2011年10月01日

本番やってます。――[562]生誕19,131

 午前11時に高円寺。来週から始まるT高校での授業内容の打ち合わせを女優&演出家のNさん(流山児★事務所)と。1時間ほどで方針を決めて、そそくさと六本木へ。
 難産の末に開いた『幽霊人命救助隊』は早くも楽日前日。今日は昼夜2公演。貧乏暇なしの演出家はマチネが終わるや否や、ダメ出しの要点のみを演出助手のCちゃんに手短に伝えて、急いで初台へ。
 5時半から新国立劇場マンスリー・プロジェクトのリーディング公演『邯鄲』を観る。三島由紀夫のセリフはさすがに美しい。壺井栄の『二十四の瞳』もそうだが、昔の日本語は音が素晴らしく耳に心地よい。聞いていてはっとするような言い回しに何度も出会う。 リーディングは6時半に終了。新国立劇場で会ったK君(研修所修了生)が「観たいです」と言うので、K君を引き連れて直ちに六本木に舞い戻る。間に合わないと思っていたが、7時ぎりぎりに着いて、夜公演も冒頭からしっかり観る。ようやく芝居が落ち着き始めたのに、もう残りは明日の1ステージのみ。
 今夜は我が劇団のベテランOが観に来て、終演後、今回初めて飲みに出る。生ビールを2杯。アルコールを口にして、ああ、なんだかやっと「本番やってます」という気になる。それでも深酒になることもなく、12時前には電車で帰宅。
 なんとか千秋楽に辿り着いたなあ、と独り部屋で安堵していると、真夜中2時前になって主役のK(23歳)から電話。「ダメ出しをお願いします」。残り1ステージというのに偉いと言うべきか悪あがきと取るべきか。それでも心優しい演出家は声がかれかかっているKに延々1時間20分ほどもダメを出す。電話を切ったのは3時過ぎ。きっとKは睡眠不足で千秋楽は声が出なくなる。責任は取りませんが。
 時計を睨みつつあっちに行ったりこっちに行ったり、なんとも慌ただしい一日であった。
 
 今日、耳に飛び込んできたセリフ。開演間近の俳優座劇場にやって来た中年カップル。男が劇場前に置いてある灰皿に立ち止まるや、女がすかさずこう言った。
 「また吸うの!? もうー、ほんとに犬のマーキングと同じね」
 女の声色には侮蔑感たっぷり。その横でネオシーダーをぷかぷかやっていた演出家は思わず、「犬かよ……」と呟きました。
六本木交差点.JPG
六本木交差点。ずいぶん街の表情が変わったなぁ。
posted by 老い日記 at 00:00 | Comment(0) | 日記