2012年02月20日

追い込まれたか。――[704]生誕19,273日

 光市母子殺害事件、最高裁が上告棄却。元少年の死刑が確定。確定までに要した歳月、13年。あまりに長い。
 「乳児を押し入れに入れたのはドラえもんに助けてもらおうと思ったから」「(死後姦淫したのは)復活の儀式だった」……。裁判が長引くにつれ、耳を疑うような証言を真剣な顔で語っていた弁護団が、今日の決定にはさほど声高に異議を申し立てないのはなぜなのだろう。

 こうした事件がクローズアップされるたびに、「この国から死刑制度はきっとなくならないだろうなあ」とつくづく思う。

 田中慎弥氏の芥川受賞作『共喰い』、読了。これまた殺人にまで至る地方の田舎町でのどろどろとした物語。最初から最後まで皮膚にべっとりとまとりつくような、ぬめぬめした感覚が消えない。文章でそうした皮膚感覚を存分に味わわせてくれるのは、やはり腕がある証拠だろうが、閉塞感も半端ではなく、爽やかさとは無縁。しかしこの世界観、嫌いではない。

 田中氏は受賞コメントで「もらっといてやる」と上から目線で話題になったが、文章の筆致は至って正統。

 客演のNさんが「ひどい湿疹」で今日の稽古を休む。ついにNさんも精神的に追い込まれたかと気が気ではない。(他人事じゃないんだよ、そこのオッサン)
共喰い.JPG

暗いながら、クライマックスでは暗さを突き抜けて爽快感さえ漂う。
posted by 老い日記 at 00:00 | Comment(0) | 日記