演。19日夜7時開演の回には不肖・古城もアフタートークに出ます。お時間ありましたら馬鹿面を見に来てやってください。劇場は東池袋「あうるすぽっと」です。
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2012年01月11日

2011年も3万人超え。――[664]生誕19,233日

 今日も午後から『友達』の稽古。遅々とした稽古に業を煮やした演出家は、よせばいいのに次第に前に出てやってみせる頻度が上がっている。「今、こうやってたじゃん」「どういう気持ちになったら、こなんふうに動けんの?」。悪意に満ちた物真似ならこの男、得意満面。あれ?もしかしたら、演出家がしつこくやってみせる回数の多さが稽古の遅さの原因なのか?
 
 7時半に稽古を切り上げ、急いで劇団事務所へ。昨日の打ち合わせを受けて、今日は劇団での制作会議。我が劇団の会議はいつも枝葉末節のことばかりに時間を取られて、気づけば誰もが「木」ばかりを見ているが、「達成したいことは何か」、その「森」をみんなで肝に銘じることが大事。芝居も会議も「自分で考える」事が何より重要なのだと改めて思う。ま、我が人生にも同じ事は言えるのだが。(泣)
 
 ワンツーワークスでは「自殺」をテーマにした芝居『誰も見たことのない場所』の稽古が断続的に続いているが、昨日、2011年の年間自殺者数を警視庁が発表、その数は3万513人にのぼった。これで14年連続の3万人超え。初めて3万人を超えた1998年以降では最も少なかったとはいえ、去年は1日当たり84人が自ら命を絶ったことになる。
 藤村官房長官はこの発表を受け、「非常に深刻な事態だ。一人でも多くの方の命を救うため、関係府省が連携して、地域の実情に応じたきめ細かな自殺対策を一層推進していきたい」と発言。しかし、2010年の自殺者の約6割、2万人近くは失業者。アメリカの右へならえから抜け出せない我が国でも「格差」はいよいよ鮮明になって現れている。ユーロ経済危機、東日本大震災など不況を煽ることばかりが目立ち、景気回復の兆しが見えない中で、自殺対策に本気で取り組む余裕が今の政府にあるとはとても思えない。この国はますます「弱者切り捨て」に突っ走っているのではないかと溜息が出る。
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14年連続3万人超えは異常にして悲しい。
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2012年01月10日

目から鱗。――[663]生誕19,232日

 午前中、打ち合わせのため新宿へ。劇団の票券をお願いしている会社のIさん&Kさん、我が劇団の制作F女史とで制作会議。さすがにチケットのプロのIさんからは目から鱗のような話がいくつも飛び出し、なるほどアンケートの活用にしても券売の目標設定にしても漫然とルーティン・ワークのようにやっていたのだなと我が劇団の至らなさを突かれて、その場しのぎ・付け焼き刃的な我らの制作実態を振り返るに、誠に片腹痛い。
 
 午後は『友達』の稽古。今日も進みは亀のようにのろい。このノロノロペースからいつになったら脱却できるのか。待っても海路の日和などない。そう我が身に言い聞かせつつ突っ走ろうとするが、演出家の言葉は空回り多し。若い俳優を見ながら、もしや奴らは言語の通じない異人種なのではないかと焦りと不安ばかりが募る。
 
 今日も稽古はダブルヘッダーで、8時になって既に始まっている『誰も見たことのない場所』の稽古に合流。ここでも稽古場には活気が乏しく、せめて笑いのある明るさをと思う演出家はダメ出しに笑いをまぶそうとするが、スベり多し。もっと真剣に、笑いの勉強をしなければ。(おいおい) 
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演出家の言葉の「選択」が悪いのか?
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2012年01月09日

既に黄色信号。――[662]生誕19,231日

 午後から『友達』の稽古。相変わらず進みがのろい。5時間かけて流れがつくれたのは台本12ページほど。このペースは既に黄色信号。性根を入れて稽古できるのは実質残り8日しかない。ひとまず形にしなければと思うのだが、若き俳優たちは慎重なのか、思い切りが悪い。一人一人がマイプランで周りはお構いなしにセリフを重ねていくので、これでは芝居もどき。芝居ではない。それでいちいち止まって、しつこいほどに同じ個所を繰り返すことになる。

 いかんいかん、多少のことは目をつむって先へ先へと進まなければ。我慢我慢と我が身に言い聞かせていた演出家も次第にダメ出しに毒をまぶし始めるが、効き目がまだ雀の涙。明日からは本気になって毒を吐かねばなるまい。(それしか能がないのか、この男)

 ずいぶん気になりながら観るチャンスがなかったショーン・ペン監督の映画『イントゥ・ザ・ワイルド』をようやくレンタルで観る。原作がノンフィクションだけあって2時間半の長さも気にならず見応えがあるが、予想外の結末にかなり驚く。でも、だからこそ「幸福とは誰かと分かち合うこと」という言葉が胸に刺さってくる。ショーン・ペンは雄大な自然の見せ方は今ひとつだが、人間の描き方はうまい。

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水面を滑る、あれは鴨?と思ってシャッターを切った直後に飛び立った。ちょっと、たまげた。

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2012年01月08日

今年は危ない。――[661]生誕19,230日

 今年はどうも危ない。マジで認知症が遠い出来事ではなくなりつつある。先月21日といい、今月5日といい、予定を把握できていないポカが続いたが、なんと今日もまた。
 去年は映画館に足を運んだ回数が過去最低だったので、夕方から出かけようと思っていたら、「遅刻します」のメールが届く。え?遅刻って何に? と一瞬頭が白くなって手帳を見ると、今日はワンツーワークスの稽古が入っているではないか。

 あちゃー。そうでしたか。さようなら、トム・クルーズ。すっかりスパイ大作戦気分でいたのを無理やりねじ曲げて、西新宿の稽古場へ向かう。

 その稽古、『誰も見たことのない場所』は早いもので初演から今年で6年目に突入。新作を短期間でがががががーっとつくっていくのはスリルもあって(おいおい)楽しいが、同じ作品を長年やり続けるのは「慣れ」との闘いなので、そうそう楽しくはない。言ってみれば、ラブラブな恋人同士と長年連れ添った夫婦のような違い(ホントか?)。倦怠期にあらがいつつ、どうにか安定した状態を保たなければならない。それほどにフレッシュで居続けることは難しい。
 今日も稽古は「感覚を取り戻す」ことに終始し、新たな発見や感動や感情の揺さぶりを見いだす稽古には至らず。それでも若手Sの押し出す言葉に少しではあるが圧力が増していて、オッサン演出家は成長する我が子を見守る好々爺のような気分になる。再演の稽古は我慢との闘いでもある。 
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川沿いを走るランナー。日曜日は集団で走るグループも多い。
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2012年01月07日

すぐに縮こまる。――[660]生誕19,229日

 午後から『友達』の稽古。ようやく稽古らしくなってきて細部に演出的なダメを出し始めるが、おかげで同じところを何回も繰り返す羽目になり、なかなか先へは進めない。それでもここは我慢我慢と我が身に言い聞かせ、若者たちの個性を見極めつつ、作品の方向性を少しずつ決めていく。ああ、骨が折れる。
 
 自宅に戻ると疲労感がすごい。年始に軽かった体が嘘のように固まっている。もう、この歳になるとアカンですね。若者と一緒にウォーミングアップをしようが、殊勝にランニングに精を出そうが、老いた体はすぐに縮こまる。おまけに夜の冷え込みがすごいので、まるで機動力がない。
 いやいや体を温めてバリバリ仕事に取りかからねばと、ひとまず熱い風呂にずぶずぶ浸かってみるものの、体がほぐれてくると優雅な気分になってDVDなんぞを見始める。どうやらこの男、精神力に欠陥がありそうだ。
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雨漏り? なんとも適当な応急処置。でもま、こんなもんか。
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