2011年12月13日

目を見開かされる。――[635]生誕19,204日

 高橋源一郎の『恋する原発』、読み出したら止まらなくなって、するすると読破。いやぁ、凄い。凄すぎるほどの暴走。呆れながらも爽快感に包まれる。寡作ではあるが、この人の小説は読むたびに、「表現はこんなにも自由だ!」と嬉しくなる。
 それにしてもデビュー作『さようなら、ギャングたち』を読んだときもかなりの衝撃だったが、新作の『恋する原発』は遙かにそれを凌ぐ。作者はたぶん今年60歳だと思うが、その年齢を考えると底知れぬエネルギーにますます驚く。間違いなくこれは、今年の大きな収穫となる一冊。
 
 日中はひたすら駄文書きに追われ、夕方になってこれ幸いとばかりに新宿へ。演出家Nさんと来月からのT高校の授業内容の打ち合わせ。Nさんは韓国で上演する長期の仕事が入っていたのに、直前になってキャンセルされたと相当怒っていた。そりゃ怒るだろう。予算縮小になって上演先が韓国から中国に変更になったという。人件費も中国のほうが安いからね。ここでも節操なく貪欲極まりない中国が立ちはだかる。
 
 その後、数年ぶりでCさんと飲む。以前、広告マーケティングの会社を切り盛りしていたCさんとは広告の仕事で何度か一緒したのだが、今は会社を離れて2年前からラオス、カンボジア、タイの子どもたちを支援する財団法人で働いているという。あまりの転身ぶりにぶったまげるが、それが人生というものかもしれぬと、何ら変わり映えしない人生を送っている演出家は半分羨ましく思う。
 後から編集・出版の仕事をしているHさんも加わって、3人でおでんをつつきながら四方山話で盛り上がる。芝居以外の世界の人と飲むのは楽しい。目を見開かされる思いがする。思いがするだけでこの男、何も身にはなりはしないのだが。
恋する原発.JPG
吹っ切れ感が圧倒的な、『恋する原発』。オススメ。
posted by 老い日記 at 00:00 | Comment(0) | 日記
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: