2011年10月31日

放射線に軽くビビる。――[592]生誕19,161

 「いわきアリオス」館内のレストランでの昼食時、Iさんが「持ち歩いてるんですよ」と言って取り出した線量計測器をテーブルに置くと、「1.6」という数字が表示されて軽くビビる。こうした数字を毎日毎日毎日気にしなければならない生活とは、いったいどんな暮らしなのか。「気にしたってしょうがない」で済まされるわけがない。原発の代償はあまりに大きい。
 
 今日は4本、観劇。午前・午後、それぞれ2本ずつ。割とゆるやかなスケジュールなので睡眠不足にもかかわらず、なんとか持ちこたえる。平板な芝居だと瞼がだんだん重くなってくるのだが、今年は震災・原発絡みの芝居が目につき例年以上に興味深く、しっかりと見入る。偉いぞ、審査員。(仕事です)
 昨日のと合わせて計7本を見終わって、すぐさま審査。Iさんと意見はほぼ一致。あっという間に上位4校を決める。
 審査結果は閉会式で発表されるのだが、上位大会に出場できるこ1位・2位・3位の学校も、発表の瞬間に歓声が上がることはない。たぶん、先生方から「はしゃぐのはやめましょう」といったお触れが出ているのだろうと思うが、なんとも味気ない。おおおお!きゃあああ! やったああああ! 我が身もその昔の高校時代、県大会で最優秀(1位)を聞かされた瞬間に勝利の雄叫びを上げまくっていた。いつからそれが、どんな理由で「控えましょう」ということになったのか。
 
 閉会式後は上位3校の楽屋をそれぞれ回ってアドバイスの時間。Iさんはさっさと終わらせていたが、我が身はねちねちと細かいところまで根掘り葉掘り言いまくるので、どんどん時間が過ぎる。はた、と気づいて時計を見れば、切符を買っている帰りの「スーパーひたち」出発時刻の15分前。
 あちゃー、間に合わない。半分諦めつつ駅まで送ってもらうと、19:13発に辛うじて間に合う。福島は行きも帰りもぎりぎりの攻防戦。21:34上野着。自宅には23時頃に帰り着く。帰ってみれば、体はどろどろに疲れている。はあああー。
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車窓に映る自画像。めっちゃ、すいてました。
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2011年10月30日

福島・いわきへ。――[591]生誕19,160

 ほぼ完全徹夜で、まだ夜が明けきらぬ頃に家を出る。上野発7:00の「スーパーひたち」に乗らねばならず、我が身にすれば余裕を持って出たつもりが、朝早いってことは電車の本数がまだまだ少ないってことを計算に入れておらず、新宿に着いた時点で待ち時間が相当長く、これはいかん、間に合わないかもしれぬと途端に焦り始める。スマホで調べてみると、どんなに早くても上野に着くのは6:58としか出てこない。これはいかん、2分で山手線からスーパーひたち(常磐線)に乗り換えるのはほぼ不可能。ああ、これはアウトだ。じりじりとした時間を過ごしながら奇跡、いや何かの間違いが起こるかもしれぬと神田で山手線に乗り換え、上野駅に着いてみると6:58。なんて時刻に正確なんだ、我がニッポン。少しはイギリスのいい加減さを見習いなさいと理不尽にボヤきつつ、ダメ元でエスカレーターを駆け下り、そのままダッシュ。上野駅構内をひた走る。ああ、そうか、日頃のランニングはこのためにあったのねと思いつつ横を見れば、同じようにダッシュしながら同じ方向に若いサラリーマンが2人ほど駆けてゆく。ここは負けてはならじとオッサン魂(どんなんじゃ?)で息を切らしながらもスパートを掛けると、おお、なんと、間に合ったではないか。車両に飛び乗り、指定の席に座った途端にスーパーひたちは発車。奇跡、成る!
 
 今日から高校演劇、福島県いわき地区大会の審査員。審査の相棒は広島「DOCS」で今夏に上演した『俺たちの甲子園』の作者・Iさん。久しぶりの再会で、思わず握手。
 本日は3本、観劇。早くも東日本震災、福島原発を題材にした芝居が登場し、その取り組む姿勢に感心。さすが対岸の火事のごとく、のほほんと「がんばろう日本」とスローガンばかりを掲げる人々とは違う。切実さが如実に伝わってくる。そういえば会場の「いわきアリオス」も震災後、長いこと避難所等の役割を担っていて、この大会が初めてのホール使用だそうな。
 
 夜は懇親会で地元の顧問の先生方と飲む。なんでも福島原発の作業従事者が数多く泊まっているので、いわきの飲み屋は繁盛しているという。放射線を危惧して他市他県に転出した住民は相当な数に上るそうだが、それにも増して作業員が流入しているので人口はむしろ増えているという奇妙なことになっているそうだ。車の交通量も多い。
 震災から約7カ月半。まだまだ「3・11」以前には戻れない。
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講師控え室。ゆっくりしている暇はほとんどない。
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2011年10月29日

深い深い蟻地獄。――[590]生誕19,159

 新国立劇場で『イロアセル』を観る。脚本は意表を突きすぎるほどの特異な設定。寒い季節に吐く息が白くなるように、声そのものに色がついている、しかも人によって色は違うので誰の言葉か識別できるという、ほとんどトンデモ話。この広げた風呂敷、大丈夫か?と不安になって見始めたからか、繰り広げられる世界に入っていくのに時間がかかるが、目先の会話はとりあえず面白い。さすがに広げた風呂敷はどうにもならなかったが、それでも脚本には作者の格闘の跡が随所に伺えた。残念なのはなんとも平板な演出。空間的にも感情的にもなかなか立体的に立ち上がってこないので、2時間10分の旅は長さだけを感じることになる。
 驚いたことにカーテンコールで主役の俳優が「○日までやってます」と宣伝告知をしていた。確かに空席は目立っていたが、そこまで悲惨な状況とは思っていなかったので、やっぱりなんだかんだ言っても数字が大事なんだなぁと複雑な思いで劇場を後にする。
 
 今さらながら、我が脚本執筆の助けにしようと、コミック『ブラックジャックによろしく』を本棚に探すが、読みたい1〜5巻が見当たらない。すっかり頼りなくなった記憶を辿り、俳優Oに「貸したままになってるよね?」とメールするが、返信は「見当たらない」。しかし、どう記憶を辿ってもOしか思い浮かばず、我がほうの記憶違いかもしれない可能性は棚に上げて、ひそかにOを呪う。
 老い先短い身としてはそろそろ、貸しっぱなし・借りっぱなしになってる本(DVD、CDも)に決着をつけといたほうがいいよなと思い立つが、我が書棚から何の本が消えているのか、それさえ思い出せない。(だから結局、何もしない)
 
 『死に顔ピース』は導入部がどうも落ち着かない。何度書き直しても、何度演出し直しても、なんだかキレが悪い。深い深い蟻地獄に自ら降りて行ってるようで気が気ではない。
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『ブラックジャックによろしく』。画期的な作品だが、実は主人公が嫌い。「てめぇー、頑張るところが違うんじゃねぇか?」と、見ていてイライラする。
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2011年10月28日

スキンヘッドか?――[589]生誕19,158

 今年は我が毛髪にとって、間違いなく記念の年。52歳という年齢は、薄毛が進んで一気にハゲに変貌した歳として記憶されることだろう(誰に?)。あ、俺、老眼じゃん、と突然、地下鉄の車内で気づいたのは確か44歳だった(路線図の地図をかなり遠ざけて見ている我が身に驚いた)。
 そして今年、実はこうなってたんスよ、と地肌が思いっきり露出し始めている惨状をもはや隠蔽できない事態に。分け目の辺り、頭頂部、どちらも無残。老いてゆくとはこういうことかと唇を噛みつつ鏡に映すと、頭部全体がまるで土砂崩れで次々に木がなぎ倒された裸山のよう。このまま一気に大きな地滑りが起これば、残された道はスキンヘッドしかない。(しかし昨年会った、我が次兄の頭はまだまだ緑いっぱいの密林そのものであったぞ。なぜ兄弟でこうも違うのか?)
 金に余裕があれば「毛を植える」という体験も好奇心に任せてやってみたいものだが、また、その手の企業からCM出演のオファーがあれば迷うことなくOKするのだが、どちらも絵空事に終わるだろうから、結局は日々、薄れゆくススキ野を静かに見守るしかない。ああ、侘びし。
 
 芝居『死に顔ピース』はまだまだ「植え方」不足。まだまだ禿げ山もいいところで、いったいどんな目を見張る山がお目見えするのか、今はただ地道に1本1本、セリフという木、表現という木を植樹していくしかない。(なんだ、この例え?)
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無駄な抵抗。
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2011年10月27日

トリプルスコア。――[588]生誕19,157

 朝から神楽坂へ。T高校での2週間ぶりの授業。17歳の若人たちはお互いにアイデアを出し合い、各チーム、前回よりも洗練された『三びきのやぎのがらがらどん』を披露。それでも何か文句をつけねば気が済まない毒舌演出家はあーだこーだとダメを出す。
 それにつけても最も重要なのはコンセプトだと再確認。どう読み解いているのか。これがしっかりしていないと、細部にきらめくアイデアもたちまちかすむ。
 物事を見極める目、世界を批評する視線。老いた我が身にも、この眼差しはまだ残されているのだろうかといささか不安になりながら、きっと明日しか見えていない17歳のきらめきに目を細め、毒舌演出家はいつしか、すっかり好々爺。ああ、そういえば彼らとの年齢差はダブルスコアどころかトリプルスコアなのだと気づいてやや愕然とする。
 ああ、できることなら、何をするにも楽しかった高校時代に戻りたい。戻って17歳のオノレに、「悪いこと言わないから、芝居の道にだけは進むんじゃないぞ」と忠告したい。
 
 授業から自宅に戻ると、一目散にパソコンに向かい、自己の貧弱な後ろ姿を正視するという苦悶の時を過ごす。稽古は一進一退どころか、同じところから少しも動かない停滞の毎日。ホントに何が嬉しくて、こんなストレス満載の日々を過ごしているのか。芝居の道に進んでしまった我が身を激しく呪う。
 
 一跡二跳創立メンバーのH、CTの結果は血管れん縮も見られず、今のところ問題なし。よかった。ホントによかった。
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ああ、高校生活。あの日に帰りたい。
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2011年10月26日

重い頭と首に耐える。――[587]生誕19,156

 いよいよ芝居が追い込み時期に突入し、それに合わせるように、肩や首筋の凝りも重度の症状を示し始める。ああ、マッサージに行って全身ほぐされたいと思うが、もちろんそんな時間は取れず。ひたすら重い頭と首に耐えつつ、書き物仕事と稽古に明け暮れる。
 
 それにしても時間経過の速さが凄まじい。びゅんびゅんといろんなことに置いていかれて、気ばかりが焦る。そのうえ稽古を終えて帰宅した後の疲労感が半端ではない。これも追い込まれていることによる精神的なものか?とも思うが、家に戻っていったんソファに体を預けると、泥沼にずぶずぶと沈み込んでいくかのように体じゅうがは重い。芝居は体力、としょっちゅう我が身に言い聞かせているものの、やはりそれを上回る気力がないことには話にならんと思い知る。当たり前か。
 さあて、お仕事お仕事。()
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ハロウィンなんだか、ミッキーマウスなんだか、正体不明のキャラクターが近くの商店街に登場。何にせよ欲張りすぎは裏目に出るってことですね。
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2011年10月25日

あとは良くなるだけ。――[586]生誕19,155

 朝から会議で初台へ。企画サポート会議。再来年の企画がどーのこーのと話し合いながら、我が身を振り返れば今日のことも先の予定が見えない悲惨な状況。果たして『死に顔ピース』の全貌はいつになったら見えるのやら。あはははははは。取りあえず笑っておく。
 
 金曜日に倒れたHは日曜日に脳梗塞を起こし、開頭手術をしたとのこと。脳の腫れはひいてきたそうだが、今後は血管れん縮がないか明後日、CTを撮るとのこと。まだまだ大変な状態ではあるが、少しずつながら回復の兆しが見えてきた。
 奥さんからは「あとは良くなるだけなんだよね。良くなるって気を送ってね」とメールが届く。
 送りますとも。あとは良くなるだけ。Hはもちろん、我が身も、我が芝居も、そうなることを信じてじっとパソコンにかじりつく。
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「ボク、独りでも頑張るよ。」
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2011年10月24日

時間の使い方。――[585]生誕19,154

 年を取るにつれ、時間の使い方が下手になっている気がする。一つの仕事がきっちり終わらないと次に進めない。二つのことが同時にできない。いやいや、そんなことはない、とオノレを過小評価するのをやめて、これはいったんこっちに置いといて、と別のことを始めても、結局どれもこれも中途半端に散らかしただけという状況に陥ってしまう。集中力の問題なのか。それとも以前より脳の容量が少なくなっているのか。
 
 あれほど時間に追われ、苦悶した『幽霊人命救助隊』が終わって、はや3週間が経過。再び苦悶の日々の真っただ中。もはやこれは宿命なのか。それとも我が能力が老いとともに低下しているのか。
 『死に顔ピース』の稽古も同じところを行ったり来たり。なかなか先へ進めない。焦りだけが蓄積していく。
 とはいえ、なるようにしかならん。と、腹だけはくくる。(泣)
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王者の広告、コカ・コーラ。その看板には一文字もなし。
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2011年10月23日

白いままの画面。――[584]生誕19,153

 稽古はOFFながら、一日中、書き物仕事に追われる。ひたすらパソコンの前に陣取っていても、もちろん仕事が進むとは限らない。それでも我慢我慢と我が身に言い聞かせるが、夕方近くになって、ああ、このままだと気が狂うと思い、何かに取り憑かれたように走りに出る。
 しかし、心ここにあらずで走っていると、楽しくないね。あれやこれやと気にかかることが浮かんでは消え、少しも無心になれず、ピッチも乱れ、息だけがあがる。
 
 ランニングから帰り、体は少しすっきりしたものの、頭はいっこうに冴えてくれない。ただ、過ぎゆく時間と、白いままのパソコン画面をじっと見つめるのみ。
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更地。頭の中もまだまだ更地。早く何かを建てなければ。
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2011年10月22日

杞憂に終われるか?――[583]生誕19,152

 昨日、Hが倒れたことで気持ちが右往左往していたが、前立腺炎でどうなる?と心配していた俳優Oのほうは熱が下がり、なんとか大事に至らずにすみそうな気配。かなりやつれた顔になっていたが、稽古にも顔を出したので、ひと安心。何より脳天気な本人が「大丈夫だろ」と他人事のように言うので、主役交代劇も杞憂に終わりそう。(まだ100%ではないが)
 
 それにしても、すっかり病人劇団のような状況。昨年、癌になった我が身も今また過酷な状況に追いやられており、睡眠不足、ストレス満載の日々。今度は肺癌か?
 
 稽古後、今回のメンバーと初めて飲みに出る。ビールを1杯だけ飲み、あとはウーロン茶で過ごして12時前には店を出る。大人な飲み会ではあるが、昔より酒を飲みたいと思わなくなったことはいいことなのか、老いの証なのか、気持ちは微妙。未だ麻酔から覚めないHのことを思えば、ビールだろうがウーロン茶だろうが、自力で飲めるだけで幸せなのだが。
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ビールと焼き魚。健康だからこその楽しみなんだと噛みしめる。
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2011年10月21日

クモ膜下出血。――[582]生誕19,151

 朝、もそもそと起き出し、ケータイに届いていたメールを読んで一瞬にして血の気がひく。「今朝、Hがクモ膜下出血で倒れました。今から検査で手術をします」
 
 Hは一跡二跳の創立メンバー。差出人はHの奥さん。病院から知らせてくれた模様。Hはまだ50歳にもなっていない。クモ膜下出血? これはヤバいかもしれぬ。たちまち心が黒く塗りつぶされていくような心境になって、ざわつく。
 それからは一日中、メールのやりとりに明け暮れる。奥さんからは状況を知らせてもらうが、こちらは「大丈夫!大丈夫!Hは必ず戻ってくる!!」とエールを送るのみで、なんとももどかしい。
 Hと長年付き合いのあるスタッフさんや俳優仲間にもメールで知らせる。皆、一様に驚きの返信あるのみ。こういうときってホント、周りは何にもできない。そのやるせなさばかりを噛みしめながら、ざわつく心でひたすら無事を祈る。
 
 昼過ぎに、「診断は推骨動脈解離による解離性動脈瘤のステージ1。午後2時から回復手術です」とのメールが届き、再びもどかしい心に拍車をかけて無事を祈るのみ。夕方、「とりあえず成功」とのメールをもらい、ようやく少しだけ安堵するが、脳血管れん縮や水頭症のリスクもあり、まだまだ予断は許さない状況らしい。
 
 昨夜、速報で流れた、「リビアのカダフィ大佐が死亡」というニュースはどうやら本当だったようだが、神様、頼む。Hの命は奪わないでくれ。
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抜けないトンネルはない。
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2011年10月20日

ここに来て、主役降板?――[581]生誕19,150

 寝たのが4時過ぎだというのに7時には目が覚め、また一段と老人の領域に足を踏み入れる。早起きは三文の得。――などと少しも思わない。惰眠をむさぼる若さが欲しい。
 10時前には会議のために西新宿へ。人材育成委員会。議題はさほどないと思っていたが、育成事業の在り方、ひいては劇団協議会の組織の意義にまで話題が広がる。劇作家・演出家のYさん(扉座)が「うちなんて俺がいなくなったら劇団もなくなるわけで、そういう意味じゃ劇団じゃないよね」と言った言葉が妙に印象に残る。
 
 我が劇団の主役Oは「どうも細菌に感染しているようです」と医者に言われたらしい。腎盂炎、もしくは前立腺炎になっているかもしれないとのこと。もしそうなら、治るのにほぼひと月はかかるとのこと。えー、うそー、ここに来て主役降板?今日はなんとか稽古に顔を出したものの、見るからにやつれている。これは本気で主役交代を考えなければならないかも。
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我が原料作戦で活躍する豆腐。ついにマニアックに走り始めております。
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2011年10月19日

ヨボヨボ劇団。――[580]生誕19,149

 稽古がなかなか進まない。夏から続く怒濤のような多忙さがトラウマとなって、もうあの日々には戻りたくないと頭と体が拒否反応を示しているのか?
 主役を演じる我が劇団のベテラン俳優Oも疲れのせいなのか、体調が悪く熱も39度近くあるということで昨日から稽古を休んでいる。すっかりヨボヨボ劇団と化しているぞ、笑い事ではないが。
 
 今回の新作『死に顔ピース』は終末医療の話で、しかも扱っている病気は癌。去年、胃癌になった我が身としては存分に体験を生かせるはずなのに、いざ具体的に突き詰めて稽古し始めると、「すみません、俺、癌のことよく知らないっす」と、少しも体験が身になってないことを思い知るばかり。
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終末医療の芝居なれど、こんな「かぶり物」がいっぱい出てくる芝居なのさ。
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2011年10月18日

痰に赤く細い繊維。――[579]生誕19,148

 煙草をやめて1年半が経過。とはいえネオシーダーは相変わらずぷかぷかやっている、まるで潔さのない我が身。
 汚い話で申し訳ないが、今日歯磨き前に、かーっ、ぺっ、と吐いた痰に「赤く細い繊維状のもの」が何本もかなり混じっている。すわ、吐血か?と恐れおののくが、正体がわからない。じっと顔を近づけて凝視しても、1本長さ1センチの細い糸のようなその正体はやっぱりわからない。「それは血です」と断言されたら、それはそれで仰天するが確かめようがないので、結局見なかったことにする。
 
 夕方から西新宿で稽古。冒頭の場面を何度も何度もつくり直す。セリフを書いて、やってみては書き直しの繰り返し。つかみが肝心と思いながら、なかなかつかめない。悪あがきが続く。というか、悪あがきするしかない。とほほ。
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不況の波はまだまだ続きそう。看板も主を求めて悪あがき。 
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2011年10月17日

よりによって金縛り。――[578]生誕19,147

 昨夜の深夜3時半過ぎ。どうにも頭がまわらなくなり、「何はともあれ今夜は休んで疲労回復すべし」と久しぶりにベッドでちゃんと寝ようと思って潜り込んだら、金縛りに遭う。
 思い返せばベッドで横になったときから様子がおかしかった。まぶたの裏に「パステルカラーのタイル模様の街並み」のようなものが妙にくっきり浮かんで見えて、なんだ?なんだ?なんでこんなものが見えるんだ?と思いつつ、その妙ちくりんな絵から逃れるために目をいったんうっすら開けてつぶり直したら、体が動かなくなった。ああ、金縛りだ、久々にきたなーと思いながら力まかせに起きてやろうとするが、体はまったく動かない。
 
 おいおい、俺は疲れを取りたいんだよ、なんでよりによって金縛りに遭うんだよ、とムカムカと苛立ちがこみ上げるまま、「ああーっ!」と絶叫して体を起こそうとするが、声は「あぁぁ…」という呻きのようにしかならず、もちろん体も微動だにしない。くそぉ、なんなんだ、久々にベッドで寝てやろうと思ったのに。
 再度、「えええええい!」と大声を出して起き上がろうとするも、「うぅぅぅ……」と、やっぱり声は情けない。
 
 ダメだ、これは長い闘いになるやもしれぬ。それにしてもこの体全体に強くのしかかる圧迫感。ああ、くそぉ、くそぉ。ああ、しんどい、しんどいよぉ〜。 と、状況に耐えていたら、あ、抜けられそう、という予感がしてきて、あ、抜ける、抜けられるぞ、あ、もうたぶん大丈夫、右手でゆっくり掛け布団を押しのけようとすれば、たぶん押しのけられる。そう確信し、ゆっくり行くぞ、ゆっくりな。せーの。
 ――と、重い右手をそろそろと動かしてみると、はぁー(ため息)、やったー、動くよ。動いたよ。で、ゆっくりと布団を押し上げ、ようやく全身から「縛り」が抜けた。

  ……やれやれ。疲れ果てて上半身を起こし、時計を見ると午前4時。ああ、30分近くの格闘だったわけね。
 ベッドを抜け出し、水を飲む。再びすぐさまベッドで眠る気には到底なれず、そのまま机に向かってこれを書いている。
 それにしても我が人生、2回目の金縛り。やっぱり相当に体は参っているんだなぁと痛感する。
 
 今日は久々にS高校での演技の授業。久々だったので何を勘違いしたか、乗換駅で降りたホームでそのまま反対側の電車に乗ればよかったところを、人波につられてホーム階段を上がってしまい、上がりきって、「あれ?俺、どこに行くんだ?」と我に返る。「そうだそうだ、今のホームでいいんだよ」とUターンした途端、乗るべき電車が発車してしまう……。
 ああ、なんてこったと次の電車の時間を見ると、待ち時間10分。ああ、これではバスへの接続もうまくいかず、きっと遅刻だと危惧していたら、ホントに間に合わなかった。いやはや……。
 
 おまけに10分遅れで学校に着いてみると、玄関のわが靴箱にメモが貼ってある。なんだ?なんだ?とメモを見ると、「卒業アルバムの写真撮影がお済みでない方は、写真を撮ってください」という内容。
 すると玄関にいた見慣れない男が「あの、お済みでなければ今からお撮りします」と言ってくる。「ああ、すみません、もう授業始まってるんで。遅刻してるんですよ」と逃げだそうとするが、「何時に終わりますか?」と男は食い下がる。「5時くらいになりますよ」「いいです、5時半くらいまで待ってますので」「あの、絶対獲らないとダメですか?写真ナシってわけにはいきませんか」と、ただの面倒くさがり男は意地悪を言うが、「講師の皆さん、お願いしていますので」。……はいはい、わかりました。
 
 老体にむち打ち、女子高生軍団との4時間にも及ぶ授業をへろへろになって終えて玄関に戻ると、男は当たり前のように待っていて、その玄関先にしつらえた簡単な撮影セットの椅子に座らされる。「最初の1枚はコレ持ってください」と渡されたボードのようなものには「非勤39」と書かれていて、すっかり囚人になったような気分でカメラを睨むと、「笑顔でお願いします」と容赦のない声が飛んでくる。
 なんだよ、別に笑顔じゃなくてもいーじゃんか、と思いつつ笑うと、「もう少し笑って」。これが俺の笑顔なんだよとうるせーなと思いつつ、「ニニッ」と笑うと、カシャカシャカシャ。
 「じゃあ次、体をこっち向きでお願いします」。はいはい、わかりましたよと体を動かしカメラを見ると、「笑ってください」。
 これは何の拷問だと思いつつ、「ニンニン」と笑うと、カシャカシャカシャ。「はい、おしまいです」。……どっと疲れる。
 
 そこから急いで都心に引き返し、いったん我が家に戻って書き物仕事に精を出すが、意外と時間がかかってしまい、いかんいかん、もう稽古場に向かわなければと、慌てて西新宿に急ぐものの、着いてみれば既に午後9時を回っている。1時間足らずで、どうしても試したいシーンを俳優陣にやってもらい、午後10時には稽古場を出る。
 
 金縛りは、あのカメラマンの怨念かもしれぬ。いや、それとも稽古場に現れない演出家に対する俳優たちの怨念か。
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今なお放射線量の数字に翻弄される我がニッポン。東電、もっとしゃんとしてくれい。
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2011年10月16日

左がゆがんでいる。――[577]生誕19,146

 「基礎ワークショップ」2日目。今日も午後1時半から8時半まで、たっぷり「体と声のコントロール」「会話の技術の基礎メソッド」に明け暮れる。
 少し前から思っていたのだが、我が身は体の左半身がどうもゆがんでいるような気がする。いや、間違いなくゆがんでいる。前屈にしても開脚にしても肩の可動域にしても、左側がどうも固い。動かそうとすると、もう無理っす、という抵抗感が右に比べて甚だ強い。一度、整骨院にでも行って見てもらおうかと本気で思う。右と左がバランスよく同じように動けるようになれば、今までの世界が一変し、執筆仕事も目を見張るほどに変わるような気がするのは気のせいか?(気のせいです)
 
 終了後、参加者も含めて飲みに出る。みんなが美味しそうにビールでぷは、ぷは、やる中、演出家はノンアルコールビールでインチキぷはぷは。ま、インチキだろうが何だろうが、ぷはぷはやれる日常はいいもんだ。現状を直視すれば、ホントはそんな余裕、どこにもないのだが。
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我が体も右方向に向いているのか?
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2011年10月15日

基礎ワークショップ。――[576]生誕19,145

 7月に続いて、今年2回目となる我が劇団主催の「俳優のための基礎ワークショップ」。
 今回は宣伝がうまくいってなくて、参加者少なめ。そのぶんほとんどマンツーマンのように、エクササイズという名のもとに体をたっぷり絞りあげる。わかっているようでわかっていないオノレの体。これが「あ、わかる、わかる」という感覚に近づいてくると、体を動かすことは実に楽しい。体は正直。
 
 8時半頃に終わって、その後、稽古場の中野富士見町まで来てもらった舞台美術家Iさんの車に同乗し、梅里まで移動。2回目の美術打ち合わせ。「今日じゅうに決まるのはたぶん無理だろうなぁ」と半分諦めムードで臨んだのだが、話しているうちにあれよあれよとイメージが膨らんできて、見事、全体像がすんなり決まる。やっぱり、一人より二人。直接会って話してみるもんだなぁ、と少しホッとする。
 
 帰宅は11時過ぎ。ワークショップ参加者ほど我が身は動いてはいないとはいえ、全身がだるい。気持ち悪いほどにだるい。それでもオノレを駆り立ててパソコンに向かうが、もはやクリエイティブな発想は少しも浮かばない。美術打ち合わせでエネルギーを使い果たしてしまったのか?
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東京メトロ。横断する「つわもの」がいるのか?
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2011年10月14日

チョキン、パチン、ストン。――[575]生誕19,144

 世界体操男子個人総合。内村航平選手が史上初の3連覇を達成。ひねりの回転の驚くような速さ、軸がまっすぐで微動だにしない静止姿勢、狙いすましたようにぴたりと止まる着地。どれもこれも、あまりの美しくさに息をのむ。感動屋のおじいちゃんは涙さえ出そうになる。特に、床と鉄棒の演技は圧巻。もはや神業の領域。団体優勝ならず、のショックから中一日で気持ちを立て直せる精神力にも驚愕。おめでとう、3連覇!!
 
 10月6日の日記に終わり方が意味不明と書いた『三びきのやぎのがらがらどん』。終わりはこうなっている。
 「そこで――チョキン、パチン、ストン。はなしはおしまい。」
 この唐突に出てくる「チョキン、パチン、ストン」が何のことだかさっぱりわからなかったのだが、広島の劇作家の卵Uが調べてくれたようでメールが届く。
 「深い意味はないらしく、子どもたちをお話の世界から現実の世界に引き戻すおまじないのようようです。民話によく見られる終わり方みたいですよ。」
 なるほど。いつまでも現実逃避をしてるんじゃねーよっていう忠告ですね。(そうではない)
 
 今日は朝から会議で西新宿。常務理事会。このところ、ついつい口が軽くなっている我が身に、「おいおい余計なこと言わなくていーよ」と思いつつ、今日もあれこれと口を出し、単にしゃべりたがりのオバチャンと化す。いただけません。次回からは貝のようになって自重しましょう。
 会議の後は書き物仕事。ずいぶん前から続く執筆地獄はいつになったら終わるのやら。チョキン、パチン、ストン。話はおしまい。そうなってくれるなら、何回でも叫ぶのだが。
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『三びきのやぎのがらがらどん』。やぎの名前が「がらがらどん」。我が身には絶対にない発想力。
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2011年10月13日

何よりもコンセプト。――[574]生誕19,143

 朝からT高校で授業のため神楽坂。担当のY先生にニヤニヤ顔で、「ブログを拝見したら、ガイコツが出てましたね」と言われる。まさか、この日記をチェックされていたとは。Y先生とは先週、初めて会ったばかりなのに。
 授業は約2時間。基礎トレーニングをせっせと1時間やって、残り1時間で各チームが芝居仕立てでつくってきた『三びきのやぎのがらがらどん』を見てのダメ出し。いったんダメを出し始めるとあっという間に時間が過ぎていくので、「短く短く」と我が身に言い聞かせ、なんとか5チームをひと通りやって時間内に終わらせる。
 高校2年生、16・17歳の若人たちがつくりだす芝居は細部に「ほお」と思うようなアイディアがたくさんあるものの、まだまだ全体像は捉え切れてはいない。
 「君らは一つ一つのセリフから細かいアイディアを発想してるけど、逆だよ。全体はどういうふうに解釈できるか。また、どのような世界を創り出したいのか。それをまず考えなきゃ。それがあれば、セリフ一つ一つ、動きの一つ一つに対するアイディアも、コレはアリ、コレはナシとジャッジできるから。大事なのは何よりもコンセプトだからね」
 約1カ月後に我がワンツーワークスの公演を控えながら、少しも進んでいない演出家は我が身に言い聞かせるように女子高生諸君にしたり顔で述べたてる。ああ、みっともない。
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その骸骨くん。今週はなぜか仮面を装着。シャイ?
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2011年10月12日

落下、落下。――[573]生誕19,142

 世界体操男子団体。悲願の金メダルは取れず。最終種目の鉄棒で中国に逆転優勝は堅いと思っていたのに、2番手・最年少の田中佑典選手がまさかの落下。
 ……この時点で終わった。最後に登場したエース・内村航平選手も「あ、切れちゃった」と気持ちが萎えたのが手に取るようにわかり、こちらも落下。見ていて全身から力が抜けた。
 
 それにしても国民性の違いなのか、オノレを鼓舞しまくり、モチベーションの高さを全身にみなぎらせて隠そうともしない中国人選手に比べて、日本人選手は「内に秘めてこそ美徳」と言わんばかりに淡々と演技する。確かにそれが日本人気質とは思うが、それゆえに本番のプレッシャーに弱いのではないかとも思う。最終得点差を見ると、落下がなければ逆転優勝できていただけに我がことのように無念。
 
 しかし考えてみれば、体操競技の演技時間なんてほんの2、3分。跳馬にいたっては一瞬と言ってもいい。その短い時間ためだけに来る日も来る日も肉体を調整し、技を磨き続ける。つくづくアスリートとは大変な職業だと思う。
 それに比べて、キャリアは既に30年近くもあるのに、とある劇作家は本日提出の『二十四の瞳』の台本第2稿が未だ終わらず。……な、情けない。ハイもう、君も落下落下。
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昨日、命がまた一つ、消えた。
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