2011年10月27日

トリプルスコア。――[588]生誕19,157

 朝から神楽坂へ。T高校での2週間ぶりの授業。17歳の若人たちはお互いにアイデアを出し合い、各チーム、前回よりも洗練された『三びきのやぎのがらがらどん』を披露。それでも何か文句をつけねば気が済まない毒舌演出家はあーだこーだとダメを出す。
 それにつけても最も重要なのはコンセプトだと再確認。どう読み解いているのか。これがしっかりしていないと、細部にきらめくアイデアもたちまちかすむ。
 物事を見極める目、世界を批評する視線。老いた我が身にも、この眼差しはまだ残されているのだろうかといささか不安になりながら、きっと明日しか見えていない17歳のきらめきに目を細め、毒舌演出家はいつしか、すっかり好々爺。ああ、そういえば彼らとの年齢差はダブルスコアどころかトリプルスコアなのだと気づいてやや愕然とする。
 ああ、できることなら、何をするにも楽しかった高校時代に戻りたい。戻って17歳のオノレに、「悪いこと言わないから、芝居の道にだけは進むんじゃないぞ」と忠告したい。
 
 授業から自宅に戻ると、一目散にパソコンに向かい、自己の貧弱な後ろ姿を正視するという苦悶の時を過ごす。稽古は一進一退どころか、同じところから少しも動かない停滞の毎日。ホントに何が嬉しくて、こんなストレス満載の日々を過ごしているのか。芝居の道に進んでしまった我が身を激しく呪う。
 
 一跡二跳創立メンバーのH、CTの結果は血管れん縮も見られず、今のところ問題なし。よかった。ホントによかった。
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ああ、高校生活。あの日に帰りたい。
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2011年10月26日

重い頭と首に耐える。――[587]生誕19,156

 いよいよ芝居が追い込み時期に突入し、それに合わせるように、肩や首筋の凝りも重度の症状を示し始める。ああ、マッサージに行って全身ほぐされたいと思うが、もちろんそんな時間は取れず。ひたすら重い頭と首に耐えつつ、書き物仕事と稽古に明け暮れる。
 
 それにしても時間経過の速さが凄まじい。びゅんびゅんといろんなことに置いていかれて、気ばかりが焦る。そのうえ稽古を終えて帰宅した後の疲労感が半端ではない。これも追い込まれていることによる精神的なものか?とも思うが、家に戻っていったんソファに体を預けると、泥沼にずぶずぶと沈み込んでいくかのように体じゅうがは重い。芝居は体力、としょっちゅう我が身に言い聞かせているものの、やはりそれを上回る気力がないことには話にならんと思い知る。当たり前か。
 さあて、お仕事お仕事。()
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ハロウィンなんだか、ミッキーマウスなんだか、正体不明のキャラクターが近くの商店街に登場。何にせよ欲張りすぎは裏目に出るってことですね。
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2011年10月25日

あとは良くなるだけ。――[586]生誕19,155

 朝から会議で初台へ。企画サポート会議。再来年の企画がどーのこーのと話し合いながら、我が身を振り返れば今日のことも先の予定が見えない悲惨な状況。果たして『死に顔ピース』の全貌はいつになったら見えるのやら。あはははははは。取りあえず笑っておく。
 
 金曜日に倒れたHは日曜日に脳梗塞を起こし、開頭手術をしたとのこと。脳の腫れはひいてきたそうだが、今後は血管れん縮がないか明後日、CTを撮るとのこと。まだまだ大変な状態ではあるが、少しずつながら回復の兆しが見えてきた。
 奥さんからは「あとは良くなるだけなんだよね。良くなるって気を送ってね」とメールが届く。
 送りますとも。あとは良くなるだけ。Hはもちろん、我が身も、我が芝居も、そうなることを信じてじっとパソコンにかじりつく。
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「ボク、独りでも頑張るよ。」
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2011年10月24日

時間の使い方。――[585]生誕19,154

 年を取るにつれ、時間の使い方が下手になっている気がする。一つの仕事がきっちり終わらないと次に進めない。二つのことが同時にできない。いやいや、そんなことはない、とオノレを過小評価するのをやめて、これはいったんこっちに置いといて、と別のことを始めても、結局どれもこれも中途半端に散らかしただけという状況に陥ってしまう。集中力の問題なのか。それとも以前より脳の容量が少なくなっているのか。
 
 あれほど時間に追われ、苦悶した『幽霊人命救助隊』が終わって、はや3週間が経過。再び苦悶の日々の真っただ中。もはやこれは宿命なのか。それとも我が能力が老いとともに低下しているのか。
 『死に顔ピース』の稽古も同じところを行ったり来たり。なかなか先へ進めない。焦りだけが蓄積していく。
 とはいえ、なるようにしかならん。と、腹だけはくくる。(泣)
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王者の広告、コカ・コーラ。その看板には一文字もなし。
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2011年10月23日

白いままの画面。――[584]生誕19,153

 稽古はOFFながら、一日中、書き物仕事に追われる。ひたすらパソコンの前に陣取っていても、もちろん仕事が進むとは限らない。それでも我慢我慢と我が身に言い聞かせるが、夕方近くになって、ああ、このままだと気が狂うと思い、何かに取り憑かれたように走りに出る。
 しかし、心ここにあらずで走っていると、楽しくないね。あれやこれやと気にかかることが浮かんでは消え、少しも無心になれず、ピッチも乱れ、息だけがあがる。
 
 ランニングから帰り、体は少しすっきりしたものの、頭はいっこうに冴えてくれない。ただ、過ぎゆく時間と、白いままのパソコン画面をじっと見つめるのみ。
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更地。頭の中もまだまだ更地。早く何かを建てなければ。
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2011年10月22日

杞憂に終われるか?――[583]生誕19,152

 昨日、Hが倒れたことで気持ちが右往左往していたが、前立腺炎でどうなる?と心配していた俳優Oのほうは熱が下がり、なんとか大事に至らずにすみそうな気配。かなりやつれた顔になっていたが、稽古にも顔を出したので、ひと安心。何より脳天気な本人が「大丈夫だろ」と他人事のように言うので、主役交代劇も杞憂に終わりそう。(まだ100%ではないが)
 
 それにしても、すっかり病人劇団のような状況。昨年、癌になった我が身も今また過酷な状況に追いやられており、睡眠不足、ストレス満載の日々。今度は肺癌か?
 
 稽古後、今回のメンバーと初めて飲みに出る。ビールを1杯だけ飲み、あとはウーロン茶で過ごして12時前には店を出る。大人な飲み会ではあるが、昔より酒を飲みたいと思わなくなったことはいいことなのか、老いの証なのか、気持ちは微妙。未だ麻酔から覚めないHのことを思えば、ビールだろうがウーロン茶だろうが、自力で飲めるだけで幸せなのだが。
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ビールと焼き魚。健康だからこその楽しみなんだと噛みしめる。
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2011年10月21日

クモ膜下出血。――[582]生誕19,151

 朝、もそもそと起き出し、ケータイに届いていたメールを読んで一瞬にして血の気がひく。「今朝、Hがクモ膜下出血で倒れました。今から検査で手術をします」
 
 Hは一跡二跳の創立メンバー。差出人はHの奥さん。病院から知らせてくれた模様。Hはまだ50歳にもなっていない。クモ膜下出血? これはヤバいかもしれぬ。たちまち心が黒く塗りつぶされていくような心境になって、ざわつく。
 それからは一日中、メールのやりとりに明け暮れる。奥さんからは状況を知らせてもらうが、こちらは「大丈夫!大丈夫!Hは必ず戻ってくる!!」とエールを送るのみで、なんとももどかしい。
 Hと長年付き合いのあるスタッフさんや俳優仲間にもメールで知らせる。皆、一様に驚きの返信あるのみ。こういうときってホント、周りは何にもできない。そのやるせなさばかりを噛みしめながら、ざわつく心でひたすら無事を祈る。
 
 昼過ぎに、「診断は推骨動脈解離による解離性動脈瘤のステージ1。午後2時から回復手術です」とのメールが届き、再びもどかしい心に拍車をかけて無事を祈るのみ。夕方、「とりあえず成功」とのメールをもらい、ようやく少しだけ安堵するが、脳血管れん縮や水頭症のリスクもあり、まだまだ予断は許さない状況らしい。
 
 昨夜、速報で流れた、「リビアのカダフィ大佐が死亡」というニュースはどうやら本当だったようだが、神様、頼む。Hの命は奪わないでくれ。
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抜けないトンネルはない。
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2011年10月20日

ここに来て、主役降板?――[581]生誕19,150

 寝たのが4時過ぎだというのに7時には目が覚め、また一段と老人の領域に足を踏み入れる。早起きは三文の得。――などと少しも思わない。惰眠をむさぼる若さが欲しい。
 10時前には会議のために西新宿へ。人材育成委員会。議題はさほどないと思っていたが、育成事業の在り方、ひいては劇団協議会の組織の意義にまで話題が広がる。劇作家・演出家のYさん(扉座)が「うちなんて俺がいなくなったら劇団もなくなるわけで、そういう意味じゃ劇団じゃないよね」と言った言葉が妙に印象に残る。
 
 我が劇団の主役Oは「どうも細菌に感染しているようです」と医者に言われたらしい。腎盂炎、もしくは前立腺炎になっているかもしれないとのこと。もしそうなら、治るのにほぼひと月はかかるとのこと。えー、うそー、ここに来て主役降板?今日はなんとか稽古に顔を出したものの、見るからにやつれている。これは本気で主役交代を考えなければならないかも。
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我が原料作戦で活躍する豆腐。ついにマニアックに走り始めております。
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2011年10月19日

ヨボヨボ劇団。――[580]生誕19,149

 稽古がなかなか進まない。夏から続く怒濤のような多忙さがトラウマとなって、もうあの日々には戻りたくないと頭と体が拒否反応を示しているのか?
 主役を演じる我が劇団のベテラン俳優Oも疲れのせいなのか、体調が悪く熱も39度近くあるということで昨日から稽古を休んでいる。すっかりヨボヨボ劇団と化しているぞ、笑い事ではないが。
 
 今回の新作『死に顔ピース』は終末医療の話で、しかも扱っている病気は癌。去年、胃癌になった我が身としては存分に体験を生かせるはずなのに、いざ具体的に突き詰めて稽古し始めると、「すみません、俺、癌のことよく知らないっす」と、少しも体験が身になってないことを思い知るばかり。
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終末医療の芝居なれど、こんな「かぶり物」がいっぱい出てくる芝居なのさ。
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2011年10月18日

痰に赤く細い繊維。――[579]生誕19,148

 煙草をやめて1年半が経過。とはいえネオシーダーは相変わらずぷかぷかやっている、まるで潔さのない我が身。
 汚い話で申し訳ないが、今日歯磨き前に、かーっ、ぺっ、と吐いた痰に「赤く細い繊維状のもの」が何本もかなり混じっている。すわ、吐血か?と恐れおののくが、正体がわからない。じっと顔を近づけて凝視しても、1本長さ1センチの細い糸のようなその正体はやっぱりわからない。「それは血です」と断言されたら、それはそれで仰天するが確かめようがないので、結局見なかったことにする。
 
 夕方から西新宿で稽古。冒頭の場面を何度も何度もつくり直す。セリフを書いて、やってみては書き直しの繰り返し。つかみが肝心と思いながら、なかなかつかめない。悪あがきが続く。というか、悪あがきするしかない。とほほ。
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不況の波はまだまだ続きそう。看板も主を求めて悪あがき。 
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2011年10月17日

よりによって金縛り。――[578]生誕19,147

 昨夜の深夜3時半過ぎ。どうにも頭がまわらなくなり、「何はともあれ今夜は休んで疲労回復すべし」と久しぶりにベッドでちゃんと寝ようと思って潜り込んだら、金縛りに遭う。
 思い返せばベッドで横になったときから様子がおかしかった。まぶたの裏に「パステルカラーのタイル模様の街並み」のようなものが妙にくっきり浮かんで見えて、なんだ?なんだ?なんでこんなものが見えるんだ?と思いつつ、その妙ちくりんな絵から逃れるために目をいったんうっすら開けてつぶり直したら、体が動かなくなった。ああ、金縛りだ、久々にきたなーと思いながら力まかせに起きてやろうとするが、体はまったく動かない。
 
 おいおい、俺は疲れを取りたいんだよ、なんでよりによって金縛りに遭うんだよ、とムカムカと苛立ちがこみ上げるまま、「ああーっ!」と絶叫して体を起こそうとするが、声は「あぁぁ…」という呻きのようにしかならず、もちろん体も微動だにしない。くそぉ、なんなんだ、久々にベッドで寝てやろうと思ったのに。
 再度、「えええええい!」と大声を出して起き上がろうとするも、「うぅぅぅ……」と、やっぱり声は情けない。
 
 ダメだ、これは長い闘いになるやもしれぬ。それにしてもこの体全体に強くのしかかる圧迫感。ああ、くそぉ、くそぉ。ああ、しんどい、しんどいよぉ〜。 と、状況に耐えていたら、あ、抜けられそう、という予感がしてきて、あ、抜ける、抜けられるぞ、あ、もうたぶん大丈夫、右手でゆっくり掛け布団を押しのけようとすれば、たぶん押しのけられる。そう確信し、ゆっくり行くぞ、ゆっくりな。せーの。
 ――と、重い右手をそろそろと動かしてみると、はぁー(ため息)、やったー、動くよ。動いたよ。で、ゆっくりと布団を押し上げ、ようやく全身から「縛り」が抜けた。

  ……やれやれ。疲れ果てて上半身を起こし、時計を見ると午前4時。ああ、30分近くの格闘だったわけね。
 ベッドを抜け出し、水を飲む。再びすぐさまベッドで眠る気には到底なれず、そのまま机に向かってこれを書いている。
 それにしても我が人生、2回目の金縛り。やっぱり相当に体は参っているんだなぁと痛感する。
 
 今日は久々にS高校での演技の授業。久々だったので何を勘違いしたか、乗換駅で降りたホームでそのまま反対側の電車に乗ればよかったところを、人波につられてホーム階段を上がってしまい、上がりきって、「あれ?俺、どこに行くんだ?」と我に返る。「そうだそうだ、今のホームでいいんだよ」とUターンした途端、乗るべき電車が発車してしまう……。
 ああ、なんてこったと次の電車の時間を見ると、待ち時間10分。ああ、これではバスへの接続もうまくいかず、きっと遅刻だと危惧していたら、ホントに間に合わなかった。いやはや……。
 
 おまけに10分遅れで学校に着いてみると、玄関のわが靴箱にメモが貼ってある。なんだ?なんだ?とメモを見ると、「卒業アルバムの写真撮影がお済みでない方は、写真を撮ってください」という内容。
 すると玄関にいた見慣れない男が「あの、お済みでなければ今からお撮りします」と言ってくる。「ああ、すみません、もう授業始まってるんで。遅刻してるんですよ」と逃げだそうとするが、「何時に終わりますか?」と男は食い下がる。「5時くらいになりますよ」「いいです、5時半くらいまで待ってますので」「あの、絶対獲らないとダメですか?写真ナシってわけにはいきませんか」と、ただの面倒くさがり男は意地悪を言うが、「講師の皆さん、お願いしていますので」。……はいはい、わかりました。
 
 老体にむち打ち、女子高生軍団との4時間にも及ぶ授業をへろへろになって終えて玄関に戻ると、男は当たり前のように待っていて、その玄関先にしつらえた簡単な撮影セットの椅子に座らされる。「最初の1枚はコレ持ってください」と渡されたボードのようなものには「非勤39」と書かれていて、すっかり囚人になったような気分でカメラを睨むと、「笑顔でお願いします」と容赦のない声が飛んでくる。
 なんだよ、別に笑顔じゃなくてもいーじゃんか、と思いつつ笑うと、「もう少し笑って」。これが俺の笑顔なんだよとうるせーなと思いつつ、「ニニッ」と笑うと、カシャカシャカシャ。
 「じゃあ次、体をこっち向きでお願いします」。はいはい、わかりましたよと体を動かしカメラを見ると、「笑ってください」。
 これは何の拷問だと思いつつ、「ニンニン」と笑うと、カシャカシャカシャ。「はい、おしまいです」。……どっと疲れる。
 
 そこから急いで都心に引き返し、いったん我が家に戻って書き物仕事に精を出すが、意外と時間がかかってしまい、いかんいかん、もう稽古場に向かわなければと、慌てて西新宿に急ぐものの、着いてみれば既に午後9時を回っている。1時間足らずで、どうしても試したいシーンを俳優陣にやってもらい、午後10時には稽古場を出る。
 
 金縛りは、あのカメラマンの怨念かもしれぬ。いや、それとも稽古場に現れない演出家に対する俳優たちの怨念か。
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今なお放射線量の数字に翻弄される我がニッポン。東電、もっとしゃんとしてくれい。
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2011年10月16日

左がゆがんでいる。――[577]生誕19,146

 「基礎ワークショップ」2日目。今日も午後1時半から8時半まで、たっぷり「体と声のコントロール」「会話の技術の基礎メソッド」に明け暮れる。
 少し前から思っていたのだが、我が身は体の左半身がどうもゆがんでいるような気がする。いや、間違いなくゆがんでいる。前屈にしても開脚にしても肩の可動域にしても、左側がどうも固い。動かそうとすると、もう無理っす、という抵抗感が右に比べて甚だ強い。一度、整骨院にでも行って見てもらおうかと本気で思う。右と左がバランスよく同じように動けるようになれば、今までの世界が一変し、執筆仕事も目を見張るほどに変わるような気がするのは気のせいか?(気のせいです)
 
 終了後、参加者も含めて飲みに出る。みんなが美味しそうにビールでぷは、ぷは、やる中、演出家はノンアルコールビールでインチキぷはぷは。ま、インチキだろうが何だろうが、ぷはぷはやれる日常はいいもんだ。現状を直視すれば、ホントはそんな余裕、どこにもないのだが。
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我が体も右方向に向いているのか?
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2011年10月15日

基礎ワークショップ。――[576]生誕19,145

 7月に続いて、今年2回目となる我が劇団主催の「俳優のための基礎ワークショップ」。
 今回は宣伝がうまくいってなくて、参加者少なめ。そのぶんほとんどマンツーマンのように、エクササイズという名のもとに体をたっぷり絞りあげる。わかっているようでわかっていないオノレの体。これが「あ、わかる、わかる」という感覚に近づいてくると、体を動かすことは実に楽しい。体は正直。
 
 8時半頃に終わって、その後、稽古場の中野富士見町まで来てもらった舞台美術家Iさんの車に同乗し、梅里まで移動。2回目の美術打ち合わせ。「今日じゅうに決まるのはたぶん無理だろうなぁ」と半分諦めムードで臨んだのだが、話しているうちにあれよあれよとイメージが膨らんできて、見事、全体像がすんなり決まる。やっぱり、一人より二人。直接会って話してみるもんだなぁ、と少しホッとする。
 
 帰宅は11時過ぎ。ワークショップ参加者ほど我が身は動いてはいないとはいえ、全身がだるい。気持ち悪いほどにだるい。それでもオノレを駆り立ててパソコンに向かうが、もはやクリエイティブな発想は少しも浮かばない。美術打ち合わせでエネルギーを使い果たしてしまったのか?
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東京メトロ。横断する「つわもの」がいるのか?
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2011年10月14日

チョキン、パチン、ストン。――[575]生誕19,144

 世界体操男子個人総合。内村航平選手が史上初の3連覇を達成。ひねりの回転の驚くような速さ、軸がまっすぐで微動だにしない静止姿勢、狙いすましたようにぴたりと止まる着地。どれもこれも、あまりの美しくさに息をのむ。感動屋のおじいちゃんは涙さえ出そうになる。特に、床と鉄棒の演技は圧巻。もはや神業の領域。団体優勝ならず、のショックから中一日で気持ちを立て直せる精神力にも驚愕。おめでとう、3連覇!!
 
 10月6日の日記に終わり方が意味不明と書いた『三びきのやぎのがらがらどん』。終わりはこうなっている。
 「そこで――チョキン、パチン、ストン。はなしはおしまい。」
 この唐突に出てくる「チョキン、パチン、ストン」が何のことだかさっぱりわからなかったのだが、広島の劇作家の卵Uが調べてくれたようでメールが届く。
 「深い意味はないらしく、子どもたちをお話の世界から現実の世界に引き戻すおまじないのようようです。民話によく見られる終わり方みたいですよ。」
 なるほど。いつまでも現実逃避をしてるんじゃねーよっていう忠告ですね。(そうではない)
 
 今日は朝から会議で西新宿。常務理事会。このところ、ついつい口が軽くなっている我が身に、「おいおい余計なこと言わなくていーよ」と思いつつ、今日もあれこれと口を出し、単にしゃべりたがりのオバチャンと化す。いただけません。次回からは貝のようになって自重しましょう。
 会議の後は書き物仕事。ずいぶん前から続く執筆地獄はいつになったら終わるのやら。チョキン、パチン、ストン。話はおしまい。そうなってくれるなら、何回でも叫ぶのだが。
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『三びきのやぎのがらがらどん』。やぎの名前が「がらがらどん」。我が身には絶対にない発想力。
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2011年10月13日

何よりもコンセプト。――[574]生誕19,143

 朝からT高校で授業のため神楽坂。担当のY先生にニヤニヤ顔で、「ブログを拝見したら、ガイコツが出てましたね」と言われる。まさか、この日記をチェックされていたとは。Y先生とは先週、初めて会ったばかりなのに。
 授業は約2時間。基礎トレーニングをせっせと1時間やって、残り1時間で各チームが芝居仕立てでつくってきた『三びきのやぎのがらがらどん』を見てのダメ出し。いったんダメを出し始めるとあっという間に時間が過ぎていくので、「短く短く」と我が身に言い聞かせ、なんとか5チームをひと通りやって時間内に終わらせる。
 高校2年生、16・17歳の若人たちがつくりだす芝居は細部に「ほお」と思うようなアイディアがたくさんあるものの、まだまだ全体像は捉え切れてはいない。
 「君らは一つ一つのセリフから細かいアイディアを発想してるけど、逆だよ。全体はどういうふうに解釈できるか。また、どのような世界を創り出したいのか。それをまず考えなきゃ。それがあれば、セリフ一つ一つ、動きの一つ一つに対するアイディアも、コレはアリ、コレはナシとジャッジできるから。大事なのは何よりもコンセプトだからね」
 約1カ月後に我がワンツーワークスの公演を控えながら、少しも進んでいない演出家は我が身に言い聞かせるように女子高生諸君にしたり顔で述べたてる。ああ、みっともない。
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その骸骨くん。今週はなぜか仮面を装着。シャイ?
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2011年10月12日

落下、落下。――[573]生誕19,142

 世界体操男子団体。悲願の金メダルは取れず。最終種目の鉄棒で中国に逆転優勝は堅いと思っていたのに、2番手・最年少の田中佑典選手がまさかの落下。
 ……この時点で終わった。最後に登場したエース・内村航平選手も「あ、切れちゃった」と気持ちが萎えたのが手に取るようにわかり、こちらも落下。見ていて全身から力が抜けた。
 
 それにしても国民性の違いなのか、オノレを鼓舞しまくり、モチベーションの高さを全身にみなぎらせて隠そうともしない中国人選手に比べて、日本人選手は「内に秘めてこそ美徳」と言わんばかりに淡々と演技する。確かにそれが日本人気質とは思うが、それゆえに本番のプレッシャーに弱いのではないかとも思う。最終得点差を見ると、落下がなければ逆転優勝できていただけに我がことのように無念。
 
 しかし考えてみれば、体操競技の演技時間なんてほんの2、3分。跳馬にいたっては一瞬と言ってもいい。その短い時間ためだけに来る日も来る日も肉体を調整し、技を磨き続ける。つくづくアスリートとは大変な職業だと思う。
 それに比べて、キャリアは既に30年近くもあるのに、とある劇作家は本日提出の『二十四の瞳』の台本第2稿が未だ終わらず。……な、情けない。ハイもう、君も落下落下。
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昨日、命がまた一つ、消えた。
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2011年10月11日

ストレス増加。――[572]生誕19,141

 一日じゅう、書き物仕事に追われる。しかし、どうにも集中力不足、能力不足で、進みはのろい。
 頭がんがんからの風邪はどうやら回避できそうだが、際どい闘いはまだ続いていて予断は許さず、まさにヒーハー言いながら机にへばりついていみるが、やはり人(登場人物)の心に深く下りて行くには健全な体でないと、なかなかしんどいものがある。ま、言い訳ですが。
 
 相当な長時間、椅子に座り続けているので、致し方なしとはいえ、肩と首筋がバキバキ。常に首筋に砲丸投げの鉄の玉をぶら下げているかのよう。よし、ここは気分転換も兼ねてマッサージだ。と思ってみても、「いいのか?いいのか?行ったら行ったで後悔するんじゃないのか?」と、もう一人の自分が冷たく水を差す。この身動きとれない、がんじがらめの心理状態がストレス増加にさらに拍車を掛ける。
 
 でもって、精神的にも肉体的にもかなり追い込まれているのに、一日が終わってみれば、さしたる成果ナシ。
 ああ、人生無常。されど、ガンバリマショー。
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ボンボンが2個、てっぺんに黄色のアクセント。この観葉植物を買うべきか見送るべきか、目下、思案中。
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2011年10月10日

火災報知器、鳴り響く。――[571]生誕19,140

 体調がおかしい。頭を少し振っただけでズキズキ。がんがん響く。もしや風邪をひいたのか。11時にホテルをチェックアウトし、リムジンバスで広島空港へ。機内では意地になって眠り続け、羽田に着いてみると、あーら不思議、頭ががんがん。
 そういえば昨夜の午前3時頃、ベッドに潜り込んでの寝入りばな、遠くでうるさい音がする。半分夢心地ながら、これは何か確かに音がしてる、しかもうるさい音だぞ、どこだどこだ?と夢遊病者のように起き上がり、寝ぼけ眼でバスルームのドアを開けたところで、「火災報知器が鳴ってんじゃん!!」と我に返る。
 我に返ってみると、音は相当けたたましい。ヤバいヤバい、ホテルで火事かよ。ここは何階だ?そうだ10階だ。10階より下が火事なら、マジでヤバいヤバいと思いながらも、ま、慌てたってしょうがねーし、と思ってベッドに潜り込んだところでようやく音が切れ、館内放送が流れる。
 「ただいま火災報知器が鳴りましたが、現在調査中です。お客様はそのまま室内にてお待ちください」
 この館内放送がまた凄まじくデカい。真夜中3時だぜ。恐らく宿泊者、全員おめめ全開。もう寝るなってことなのか?
 しかし待てども待てども次の放送はなし。おいおい、ほったらかしかよ?と一人毒づいていたら、ようやく15分ほど経って。再び放送が流れる。
 「先ほど火災報知器が鳴ったのは誤報だと確認がとれました。大変お騒がせしました。ごゆっくりお休みください」
 寝れるかよ!
 
 あの寝入りばなに起こされたことが頭がんがんの原因なのかもしれない。(たぶん違います)
 しかし頭のふらつきは少しもとれず、そのまま夕方には稽古のため西新宿へ。ええい、荒療治とウォーミングアップに張り切ろうとするが、上半身前屈で頭を下げただけでよろめく。……ありゃりゃ。すっかり体力のなくなったオジサンは、すっかり自信も喪失し、よぼよぼになってムーブメントの稽古に励む。
 
 帰宅して今なお、頭ががんがん。明日締め切りの仕事があるのに、がんがん頭では何も浮かばない。
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水素水。まだ飲んでませんけど、それが何か?
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2011年10月09日

リーディングに戻す?――[570]生誕19,139

 今日も一日、朝から晩まで「DOCS」。戯曲講座は3時間、ほとんど独りで喋りっぱなし。若き劇作家の卵たちは「何を書けばいいのか」というより、「何を書きたいのか」を見失い始めている。うん、確かにそれが一番難しい。問題意識のない人に台本なんて書けるわけがないからね。……と、したり顔で語るそこのオッサン、あんたもだよ。問題意識、持ちなさい。
 
 演技講座の『修学旅行』は12月にリーディング公演として上演する予定だったのだが、いわゆる普通のストレート・プレイになりそうな気配。それほどセリフは入ってはいるのだが、いざ、ちゃんとした芝居を目指すとなると、体や動きに恐ろしいほどの時間を取られそうな気がして、演出家はまだまだ躊躇している。ここは稽古日数、残り4日間しかないのだから、セリフに重点を置いたリーディングにやはり戻すべきか?
 
 夜9時前に稽古を終えて、今日は地元トレーナーの面々と飲みに出る。と言ってもマジで酒がすすまなくなった演出家はノンアルコールビールなんぞに手を出す。今日は皆さん、お疲れなのか、まったりムードで話がひと段落してもなかなか重い腰が上がらず、結局午前様。
 いつもながら広島の一日はあっという間に終わるが、終わってみると疲労感も半端ではない。
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ちょいメタボ。
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2011年10月08日

肉を食らう。――[569]生誕19,138

 ほぼ1カ月の広島「DOCS」。10時から午後1時まで「戯曲」。劇作家の卵たちは皆、苦戦。誰もがこのひと月、ほとんど前進がない。停滞し続けたまま。「次にどう展開すればいいのか、すぐわからなくなるんです」「どうしても書けないときはどうすればいいんですか?」
 わかる、わかるよ、その苦痛。だから教えてあげるけど、誰も助けてくれないし、どうにもならない。いつかそのうち、なんてこともない。ただひたすら我慢に我慢を重ね、1行ずつ1行ずつ、自分でひねり出しながら道を切り開いていくしかない。ま、人のことならナンボでも偉そうに言えます。頑張ってくれたまえ。
 
 午後2時からは「演技」。こちらは12月に上演する『修学旅行』の稽古に突入。自主練を頑張ったのか、セリフは全員入っている。偉い。とはいえ、演出家と俳優がともに稽古できるのは僅かに6日間のみ。ホントにこれで芝居ができあがるのかと思うが、とにかく前を向いて進むしかない。
 
 稽古は夜8時半に終わって、その後みんなで焼き肉を食らいに行く。どれくらいぶりなんだろう、焼き肉。半年?1年?肉より魚派のオジサンはいつもよりは食べたと思うが、ほどほどのところでクッパやテールスープに切り替える。焼き肉と言えばビールだろうが、結局アルコールも飲まず。
 とはいえ、少し気を引き締め直さないと、食への自制心が薄れ始めている。無性に甘いものを食べたくなるのはストレスなのか。いかんいかん、まだまだ動ける演出家でいなくては。
青空に浮かぶ月.JPG
青空に浮かぶ月。肉眼だともっとくっきり細部まで見えた。人間の持つ機能って凄いと感嘆。
posted by 老い日記 at 00:00 | Comment(2) | 日記