2011年08月31日

楽しかったです。――[531]生誕19,0706

 慢性寝不足から、慢性的に目が痛い。
 思えば我が人生、目に振り回され(かつて黒眼を引っ張っている筋肉を付け替えるという手術もしたし)、同時に目を相当に酷使してきた。もうとっくに人生、下り坂。ひどくなって当然とは思うものの、近視に乱視に老眼。どれもこれもに日々、悩まされる。もう少し目に優しい生活を送らないと、遠からず目の叛乱が起こるのではないかと戦々恐々。
 
 本日もダブルヘッダー。『幽霊人命救助隊』と『誰も見たことのない場所』。どちらも自殺を扱った芝居なので気持ちは真っ暗……とはならない。やはり芝居をつくり上げていくプロセスは楽しい。この過酷なスケジュールでは楽しいと思わないとやっていけない。だから今日も、とーっても楽しかったです。はい。
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マイ・ブームのロイヤルミルクティー。これ1個、グラスに入れて牛乳を注ぐだけ。うまい。超うまい。
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2011年08月30日

神、降臨?――[530]生誕19,0705

 午前中、しこしこと執筆作業。ちょっとノッてきて、「おお、文章の神様、我が身に降臨か?」と滅多にない喜ばしい状態になりそうだったので、午後1時からの脚本打ち合わせに「30分遅れます」とすかさず電話し、アドレナリン出しまくりで、しこしこ作業に没頭する。ま、終わってみれば、大した神は降りてきてくれなかったが。(泣)
 打ち合わせでは脚本家のSさん、改稿改稿で死んでるかと思いきや意外と元気。飄々と受け答えするSさんを見ながら、きっと心の中じゃ大変なことになってるだろうなと、同じ劇作家としては同情を禁じ得ない。(涙)
 『幽霊人命救助隊』の稽古は、できる場面を細かく詰めることに徹して、6時に終了。
 それから食事をとる暇もなく西新宿へ移動して『誰も見たことのない場所』の稽古。恐怖のダブルヘッダー。とはいえ、こちらは先日本番をやったばかりなので、おさらいのようにして頭から進め、夜10時に終了。
 あっち行ったりこっち行ったり、あれやったりこれやったり。なんだか、どれも中途半端なまま進んでいる気がして腹の底から毎日がもどかしい。
 要領が悪いのか? それとも容量が足りないのか?
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落書き標識。ん? ホントに標識だったのか?
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2011年08月29日

どっちが幸せだ?――[529]生誕19,0704

 午前中から会議で初台へ。新国立劇場サポート会議。皆さん、午前中からよく喋る。会議なんだ、当たり前か。慢性寝不足の演出家もどんより頭ながらよくく喋る。この人は病気か?
 その後、西荻窪で4時半から美術打ち合わせ。舞台美術家Mさんと久々に会う。以前は飲み屋でちょくちょく会っていたので、一緒に仕事をするのはほんとに久々。舞台イメージをざっくり話して、今日はおしまい。今や売れっ子のMさんだが、意外にも今月はずっと暇だったとか。「ホントに休めるもんだね。休みすぎて頭が働かなくなってるから」とヌハハと笑う。Mさん、こっちは仕事が詰まりすぎていて頭が働きません。休みが欲しいっす。海外に逃げたいっす。さぁ、どっちが幸せだ?
 そのまま6時からウォーミングアップに突入。ダイエットが功を奏して体は軽いが、見通しの立たない稽古に頭は重い。
 『幽霊人命救助隊』の稽古、既に追い込み時期に入ろうとしているが、ゴールはまだまだ遙かに遠い。
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新国立劇場「マンスリー・プロジェクト」のチラシ。結構いい企画、やってまっせ。
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2011年08月28日

自己の貧弱な後ろ姿。――[528]生誕19,0703

 このところの超過酷スケジュールはまだまだ終わりが見えない。時間に追われ気もそぞろの劇作家は、あちこち体に不調を覚えながらも、マッサージにも行けず、定期的にきちんと走っていたランニングもこの2週間はストップし、ただただベッドで爆睡する日に恋い焦がれている。
 「文章を書く努力とは、次第にあらわになってくる自己の貧弱な後ろ姿を正視する作業にほかならない」
 加藤周一さんの言葉を呪文のように唱えつつ、パソコンの前にじっとじっと座り続ける。そうして自己の貧弱な後ろ姿を正視してはいるが、正視すれば前に進むものでもなく、この苛立ちはどうすればいいんでしょうか、加藤さん。
 
 夕方から西荻窪へ。一つが終われば、また一つ。『幽霊人命救助隊』の稽古。こちらもまだまだ貧弱な後ろ姿にじっと耐えるような日々だが、「あのなぁ、ものを生み出すってのはこういうことなんだよ、けっ」と相手もいないのに毒づく演出家は、いよいよ痴呆症の道をひた走る。いかん。この超過酷スケジュールでは再び癌になる前に呆け老人になるやもしれぬ。
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劇団朋友公演『幽霊人命救助隊』のフライヤー。誰か私を救助してくだせえ。
 
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2011年08月27日

やり逃げ。――[527]生誕19,0702

 8時半にホテルのロビーに集合。今日も朝から「犬バス」に乗り込み劇場へ。
 10時半から再び場当たり。12時、スタンバイ。その後、司会の方を交えてアフタートークの打ち合わせ。
 12時45分には開場。堺市公演は事前申し込み制で400名まで受け付ける予定だったが、あっという間に400名を突破。劇場のキャパは520ほどなので、その後500名まで受け付けることにしたらしいが、これも瞬く間に突破。以降も申し込みが絶えず、結局50〜60名ほどにお断りをしたという。すごいね、堺市。なぜそんなに自殺に関心が高い?逆にビビるわ、と思いつつも満席の客席は、やはりありがたい。
 会場にははるばる遠方から足を運んでくれた人も多数。広島からプロデューサーOさん、鳥取から女優Kさん&Sさん、宮崎から劇作家・演出家Nさん。感謝感謝。
 
 午後1時30分、開演。空間的にも収まりがよく、中には緊張ゆえか俳優がとっちらかって、「おいおい、大丈夫か?」というシーンもあるにはあったが、無事、終演。
 続くアフタートークも地元のアナウンサーの方が進行にソツがなくて、無事、終了。一緒に出たベテラン俳優Oからは「いちいち話に入りすぎ。言いたいこと言いまっせという思いが強すぎ」とダメ出しを受ける。「え?全然喋り足りなかったんだけど」と出しゃばり演出家は思っていたのだが。
 
 バラシ・積み込みもスムーズに済ませ、堺市の皆さんありがとう! と全員レンタカーのバスに乗り込んで伊丹空港へ向かったのだが、ドラマはここから始まる。
 昨日・今日と移動はすべてレンタカーのバスで、運転はベテラン俳優Oの担当だったのだが、このオッサン、すでに老境ゆえ、カーナビを信用しない。いちいち地図を見て、あとは動物的勘だけで運転しやがる。「ナビ、見れば?」「ナビ、見てよ」という毒のこもった演出家の言葉をことごとく無視。ふん、もういいよ、勝手にしろ、と拗ねていたら、なんと渋滞にはまる。高速が途端にのろのろ運転に。伊丹空港発の飛行機は8時15分。このままじゃ全員、間に合わない。
 一気に不穏な空気漂う車内。というか、不穏な俺。途端に運転席の近くに座っていた若手Oがナビを見て、「ナビだとあと○○分です」としきりに説明するのだが、かえって緊張感を煽る。誰も責めようのない苛立ち。やがて徐々に渋滞が解消し始めると、若手Oは「大丈夫です、間に合います」と言うが、その声には誰も答えない。フライト30分前。ようやく伊丹空港が見えてくる。と、犬バスの車内から期せずして巻き起こる拍手。なんだ、みんな気になって起きてたのかよ。やれやれ。
 もちろん帰りの機内でも爆睡。無事、羽田について家に帰り着いたのは12時近く。本番やってやり逃げという過酷スケジュールはオッサンには拷問のよう。
 かくして『誰も見たことのない場所』堺市公演、幕。堺市の皆さん、お世話になりました。へろへろです。
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『誰も見たことのない場所』堺市公演の舞台。一体感のある空間が心地よい。 
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2011年08月26日

堺市へ。――[526]生誕19,0701

 いつまで続く睡眠不足ライフ。今日も睡眠わずか1時間で朝7時半には家を出て羽田へ向かう。
 久しぶりの旅公演。待ち合わせ場所とおぼしき空港内の場所には2、3人しか見当たらず、うろうろしていたら北ウイングと南ウイングを間違っていたことが判明。いきなり、疲労が倍増。大阪までの約1時間のフライトは、もちろん睡眠に充てる。
 
 初めて降り立った伊丹空港からはレンタカーのバスで移動。運転手は我が劇団のベテランO。ここからまた約1時間バスに揺られて、一路、堺市西文化会館へ。12時頃に到着。皆、三々五々に近くのショッピングセンターに流れて昼食。
 ひとつここは気合いを入れねばと、頭を掠めるダイエットライフに目をつぶり、昼からとんかつをしっかり食べる。(小心者ゆえ、ごはんは半分だけ)
 午後1時から搬入、仕込み。役に立たない演出家は搬入だけは手伝うが、仕込みはお任せして楽屋で独りパソコンとにらめっこ。ほんとにただ睨んでいるだけ(泣)。オノレの非力さがひしひしと身に染みて、ひたすら虚しい。
 夕方6時から場当たり。7時30分からゲネプロ。特に問題なく終了。堺市西文化会館はキャパが500強で、客席勾配も申し分なく、なかなか素敵な空間。
 
 夜10時に退出、再び俳優Oが運転する「犬バス」に乗ってホテルへ。(俳優Oが犬顔だからか、Oの運転する車両は劇団員からこう呼ばれている)。
 チェックイン後、いつもの旅公演なら軽く飲みに出るところだが、仕事を抱える劇作家はコンビニで買い出しをして部屋に籠もる。あっという間の一日。睡眠不足もそろそろ限界。ああ、睡眠を欲しない体と脳が欲しい。
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ホテルの部屋には原始的な健康グッズ、青竹踏みの竹が完備。冗談だろ、と思いました。
 
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2011年08月25日

「追い込み」と「もたもた」。――[525]生誕19,0700

 昼過ぎには田無に向かい、3時から昨日に続いて『誰も見たことのない場所』通し稽古。昨日、ベテランの力に感心していたら、客演Fさん、セリフが出てこない。慣れてきたと思えば、こんなこともあるのだね。油断大敵。
 舞台監督のKさんに「今日はダメ出し、6時までに終わってもらえると嬉しいです」と言われ、即答で「了解」と答えながら、痴呆症の演出家は6時半までたっぷりダメを出し続ける。
 
 劇団メンバーがバラシ・積み込みにかかる中、「それじゃ、よろしく」と先に退出するが、自らの長いダメ出しで時間に余裕がなくなり、電車とタクシーを乗り継いで西荻窪へ。
 ダブルヘッダー2試合目の『幽霊人命救助隊』は一昨日の続き。ああ、いつになったら立ち稽古が始められるのやら。スタートのつまづきが未だに取り戻せずに、もたもた。
 10時に稽古を終えて帰路につき、すぐさまパソコンに向かうがこちらも、もたもた。既に深夜だというのにパッキングも何もしてない。もたもた人生。
捨てられたダーツ盤.JPG
捨てられたダーツ盤。もう誰も、私のハートを射抜いてはくれないのね。
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2011年08月24日

地力が物を言う。――[524]生誕19,0699

 あっちの芝居、こっちの芝居と、心を引き裂かれつつ、パソコンの前にへばりついて、じりじりと日中を過ごし、夕方近くになって田無へ猛然と出かける。
 西東京市民会館での『誰も見たことのない場所』通し稽古。意外と難なく最後まで進むが、ベテランと若手との力の差が歴然としていることに改めて驚く。やっぱり、最後は基礎力、地力が物を言うのだね。日頃から精進精進、これが肝要と我が身を戒める。
 例によってダメ出しを事細かにわーわー言っていたら、退館時間の10時になって時間切れ。「じゃ、残りは明日」と言うと、「えー!!」と非難の声があちこちから起こる。よって……やりました、ダメ出しの続き。会館の外で。薄暗い中、台本片手に寄り添う大人の人々。なんだか、とほほな光景。
 
 気がつけば、8月も残すところあと1週間。今月に入り、ホントにいろんなことに追われて、気分はまるで逃亡者。追われて逃げて、追われて逃げて、今日が何日なのかもわからない日々。追われて逃げて、を繰り返していれば、いつかは逃げ切れるのか?(もしもし?そもそも逃げちゃダメでしょーが!)
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誰のためにあるのか、路地のブランコ。乗ってる人を見たことはない。逃亡者のため?
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2011年08月23日

ダブルヘッダー辞退。――[523]生誕19,0698

 朝から会議で西新宿へ。全員出席の常務理事会は議題も多く、みっちり2時間。議論を重ね、前へ押し進めねばならぬ物事は山積しているが、演劇界全体のことに偉そうに物申す前に目先の自分の仕事をてきぱき片付けなさい。会議中にそう思ったりする。
 その後、午後は『誰も見たことのない場所』、夜は『幽霊人命救助隊』のダブルヘッダーの予定だったが、筆の進まぬ劇作家は、うじうじ悩んだ挙げ句、ダブルヘッダーを辞退し、午後は執筆時間に充てる。仕事が重なりすぎとはいえ、「なんだかなあ。なんだかなあ。情けないなあ」と、声に出して3回呟く。(ツイッターではありません)
 5時半近くになって西荻窪へ。こちらは非常事態が続いているが、できるところを一歩一歩、地道にこなす。つい、一昨日まで広島で悪戦苦闘していたのに、今は3本の芝居に四苦八苦。悪戦苦闘は変わらない。
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涼しげなシロクマくん。決め手は麦わら帽だね。
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2011年08月22日

意識朦朧。――[522]生誕19,0697

 50も過ぎているというのに完全徹夜。朦朧とした頭でホテルをチェックアウト。広島空港に向かうリムジンバスでは、もちろん直ちに睡眠確保。だが、時間にして40分足らず。雀の涙ほどの睡眠量では、かえって頭はどよよよ〜ん。機内に乗り込みシートベルトを締めるや、直ちに爆睡態勢に入ろうとするが、離陸すると、がっくんがっくん頭が揺れて願いは叶わない。
 羽田から電車を乗り継ぎ、西東京市民会館に直行。デカいキャリーケースを引きずって、午後2時にようやく到着。早くも全身疲労感たっぷり状態で、頭はさらにどよよよ〜ん。
 劇団メンバーが朝から仕込んだ『誰も見たことのない場所』の美術は既に組み上がっている。お疲れ様。
 午後3時から場当たり開始。ムーブメントに時間をかける。若手Nは緊張してるのか、「ほどよいテンションのかけ方」がわからないようで、時間に追われる演出家はたちどころに苛つくが、連日の疲れで毒を吐く元気はなし。その後は各場の人物動線も確認しつつ、いくつか変更も加えつつ、最後まで通ると、あっという間に退館時刻の午後10時。
 そそくさと退館。劇団のハイエースで自宅まで送ってもらい、今日初めて楽して移動。ほっとする束の間。 帰宅後は直ちにパッキングを解き、書き物仕事に格闘すべくパソコンの前に張りつく。成果は上がらねど時間はあれよあれよと進み、今は、はや午前5時過ぎ。もう、目がシバシバして意識朦朧。体力が尽きる。
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AKB48の広島版だそうな。どこまで増殖するのか、素人アイドル。
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2011年08月21日

俺たちの甲子園。――[521]生誕19,0696

 ついに本番当日。11時から通算4回目のゲネプロ。こいつらに解釈を理屈で言っても効果なし。何度も何度も繰り返して徹底的に体で覚え込ませるべし、と演出家は本番間際になっても「パブロフの犬」作戦に望みをかける。
 ゲネプロ終了後、ダメ出しに熱を入れて吠えまくっていると、あっという間に午後1時。開場30分前。急いでマチネのプリセットを済ませ、スタンバイ。
 控え室では女子が我が物顔でぎゃはぎゃは言い合って本番直前のテンションを楽しんでいるのに比べ、主役のM(18歳男子)はセリフをぶつぶつ言ったりしているが5分ともたず、トイレに駆け込む。緊張? プレッシャー? 大丈夫か?
 マチネ本番。段取りのミスもいくつかあったが(パブロフの犬作戦、撃沈)、出来はまずまず。だが、ここで安心はできず、終演後、直ちにソアレに向けて、懲りない演出家は再びパブロフの犬作戦に出て、転換の段取りなどをしつこく繰り返す。
 1ステージ終えて本番の雰囲気を掴んだからか、再びスタンバイに入っても、今度は皆、余裕の構え。ただ一人、主役のMのみが気持ちをぱんぱんに緊張オーラを出しまくる。
 ソアレ本番。大きく崩れることも、緊張で空回りすることもなく、2回目の出来もまずまず。お客さんも笑いが絶えず、最後の切ない場面でも客席との一体感があり、暗転になって、よおし、みんなよく頑張ったな、と思っていたら、カーテンコールの照明がついて見ると、主役Mが泣いている。しかも号泣。おいおい、泣いちゃいかんだろ。主役Mは構うことなく、涙をだらだら流しながら一礼。わあ、青春だあ。恥ずかしい。既に青春からほど遠いオッサン演出家は戸惑うばかり。
 客出しがひと段落した頃、ロビーに様子を見に行くと、Mはまだ号泣。我が顔を見つけるとすかさず寄ってきて抱きついてくる。「そんなにしんどかったか?」と聞くと、「はい(ぐすんぐすん)」。おいおい、ここは嘘でも「そんなことないです」と言うとこだろ?と思いつつ、「じゃあ、明日もう1ステージやるか」と冗談をかますと、きっぱり「もういいです」。おいおい、ここは嘘でも……ま、いいか。
 
 その後、全員でバラシにかかり、きれいさっぱり芝居の跡形もなくなったところで、10時前から打ち上げ。
 午前1時に1次会終了。まだまだエネルギーが有り余る若者どもは、「カラオケに行きましょう」と誘ってくるが、既に生命力乏しいオジサンはひと言、「行かん」。「サプライズできっと古城さんが後から来ると信じてますから」というMの言葉を振り切ってホテルに帰る。
 まぁ、仕事に追われる身でなかったなら、「いえーーい!カラオケ!」と若ぶりたい気持ちもなくはなかったのだが、仕事を投げ出せるほどの勇気もなく、ああ、チェックアウトまであと6時間かと、独りむなしくパソコンに向かっている。
 『俺たちの甲子園』、幕。
 ご来場の皆様、ありがとうございました。
『俺たちの甲子園』舞台.JPG
『俺たちの甲子園』の舞台。写真はピンぼけながら、芝居は若者の熱気むんむん。(だったと思いたい)
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2011年08月20日

ゲネプロ × 3。――[520]生誕19,0695

 12時からゲネプロ。その後、長々とダメだし、小返し。4時45分から2度目のゲネプロ。再び、ダメだし、小返し。8時から、ついに3度目のゲネプロ。三たび、ダメだし、小返し。
 ……疲れました。それでも文句一つ言わず食いつてくる若者に感心しつつ、鬼の演出家は雄叫びをあげ続ける。「なんでそこで泣けないんだよ」。やってみせました。「もっと思い切り叩きつけるんだよ」。やってみせました。独り、友情に涙し、独り、怒りを爆発させ、独り、燃え尽きる演出家。まるで演出家ワンマンショーのような小返し稽古。いいのか、こんな稽古で。
 「男は単純だ。男は計算しない。男は笑える。男は口下手だ。男はつるむ。男は女に弱い。男は張り合う。男はサイテーで、そして、男はサイコーだ。男ですいません。」
 これ、缶コーヒー「ジョージア」のCM。まさに『俺たちの甲子園』はこんなワールド。いよいよ、明日は本番。若き男の子どもよ、サイテーでサイコーの男になってくれい。
客席でメイク.JPG
 
客席で大人の女に変身中。左から18歳、22歳、19歳。女は男と違って、たちまち大人に化ける。怖い怖い。

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いよいよ幕が開きます。

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2011年08月19日

取っ組み合い。――[519]生誕19,0694

 稽古はついに退館時間の9時をとっくに過ぎて10時過ぎまでに及ぶ。それでも転換の段取りなどに時間を取られ、人物の心情とか各場面で出すべきムードとか、表現のレベルからは程遠いところでもたもたしている。
 今年の「DOCS」は高校生2人を含み、年齢16歳から22歳。『俺たちの甲子園』はいわば「負け犬」のドラマなのだが、この負け犬の持つ「やるせなさ」「苛立ち」「もがき」がどうにも今時の若者には理解し難いらしい。その上で「友情」という普遍的なテーマを描いていると思っていたのだが、それもピンとこないようで、「へぇ、これが友情なんですか」といった反応。
 友情なんだよ、これが。高校野球を見ろ。友情のお手本のようなエピソードがてんこ盛りだぞ。オジサンはそれで十分、号泣できるぞ。などとオジサンが熱く語っても、「へぇ、そうなんですか」とのれんに腕押し状態。その伝わらなさぶりにオジサンはまた泣けてくる。
 取っ組み合いをする場面でもお遊戯のような芝居に怒りまくり、オッサン演出家はよせばいいのに「こうやるんだよ」と何度も実演してみせるので、たちまち息が切れる。
 もはや「友情」は過去の遺物なのか。時代を超えた普遍的なテーマというのは、とっくに失われているのではないか。そう思い至って、オジサンは愕然とする。
 一日の稽古を終えると、肉体的にへろへろ。加えて精神的ダメージも甚大。明日はとうとうゲネプロ。薄氷の上の綱渡りが続く。
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『俺たちの甲子園』で重要な小道具として使われる麻雀。ハイ、高校生の物語ですが、それが何か?
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2011年08月18日

少しビビる。――[518]生誕19,0693

 『俺たちの甲子園』も本番まで残すところあと2日。追われ追われて時は過ぎゆく。今日も稽古を始めるや、ろくに休憩を取る暇もなく、気がつけば5時、気がつけば9時半と、怒濤の勢いで時は過ぎ去る。
 主役のM(19歳男子)は取っ組み合いをする場面、怒鳴る場面、悔しさに震える場面、どれもこれもうまくできず、あの手この手で解説しても、「よくわかりません」。草食男子もここに極まれり。「喧嘩したことないのか?」と聞くと、Mのみならず、男子全員が「ありません」。日本人のオスの将来は大丈夫なのか?
 
 休憩中に19歳女子が近づいてきて、「芝居のいいところってどんなことですか?」と真顔で聞いてくる。不意を突かれた演出家は、「どうして生きているんですか?」と問われたような気になり、少しビビる。すいません、目先のことに追われて、そんなこと最近考えたこともなかったです。
 「いろんな人の価値観を体験できること。それから本番が終わると、潔くすべてが消え去ってしまうこと」
 自分の答えた言葉に、後から思わず赤面しました。すいません、疲れてるんです。
舞台設定は野球部員の下宿部屋.JPG
舞台設定は野球部員の下宿部屋。
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2011年08月17日

二度とない夏。――[517]生誕19,0692

 ウォーミングアップをサポーターの地元演劇人に任せて、仕事の捗らない非力な演出家はついに社長出勤。かたじけない。我が身の無能は十分反省しております。
 出勤早々、立ち稽古に臨むと、まさに一挙手一投足に「違う違う」と社長は吠えまくり、あっという間に時間を忘れる。
 
 しかし、なんだね。『俺たちの甲子園』という芝居をやっていると、ホンモノの甲子園真っ盛りの今、高校球児たちの奮闘ぶりが例年になく胸を打つね。憧れのマウンドに立つまでの汗や涙、友情を思うと、オッサンは泣けてくるよ。いいね、青春。最高だね、二度とない夏。
 深夜、ホテルでファンキーモンキーベイビーズの『あとひとつ』を聞きながら涙するオッサン。不気味です。
 こうして、頭の中がもう「青春」でいっぱいになっているので、ホテルに戻ってもなかなか頭が切り替わらず、結局仕事は捗らず。おっさん、青春より仕事でっせ。
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劇場とホテルを往復するだけの日々。緑が恋しい。
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2011年08月16日

独居房に帰る囚人。――[516]生誕19,0691

 目の奥が不意に「あたたたた」と痛む。それが割と頻繁に起こる。ろくに睡眠がとれていない日々が続いてるせいなのか。単に疲れ目だとは思うが、気になる。
 それにしても何のためのホテル暮らしか。ろくにベッドも使わず、疲れは少しも回復しない。まるで独居房に帰る囚人のような気分でパソコンの前に張りつく。ああ、早く娑婆に出たい。
 
 10日間で芝居をつくるという無謀大胆企画は6日目を終えても最後の場面にたどり着けず。せっかく本番と同じ劇場で稽古できるという贅沢な環境なのに、手取り足取り機嫌取り演出作業ではそれが拷問のようにも思えてくる。夜まで拷問、その後は独居房。ああ、楽しい。ああ、早く刑期を終えたい。
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屋形船で繰り出したい。
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2011年08月15日

ボディブローのように。――[515]生誕19,0690

 稽古が終わって連日、ホテルに直帰。居酒屋に向かったのは初日の木曜だけ。ここまで飲まない広島も珍しい。別に酒をあおりたい欲求に駆られているわけではないが、疲れやストレスを発散する場がないのは意外とこたえる。こういう日が続くとボディブローのように、体と神経にじわじわとダメージが広がっていく。結構、限界かも。
 
 本日、南区民文化センターは休館日ながら自主事業の強みで小劇場での稽古を続行。今回の『俺たちの甲子園』は高校生のドラマとはいえ、制服をそろえればOKというこれまでの芝居とは違うので、衣装パレードにも時間がかかる。
 ええい、時間がもったいないから稽古しながら衣装チェックもするわ。と、気の利いたようなことを言ってみたものの、いざ稽古が始まれば、役者のひと言ひと言に引っかかり、結局場面は全然進まない。もちろん衣装チェックも進まない。あまりの会話のできなさぶりに、ええい、時間がもったいないから今回の芝居やめるわ。そう言いたくなる。でも大人だから言いません。その代わり、吐きまくる毒は致死量寸前だけど。
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早くも劇場にセットの台組み。キャパ約130の空間は一体感が存分に味わえる。(芝居がうまければ)
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2011年08月14日

満身創痍の広島。――[514]生誕19,0689

 朝から夜まで「DOCS」で戯曲講座と芝居の稽古、そのほとほと疲れ切った心と体を休める時間もなく、睡眠不足が連日続く、満身創痍の広島。我が身の非力が原因とはいえ、ああ、1日でいいから丸々休みが欲しいと願うのは贅沢なのか。
 今日も10時から戯曲講座。昨日に輪をかけ、「ここが変」「ここもおかしい」「さっぱり意味がわからない」と、若い劇作家の芽を片っ端から摘み取っていく。あまりの毒のヒートアップに、気がつけば時間はとっくに30分もオーバーしている。
 その後、ささやかな休憩を挟んで直ちにウォーミングアップ開始。さぁ、今日も忍耐強く立ち稽古に臨まなければとオノレにカツを入れたのに、「あの舞台の台組みはいつしますか?」と担当者から声がかかる。そうでした、この耄碌演出家、「わかりました、明日はまず舞台の台組みをしてから稽古に入りましょう」と昨日言ったのをすっかり忘れている。
 ということでアップ終了後、「じゃあ今から先に台組みをするから」と、さも予定していたかのように指令を出し、全員で本番で使う小劇場で早くも台組み。その台組みもよせばいいのに、「舞台を床高くして張り出し、さらにその上に一段高い長方形舞台を斜めに振って乗せる」という凝った舞台にしたため、仕込みはたっぷり夕方までかかる。
 おかげで今日の立ち稽古スタートは夕食休憩後。稽古4日目にしてようやくラストシーンに手をつけるが、主役のM(19歳)はビビっているのかセリフがなかなか出ず、苛立つ演出家がさらに毒を吐きつつ追い込むため、主役はさらにちぢこまる。
 最後に無理やり頭から通してやって、9時前に終了。
 
 人には偉そうに難癖をつけまくる演出家は、稽古が終わると棚上げしている自分の仕事がさっぱり進んでいないため、夢から覚めたように現実に引き戻されて今日もホテルに直帰。そこで日ごろのオノレを反省し、心を入れ替えて「よっしゃあ頑張るで」と発奮すればいいものを、部屋に籠もった途端に「ああ、今日も疲れた。こんなにくたびれた体と頭じゃ仕事にならんわ」と、早くも作家のやる気はくじけそうになっている。
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四方を金網に囲まれた公園。どこか刑務所の空気が漂う。遊んでいる人を見たことは、まだない。我が現在の心象風景のよう。
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2011年08月13日

おまえはもう若くない。――[513]生誕19,0688

 沈静化に向かったと安心していた風邪が「いやいや、まだまだ」とぶり返し始める。稽古を終えてホテルに戻り、シャワーを浴びた直後から体に寒けが走り、みるみる熱っぽくなる。マズいマズい。おまけに1年近く鳴りを潜めていた左上の奥歯がうずき出す。なんてことだ。風邪に歯周病。なんとしても、どちらも食い止めなければ。
 それにしても老いていくと毎日毎日、油断ならない。一日でもケアに予防にメンテナンスを怠ると、たちまち体が不調を訴えてくる。おまえはもう若くないのだと。おまえの体はもうとっくにポンコツなのだと。そんなことは知っている。知ってはいるが人は怠ける。(え?俺だけ?)
 
 今日は朝10時から戯曲講座を3時間。その後『俺たちの甲子園』の稽古を夜8時まで。
 例によって戯曲講座ではオノレのことは見事に棚上げし、若き劇作家の卵たちの努力の結晶を「俺はこれ、一つも面白いと思わない」と、ばっさり切って捨てる。言うは易し。講座から即刻退席し、直ちにホテルにカンヅメになって戯曲を書かねばならぬのは我が身なのだが。
 芝居の稽古のほうは今日も主役M(19歳)と、ほぼマンツーマンの対決の様相。不毛にして根気を要する闘いが続く。あと1週間で、どこまで化ける?どこまで高みに上がれる? カウントダウンするのも今は恐ろしい。
原爆ドーム.JPG
原爆ドーム。今年は例年以上に胸に迫る。無言の警告。
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2011年08月12日

衝動買い。――[512]生誕19,0687

 持参したパソコンについに見切りをつけ、ほとんど衝動的にホテル近くの電気店でノートパソコンを買ってしまう。一太郎がないと話にならないので、東京に帰ればあるにもかかわらず、「ええい、勢い勢い」と合わせて購入。我ながら計画性ゼロの行動に呆れ果てる。
 「DOCS」は昨日、「明日は台本の最後まで通るから」と宣言していたのに、いざ稽古を始めると、セリフのひと言ひと言に引っかかり、動きの一つ一つに腹が立ち、気がつけば昨日以上に黒い毒を未来ある若者に吐き続ける。
 「今、なんで笑った? 台本にハハハと書かれてるから?でも全然おかしいと思ってないよね? なんでおかしいと思ってもいないのに笑うんだ? それは自分に嘘ついてるってことだよね?」「今の感情の変化、全然わからないんだけど気が狂ったってこと?気が狂ったとしか思えないよ」「あのねぇ、なんで字面通りの感情で喋るの? 字面通りに言うセリフなんてほとんどないよ」「らしく見せるのが演じるってことじゃないよ、芝居はごっごじゃないんだよ」「ねぇねぇ、もしかして途方もないバカ?」
 うーん、こうして並べてみると、この演出家も相当に人格破綻者だと思われる。ま、今に始まったことではないが。
 
 今日は9時前に稽古終了。その後の居酒屋もなし。仕事が溜まっている身としては、まっすぐホテルに帰ったものの、それから衝動買いしたパソコンをセットアップ。一太郎をインストールし、必要なデータを死にかけのパソコンから移し、やれやれ、ひと段落と思ったら、もう既にずいぶん時間が過ぎている。なんだかとっても無駄なことに時間をとられている無力感に襲われそうになるが、千里の道も一歩から。日ごろ思ったこともない言葉を持ち出して我が身を慰める。(泣)
断髪式.JPG
野球部員を演じるもう一人の主役T(19歳)は丸刈りにされる。ああ、髪の毛がもったいない。
巨大なハゲが….JPG
順調と思われた断髪式。刈っていたプロデューサーの一瞬のミスで巨大なハゲが発生。うわ、これ、どうすんの?
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