2010年10月24日

老い日記[220]――生誕18,788日/禁煙173日目

 クエンティン・タランティーノ監督の『イングロリアス・バスターズ』をようやく観る。
 予告で「売り」になっていたブラッド・ピットよりも悪役のクリストフ・ヴァルツが飛び抜けて面白い。アカデミー賞助演男優賞も納得の怪演。タランティーノ監督お得意の、B級テイストに突然モードチェンジする人を食ったような演出も健在で嬉しくなる。音楽のセンスも相変わらず上等。ただし、本作の後味はすこぶる悪い。少しも飽きることなく2時間があっという間に過ぎるのだが、終わってみれば胸やけしたように不快感が残る。なぜか?カタルシスとはまったく無縁の終わり方だからか? 暴力シーンをことさら暴力的に描く意味わ見いだせなかったからか? それとも暴力を受け付けないほどに我が身が老いたってことなのか?
 
 
 夜は世田谷パブリックシアターでピーピングトムの『ヴァンデンブランデン通り32番地』を観る。このベルギーのダンス・カンパニーは初見。印象的だったのは、軟体動物のような体の動き。柔軟性がやたらと強調されていて見世物小屋的な味わいさえ漂う。ただし、今村昌平監督『楢山節考』にインスパイアされた作品とのことだったが、さほど関連は見受けられず。
 終演後のポストトークも聞くが、聞き役の評論家が質問するたびに自分の解釈を長々と語るので会場は「おいおい勘弁しろよ」というムードに包まれるが、評論家は我関せずで持論を展開。まさに空気がよめない状態。ああなっちゃいかんぞ、と話の中身より、そのことを心に留める。
 
 その後、新宿に出て飲みの席に合流。我が劇団の俳優Oと、Oと俺の大学時代の先輩Tさん、3人でわいわい飲む。早々に引き揚げるつもりだったのに、いつものようにそういうわけにはいかず、12時回ってようやく腰を上げる。
ピーピング・トム.jpg
「ピーピング・トム」のプログラム。関節、ないんじゃねーの?という動きが不気味だった。
posted by 老い日記 at 00:00 | Comment(0) | 日記