2012年03月11日

黙祷を捧げる。――[724]生誕19,293日

 千秋楽。原発問題をテーマにした今回の『ジレンマジレンマ』、すべて終了。奇しくも千秋楽が「3・11」からちょうど1年後にあたり(そのことも一因となって、このテーマにせざるを得ない気持ちが働いた)、今日のカーテンコールでは客席の皆さんと一緒に1分間の黙祷を捧げた。
 「2時46分」のそのときは昼公演の上演まっただ中だったわけだが、あらぬ事を考える演出家は、その2時46分ジャストに突然、時報を効果音で出して芝居をストップモーションにしてやろうかとも考えたのだが、それではあまりに唐突すぎるかと思い直し、終演後の黙祷にした次第。

 被災地の復興はまだまだ、道遠し。国も東電もいい加減に腹をくくって本気で取り組んでくれ。

 終演後、劇団メンバーがバラシにかかる中、役に立たない演出家は広島から観に来てくれた面々と今年の「DOCS」の打ち合わせ。こちらも取りまく環境は厳しく、縮小傾向にならざるを得ない模様。それでも後進育成は大事。

 次の世代に何が残せるのか。去年の「3・11」以降、そのことをますます真剣に思うようになった。

 夜8時から打ち上げ。よほど憂さが溜まっていたのか(特に俳優陣)、みんなよく食べ、よく飲み、よく「大変だったね」といたわり合っている。そのままの勢いで2次会も同じ居酒屋に居座り続け、午前3時前に散会。今公演、初めてタクシーで帰宅する。

 お疲れ様でした。
忘れてはならじ。.JPG

忘れてはならじ。決して。
posted by 老い日記 at 00:00 | Comment(0) | 日記

2012年03月10日

温度差。――[723]生誕19,292日

 広島から観に来てくれたOさんに、観劇後、「マニアックな芝居ね」と言われ、たいそう驚く。原発が今なお大変と言われてもピンとこないそうな。それだけ「震災」「原発」に関しては、西日本と東日本では温度差が激しいのだと改めて思い知る。
 もう既にネット上にあれこれ感想を書かれているのでバレてると思うが、今回の『ジレンマジレンマ』は福島第一原発の「その後」について真正面から切り込んでいる。
 それだけに東京の観客は「切実な問題」として受け止めてくれているようなのだが、Oさんの言葉で「残念ながら西日本の大抵の人にはヨソごとなのだなあ」と気づかされた次第。これほどまでに「距離」の違いは大きい。
 だが、言われてみれば、そういうものか。自分に火の粉が降りかからなければ、誰も何とも思わない。一昨年の宮崎の口蹄疫しかり、パレスチナVSイスラエルしかり……。
 問題意識を共有できないことは、とても寂しい。
ここはもう一つの舞台。座ってくれた皆さん、ありがとう。.JPG
いよいよ明日まで。ここは、もうひとつの舞台。今まで座ってくれた皆さん、ありがとう。明日座ってくれる皆さん、お楽しみに。
posted by 老い日記 at 00:00 | Comment(0) | 日記

2012年03月09日

ふざけるな東電。――[722]生誕19,291日

 朝から会議で西新宿。月曜の理事会に続いて、今日は常務理事会。このところ加盟劇団に破産解散などが相次いでいて、演劇界を取りまく環境はいっこうに改善しない。くわばら、くわばら。マジで他人事ではない。

 『ジレンマジレンマ』はラスト3日となって、今日ようやく通常の4時入り。(本番3時間前)
 それでもセリフを少しでも飛ばそうものなら命取りになるこの芝居、役者はせっせと自主稽古に明け暮れている。

 その効果もあったのか、芝居は「隙のない緊迫度」が昨日よりさらにアップ。まあ、この状態を初日にもってこいよ、アホ演出家、ということはあるが。

 東京都が東電の値上げを受け入れる方向で交渉に応じるというニュースに、意気消沈。猪瀬副知事が「値上げの根拠を説明せよ」と異議を唱え、さすが、いちゃもんを付けさせたらこの人は天下一品とエールを送っていたのだが、この人の力を持ってしても、我が国の護送船団方式は揺るがないらしい。
 都は中部電力から電力を買うことも検討していたが、そこは電力会社同士、「供給は厳しい」と見え透いた回答があり、八方塞がりの状態に陥って、やむなく交渉にあたるということのよう。それでも猪瀬知事は「今後も説明は求めていく」と言っているが、そもそも、ふざけるな東電。値上げの前に補償だろ。保身に走る前に我が身を削れ、だろ。
 結局、力のある者が既得権を守り抜く、という構図はこの国では少しも揺るがない。情けない。
しるこ.JPG
「しるこ」だけで3種類も。「モッフル」って何?
posted by 老い日記 at 00:00 | Comment(1) | 日記

2012年03月08日

通し稽古、2本。――[721]生誕19,290日

 本番中だというのに朝から新宿御苑に向かい、T高校での授業。今日は一緒に授業を受け持つNさん(流山児★事務所)もやって来て、二人であれやこれやとダメ出し。

 せっかくの揃い踏みであったが、2回通したら、それだけで時間はいっぱいいっぱい。やはり実際にシーンスタディをやるとなると、2時間の授業ではいかんともしがたい。もったいない。

 授業を12時30分ぴったりに終えてNさんと別れ、今度は浜松町に向かい、『二十四の瞳』の通し稽古へ。
 『ジレンマジレンマ』にかかりっきりで全然顔を出せなかったので、本日初めて通しを拝見。おお、そうか、こうなったか。あれ、ここはあっさりなんだ。いろんなことが頭をよぎるも、余計なことは言わず、脚本家としてセリフの流れだけは確認しておく。

 稽古場では何年ぶりになるのだろう、音楽監督のSさん、照明プランナーのSさん、俳優のSさん(みんなS!)、懐かしい方々に会う。皆さん、変わらず元気。いいことだ。

 5時過ぎに浜松町を出て中野へ。結局、スタンバイ直前の日課になっているムーブメントの稽古にも間に合わず、ただの通りすがりの客のように芝居を観る。

 トチリはあったが、観客にも救われて今までで最も芝居にのめり込んでいく一体感がある。よしよし。
二十四の瞳ポスター.JPG

『二十四の瞳』のポスター。子どもたちがひたすら可愛い。
posted by 老い日記 at 00:00 | Comment(0) | 日記

2012年03月07日

四の五の言わず。――[720]生誕19,289日

 『ジレンマジレンマ』はあっという間に折り返を通過。
 本日、2時と7時、1日2ステージ。本番やってダメ出し。これを2回繰り返す。明日以降、稽古する時間がほとんど取れないので、できることはできるうちにやっておかなきゃね。
 「今日できることを明日に延ばすな」(Never Put Off Till Tomorrow What You Can  Do Today. これは政治家トーマス・ジェファーソンの言葉だが、ひねくれ者の我が身は物心ついた頃から、「明日できることを今日やることはない」、そう言い換えてオノレに言い聞かせてきた節があるが、どうも芝居の稽古に関してはそうはいかない。「鉄は熱いうちに打て」。まあ、こっちですね、芝居は。

 そうだよオッサン、四の五の言わずにやれってことだ、ほかの仕事もな。はいはい。

 初日前の地獄の日々の疲れが今なお溜まっているのか、終演後居酒屋に流れても、ほとんどアルコールを口にしない日々が続く。健康ライフではあるが、何というか、甲斐がない。
停めてある?捨ててある?.JPG

停めてある? 捨ててある?
posted by 老い日記 at 00:00 | Comment(0) | 日記

2012年03月06日

原発問題。――[719]生誕19,288日

 今日も会議で初台へ。新国立劇場サポート会議。会議メンバーの編集者Sさんに「今、本番やってますから見に来てください」というと、「今日、行くよ」と嬉しい返事。
 しかも夕刻、劇場に約束通り現れたSさん、スコッチの差し入れまで持ってきてくれる。ありがたや、ありがたや。

 会議のあとは今日も早めに劇場入りして、部分稽古。どうも流れのつたない個所をいくつか返す。
 終演後はアフタートーク。東京新聞の社会部記者、片山夏子さんを迎えて片山さんが現在担当している「福島原発」についてあれこれと話を聞く。作業員の実態など驚くような話も随所に混じり、ついつい話にのめり込んだ演出家は仕切るのも忘れて30分の予定をはるかにオーバー。トークを終えて袖に引っ込み、「ごめん、長かったよね?」と舞台監督に声をかけると「52分」と冷たくひと言返される。

 その後、そのまま片山さんも交えて飲みに出て、居酒屋で原発問題の話をさらに聞く。結論はハッキリしている。
 「まだ何も収束していない」
 むしろ、これから先、地域コミュニティの崩壊が目に見える形になってきて、さらに切実な問題を生むのではないかと懸念ばかりを噛みしめて帰途につく。
原発事故の展示.JPG
原発問題は今なお現在進行形。
posted by 老い日記 at 00:00 | Comment(0) | 日記

2012年03月05日

安定水準?――[718]生誕19,287日

 初日が開くのを待ち構えていたかのように、今週は会議やほかの仕事が目白押し。芝居モードの頭がなかなか切り替わらないまま午前中は会議で西新宿へ。
 劇団協議会理事会。劇団外の演劇人と一堂に会すると、芝居なんて大変なことを皆さんよくやってるなあ、と思ったりする。そう思いながらも黙ってはいられないオッサンは、あれやこれやと芝居に関する議事に口を挟む。

 今日も昨日の居残り稽古に引き続き、2時に劇場入りし、部分稽古に精を出す。芝居は安定水準に入りつつあるとはいえ、気を抜いたら最後。できることにちまちまと精を出す。

 初日が開いても頭の中は芝居のことだけで一日が過ぎてゆく。今回、さほど飲みにも出ず、出てもタクシーで帰るようなこともなく、健康なんだか不健全なんだか、よくわからないまま『ジレンマジレンマ』と向き合っている。
『ジレンマジレンマ』パンフレット.JPG
『ジレンマジレンマ』パンフレット。役者の写真がグッドです。

posted by 老い日記 at 00:00 | Comment(0) | 日記

2012年03月04日

居残り稽古。――[717]生誕19,286日

 昨年の10月終わりに脳梗塞で倒れたHが、「杖1本での歩行訓練に入ったよ」と奥さんからメールが届く。よかった。順調に快復している模様。
 それにしても、と思う。ついこのあいだ、あっけなく逝ってしまったK先輩。恐らく死の間際まで引きずり込まれながら、生還して日常を取り戻しつつあるH。
 何が、二人を分けたのか。それは誰にもわからない。どちらにしても、やるせなさは変わらないが。

 芝居は魔の2日目。なんとか乗り切った2ステージ目の昼公演のあと、なんと居残り稽古を決行。特に流れの怪しい「Cチーム」(泥棒の話)に関わる俳優3人のみに居残ってもらい、劇場の舞台で細かくダメを出しつつ、ひたすら小返し稽古。
 8時半頃まで延々やっていて、さてそろそろ先行して飲みに出かけたメンバーに合流するかと思ったら、「散会しました」とメールが入る。哀れ、すごすごと帰途につく。
取調官のお勉強.JPG
泥棒を取り調べる刑事役の使う小道具一式。
パソコンはかつて我が身が愛用していてもののなれの果て。
posted by 老い日記 at 00:00 | Comment(0) | 日記

2012年03月03日

『ジレンマジレンマ』開幕。――[716]生誕19,285日

 初日、開く。
 まぁ、なんとか開きました、今回の新作もまた。
 俳優の皆さん、スタッフの皆さん、ご苦労様です。ご迷惑をお掛けしました。初日に来てくださった観客の皆さん、まだまだ稽古不足は百も承知ですが、観てくれてありがとう。残る10ステージでさらに精進します。

 今日は11時に劇場入り。午後1時半から2度目のゲネプロ。会話バトル劇、およそ100分。ダメ出し、小返しをすると、もうスタンバイの時間。あとはなるようにしかならない。そして開演と相なった。ふう。

 初日が開いても達成感は微塵もナシ。芝居にゴールはない。ここから完成度をぐいぐいぐいーっと上げますぞ。
お待ちしてます。.JPG
お待ちしております。
posted by 老い日記 at 00:00 | Comment(0) | 日記

2012年03月02日

危ない綱渡り。――[715]生誕19,284日

 夜、どうにかゲネプロに漕ぎつける。
 なんとか形にはなっているが、危ない綱渡りの連続で、観ているほうの心臓によくない。
 10時に退出して家に帰ると、頭も体もくたびれ果てて何もする気が起こらない。それでも今、この土壇場の踏ん張りこそが豊かな実を結ぶと我が身に言い聞かせ、今から台本を広げることにする。
舞台美術2.JPG
今日は昨日とは違う照明でお届け。いよいよ明日から。

posted by 老い日記 at 00:00 | Comment(0) | 日記

2012年03月01日

イヤな芝居だのう。――[714]生誕19,283日

 朝2時間延長して劇場には9時入り。
 この2日間が最後の勝負と、勇んで10時から早々に昨日の続き。動線の確認をしつつ、テクニカルも合わせつつ、わっしわっしと場当たりを進めていく。
 昨日、疲れ果てて書き忘れていたが、昨夜は劇場を出てから若手は事務所で深夜まで追い込み稽古を敢行。その甲斐あって少しは流れがマシになってきたが、それでもまだまだ。
 今回の『ジレンマジレンマ』は会話バトル劇。ほとんど「1対1」のぶつかり合いが延々続く。どちらかがミスろうものなら、助けてくれる人もいない。いやでも緊張感アップ。
 つくづくイヤな(大変な)芝居だのう、とこんな本を書いた劇作家を恨めしく思う。
舞台美術.JPG
『ジレンマジレンマ』はこのモダンアートな世界で繰り広げられる。

posted by 老い日記 at 00:00 | Comment(0) | 日記