2011年08月08日

風邪との攻防。――[508]生誕19,0684

 鼻水の正体はやはり風邪の初期症状。今日も一日、鼻水は垂れまくり、締め切りに追われながらせっせとパソコンに向かっていると、何度も何度もキーボードに鼻水が滝の白糸のように落ちてくる。夜の稽古場でも頻繁に鼻をかみ、ダメ出しをする声がみるみる鼻声になっていく。それでようやく、「やっぱり風邪かよ」と合点した次第。
 しかし、なんだね。老いていくにつれ風邪が治るのには、ずるずる時間がかかるようになるが、風邪をひくのもずるずるとなし崩し的にかかっていくんだね。それならいっそ同様に、死を迎えるときもずるずると、「あれあれ、俺いつのまにか死んでるよ」、そうなればいいのだが。
 
 『誰も見たことのない場所』は前半部分をダメだし、小返ししつつ稽古。それにしても毎回思うが、役者が一人チェンジしただけで、がらりと芝居は変わる。それが刺激剤となって今までの俳優陣も新発見をしてくれれば頼もしい限りなのだが、若手は相変わらず自分のことだけで精いっぱい。これじゃあ客演の奮闘も報われませぬ。
 いったいどこから声が出てるんだ?というような鼻声のまま帰宅すると、いよいよもって風邪の諸症状が現れ始め、事ここに至って慌てて風邪薬を飲む。今、寝込んだら幾つもの仕事がとんでもないことになる。老いた我が身よ、自然治癒力がとっくになくなっているのは知っている。ここはひとつ、薬の力を借りてなんとか回復してくれい。
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七夕祭りで七夕とは無関係の便乗コメントを発見。

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2011年08月07日

鼻水たらたら。――[507]生誕19,0683

 何の異変なのか、悪い予兆なのか。鼻水がたらたら出て止まらない。熱はない。風邪引き前にやってくる節々の痛みもない。とはいえ、肩も首も頭部全体も日常的に凝りが凄いので凝りと節々の痛みの区別がつかないのかもしれないが、ともかく「やばいやばい」という状況ではない。ただ、鼻水が締まりの悪い蛇口のように、つー、つつー、と垂れてくる。
 既に今日だけで何回鼻をかんだだろうか。パソコンの前に陣取り、キーを打つ、鼻をかむ、キーを打つ、鼻をかむ、キーを打って画面を確認しつつ鼻をかむ、思案しながら鼻をかむ。こんな調子じゃ鼻の穴の粘膜が摩擦でどうにかなってしまうのではないか、と思いつつ鼻をかむ。忙しい。
 
 稽古は久々に『誰も見たことのない場所』『幽霊人命救助隊』、どちらもOFFで、さぁ書き物仕事に頑張るぞと気合いを入れるが、鼻水との闘いで何度も何度も思考が中断。いっこうに仕事は捗らない。「だって、しょうがねーじゃん。鼻水が邪魔するんだもん」。子どもかよ?
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近くの商店街の七夕祭り。今年の金賞受賞「はりぼて」はコレ。アラジン?

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2011年08月06日

ヒップホップに酔う。――[506]生誕19,0682

 昼から横浜へ。初めて出かけた神奈川芸術劇場(KAAT)でダンス公演「HIP HOP GALA」を観る。お目当てはフランス・ブラジルのカンパニー「Kafig」の『AGWA』。
 舞台美術家Iさんが激賞するのではるばる観に出かけたのだが、その甲斐はあった。ヒップホップ・ダンスはストリート・パフォーマンスからダンスのジャンルの一つへと確実に変貌しようとしている。韓国のヒップホップ・チームのパフォーマンスもあったのだが、こちらの個人スキルは恐ろしく高くて驚く。もう、ほとんど体操の鞍馬と同じ。強靱な肉体、柔軟な関節、ぶれない中心軸。人間はここまで到達できるのだと感心しきり。
 ただ、どちらに感動するかと問われれば、韓国チームに比べると技術では見劣りするものの、迷うことなく『AGWA』に軍配を上げる。やはり、技術だけでは人の心は打たない。思想が人を感動に導くのだと改めて納得する。
 終演後、ロビーでポスターの写メを撮っていたら劇場支配人のKさんが近づいてきて、「あ、どうも」と久しぶりにひとしきり話す。ストリートで生まれ発展してきた文化を劇場に取り込む、その難しさをKさんは立て板に水の如く話を繰り出す。ほとんど聞き役に徹しながら、公共劇場の運営もなかなか難しいのだなとKさんの心情に勝手に同情する俺は何様?
 
 久しぶりの横浜でゆるりと酒でもあおりたい気分に襲われるが、とんでもなく仕事に追われている身にそんな贅沢が許されるはずもなく、劇場を出ると珈琲だけすすって夢遊病者のように帰途につく。稽古場またはパソコンの前。我が人生、ほぼこの2カ所で毎日が過ぎている。虚無。
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「HIPHOP GALA」のポスター。どこかの劇団の中年俳優が心霊写真のように映り込んでいる。(左のオッサン)
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2011年08月05日

そりゃないよ。――[505]生誕19,0682

 今日も『誰も見たことのない場所』は通し稽古。昨日、ほぼ難なく最後まで通れたことに俳優陣もあぐらをかいたのか、今日の通しはやたらと粗が目立つ。
 「おいおい、そりゃないよ、気を抜くなよ」と思いつつ、やはり高い集中力をキープするのは事ほど左様に難しいのだと痛感。そうなのだ、恐ろしく山積みになっていく書き物仕事も我が身の集中力のなさゆえなのだ、改めてそう思い至るが、もちろんこちらは見て見ぬ振りを貫き通す。
 
 朝から会議で西新宿。寝ぼけた頭に疲れた体を引きずっていき、ハイハイお仕事でっせ、と無理やり頭を働かせる。
 気のせいか、このところベッドで睡眠を取るほうが目覚めたときの疲れが激しい。休憩休憩とソファでいつのまにか眠りに落ちて目が覚めて、ああ、首が痛い、腰が痛いとボヤいてるときのほうがまだ疲労感が少ないように思う。なぜだ?よし、ちゃんと寝るぞと勇んで眠ったときのほうが疲れるなんて、おいおい、そりゃないよ。これは何かマズいのではないか。我が体、何かが大きく狂い始めているのではないか。不安に駆られるものの、たぶんこうしたグダグダ生活が我が身に合っているのだと、何の根拠もないのに自らを納得させる。ああ、目覚めてスッキリ爽やかという遠い昔に帰りたい。(帰れません)
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こういうファッションとはこれまで無縁の人生、たぶんこれからも。冒険、してみる?
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2011年08月04日

笑って心に蓋をする。――[504]生誕19,0682

 本日も老体には過酷なダブルヘッダー。幾つもの現場を日常的に掛け持ちしている同業のNさんやUさんやMさんなど、皆さん恐ろしくバイタリティがあるのだなあと今さらながら感心。つくづく芝居は、人並み以上に体力がないと続けられない仕事だと思い知る。
 日中は『幽霊人命救助隊』の稽古。とはいえ、こちらはまだまだ立ち稽古体制には入れず、読み合わせをした後はムーブメントの基礎稽古。出演俳優の年齢層が高いこともあるが(半数近くが年上)、こりゃあ先が思いやられるぞと頭を抱えつつ、楽観演出家はひたすら笑って我が心に蓋をする。
 夕方になって西荻窪から西新宿へ移動。夜は『誰も見たことのない場所』の通し稽古。キャストが3人入れ替わり、さほど稽古を積んでいない場面もあるので、途中で止まる可能性大だなと思いつつ臨んだが、意外にもすんなり最後まで突き進む。客演の皆さん、さすがはプロと感心しつつ、完璧主義の演出家は細かいミスも見逃さず、まるで宝探しでもするかのように、にやにや笑いつつダメを取る。
 
 急性心筋梗塞に襲われた松田選手、ついに逝く。運命という言葉で片づけるには、あまりに非情。突然、断ち切られてしまう命。こうした人生を突きつけられると、「いいのか、我が身はこんな人生で」と、途端に我が行く末を見つめ直したくなるが、見つめ直せばかえって虚無感に襲われそうな気がして、これまた笑って我が心に蓋をする。もちろん、ダメも取らない。
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いまわのきわ」の蝉に遭遇。最後に羽をぶるぶるっと振るわせて動かなくなった。合掌。
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2011年08月03日

いと哀れ、いとをかし。――[503]生誕19,0681

 仕事に追われ徹夜明けのまま早朝ランニングに出るが、体も頭も重く、30分を過ぎても調子は上がらず。ここで無理をしては体に障る。いやいや、きっちり予定の距離を走破しなければ。寄せては返す心の葛藤の果てに、無念、45分で切り上げる。……負けました、オノレに。やはり、これは徹夜のせいだ。決して体力の衰えであるはずがない。必死で自己弁護を繰り出すオッサンの姿は朝っぱらから、いと哀れ。
 
 このところの減量作戦停滞は、不規則な生活が原因だと、はたと気づく。そうだ、「睡眠不足は太る」と言うではないか。誘惑に負け食欲を存分に満たしてリバウンドしたのなら自業自得だが、仕事に追われ睡眠不足で体重まで増えたんじゃ割に合わない(自業自得には変わりない)。こうなったらいっそ、甘いものや脂っこいものを存分に食べたほうがマシじゃないか。本気で葛藤する中年オヤジの悩みは、いとをかし。
 
 夜、『誰も見たことのない場所』の稽古は、後ろ3分の1のパートを2回、止めつつ通る。流れはずいぶん良くなりつつあるが、濃密な空気感にはまだまだ。「はっとする言葉」をどれだけリアリティをもって届けられるか。
 「締め切り、近いですよ」「初日、近づいてますよ」。この言葉に、ぐうたら演出家もはっとしなければ。
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真夏日がめっぽう少ない。夏はどこへ行った?
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2011年08月02日

脳内分裂状態。――[502]生誕19,0680

 サッカー元日本代表DFの松田直樹選手が練習中に突然倒れて心肺停止に。今なお予断を許さない。急性心筋梗塞らしい。まだわずか34歳。こんな若さで心筋梗塞とは、あまりにも理不尽。我が身はもう若くはないが、だからこそ余計に他人事ではない。明日にでもあちら側へ行く。いつ迎えが来てもおかしくない。命はそれだけ危ういと、改めて肝に銘じなければ。松田選手、なんとか頑張って奇跡の生還を果たしてほしい。
 
 気がつけば仕事が山積み。今、同時に4本の戯曲と向き合っているので、頭が分裂気味(もともとという説もある)。脳内は「落ちこぼれの高校球児」「幽霊のレスキュー隊」「コスプレ好きの医者とその患者」「昭和初期の女教師」がごっちゃになって、見事にぐちゃぐちゃ。何のことだか意味不明だろうが、ようやく今日、「高校球児」にはひとまずのケリをつける。とはいえ、まだまだ先は果てしない。
 もはや許容量を超えているのに、夜は劇団の制作会議で、来年以降のことにあれこれ思考を巡らす。巡らせてはみるが、なぜこんなに我が身だけ忙しないのだ?と、名案より先に怒りが表に顔を出す。怒りにボヤキに愚痴のオンパレード。歳を取れば取るほど、人間、度量が狭くなるのだと改めて教えられる。(てめぇだけだよっ!)
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近所の商店街は「七夕祭り」を目前に、目玉の「張りぼて」がちらほら出現。手作り感、満載。
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2011年08月01日

過労死で死になさい。――[501]生誕19,0679

 恐怖のダブルヘッダー稽古がスタート。昼間は西荻窪で劇団朋友で9月公演『幽霊人命救助隊』の顔合わせ&読み合わせ。それが終わると笹塚へすぐさま移動し、『誰も見たことのない場所』の稽古。2本の芝居の稽古は、昼12時に始まって、夜11時に終了。な、長い……。体力、持たん……。
 おまけに書き物仕事もありがたいことに目白押し。企画書に機関誌に戯曲に戯曲に戯曲に、その他もろもろ。さぁ、遠慮なく過労死で死になさい。どうもその流れにはまり込んでいて、我が無能っぷりでは、どうも身の抗えそうにない。
 もちろん、それで奮起して、「よっしゃあ、頑張るで」と一つ一つクリアしていけばまだいいのだが、あたふたあたふた、あっちをやればこっちが気になり……という浮気モン状態が延々続くので、仕事はいっこうに捗らない。かくして肉体的にはもちろんのこと、精神的にも敗北感だけを噛みしめる。
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近所にオープンするスーパーは次第に全貌があらわに。店舗の空間演出の仕事も楽しそう。
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2011年07月31日

祝500回到達。――[500]生誕19,0678

 祝500回。人間、何事も続くもんです、やめなければ。そりゃあ、1週間ためこんで、まとめて更新ってこともありますが、いいんです、500回到達ですから。
 あちこちから非難の声があるのも知ってます。こんな駄文を書いてる暇があるなら、さっさと脚本を書け。至極ごもっとも。反論の余地ありません。いつでもやめる覚悟です。(別に覚悟は要らないか)
 
 そう思ってるなら稽古オフの今日、頑張って執筆活動に励めばいいものを、どうしても「明日やれることを今日するな」という性格のようで、なかなか本腰、入りません。
 でもって、仕事を溜めるだけ溜め込んで7月も今日で終わり。明日からは『誰も見たことのない場所』に加えて、劇団朋友の『幽霊人命救助隊』の稽古もスタート。いったい、どうなる?たぶん、どうにもなりませぬ。
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これはイイ。入浴後のだらだら汗がイッパツ解消。しかも爽快、クール。こんな優れもの開発してたんだね、バスクリン。
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2011年07月30日

自己満足ですけどね。――[499]生誕19,067日

 世界水泳、期待の入江は金ならず。北島の完全復活もお預け。結局、今大会で金メダルはなさそう。いえ、別に頑張ってもらえれば、それでガッツは十分もらえます。オジサンもやる気むんむん出ます。だから、金じゃなかったからって泣くことないからね、入江君。
 それにしても日本のマスコミはいつから煽るだけ煽って選手にプレッシャーを過剰にかけるようになったのだろう。本番の実況アナウンサーも解説者も終了間際まで「行けますよ、可能性ありますよ、行け行け」などと、やたらと無責任に煽りながら、結果が期待より落ちると、「惜しかったですね、大健闘ですね、得たものは大きいと思いますよ」。ああ、ウザい。プロならもっときちんと解説して、冷静に分析してほしいと思うのは俺だけなのか?
 
 入江や北島に負けてはならじと、オッサンは今日も走りに出る。いや、もちろん、全然二人とは関係ないし、そもそも勝負になりませんけどね。しかし今日は快調、快走。やたらと体が軽く、体が自然と前へ前へと進み、久々に記録も更新。いや、もちろん、ただの自己満足ですけどね。
 そう言えばスコットランドのダンディ市に留学してた頃、湾にかかる一直線の橋(テイ橋)をときどき走っていた。今、気になって調べてみたらその橋の長さ、3264m。凄かったよ、どこまでも一直線の3264m。ひたすら走っても永遠に反対側に辿り着かないんじゃないかと恐れおののきながら走ってた。往復6.5km。それに下宿先から橋までの往復を入れて、約10km。いや、もちろん、これもただの自己満足ですけどね。
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電話ボックスって、いつ絶滅するんだろう。

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2011年07月29日

現実に帰ってください。――[498]生誕19,066日

 稽古場を間違えることなく、演出家は笹塚へ。おお、ちゃんと来れましたね、という顔でみんなに迎えられたと思うのは気にしすぎか?(来れて当たり前です)
 『誰も見たことのない場所』の稽古も客演が加わって以降、途端にペースアップ。若手への細かいダメ出しはいったん横に置いて、全体の流れをつくることに精を出す。とはいえ、生きた言葉、届く言葉、飽くなき追求はゆるめるわけにはいかない。そう思い始めると、横に置いたものをまた目の前に持ってきて、若手との不条理な闘いが繰り返される。このジレンマを断ち切る術はないものか。(たぶん、ない)
 
 見逃した映画『わたしを離さないで』のDVDを、発売は9月下旬ながらAmazonで予約する。このカズオ・イシグロの小説を読んだ衝撃は今なお生々しく我が体にある。この作家の頭の中はどうなってるんだ?と思うほどに想像力のアンテナの張り巡らせ方が凄い。死ぬまでにこんな傑作が書けたらどんなに幸せだろう。と、ぐうたら劇作家は目の前の仕事はすっかり無視して思う。はいはい、もう現実に帰ってください。シッ、シッ。
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ゴミ箱自転車。
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2011年07月28日

稽古場難民?――[497]生誕19,065日

 左肩胛骨の上の辺りを人差し指・中指・薬指の3本で力まかせにぐいぐい、揉み込むように回し押すと、ほんとに「ゴリッ、グリッ、ガリッ」と音がする。それもかなりデカい音。こんな音がしてもいいのか。何かマズイことになってないか、我が体。
 このあいだマッサージに行ったら、ニーチャンは「前より、ゆるくなってきましたね」と言うが、肩も肩胛骨も揉まれるたびに激痛しかしない。
 
 次回公演『死に顔ピース』には俳優だけでなく、クラウンにも客演してもらう。午後、そのクラウンのYさんと打ち合わせ。
 「俳優の人って俳優やってますと言えば、それで納得してもらえますけど、クラウンやってますと言うと、へぇ、で、何やってるんですか?とさらに聞かれるんです。いやま、ジャグリングとかもやりますけど、それだけじゃなくて……と、いちいち説明しなきゃならない。そのたびにクラウンって日本じゃまだ全然認知されてないんだなぁと思います」
 Yさんの言葉に深く同意する。その後、F女史と制作打ち合わせ。こちらの女史はどんなことでもすぐに「やってみれば?」と言い出すので慎重にならないといけない。すぐに同意してしまうと、とんでもないことになりそうな気がして侮れない。こちらに慎重な決断を促すために言っているのだとしたら、大したものではあるが。
 
 F女史とのスリリングな打ち合わせを終えて、稽古のために急いで地下鉄とバスを乗り継いで笹塚へ。なんとか立ち稽古に間に合ったと稽古場に足を踏み入れたものの、それらしき集団の姿はどこにもない。あれ?あれ? ……今日の稽古場、ここじゃなかった。……ものすごい脱力感。もうこのまま帰りたい衝動に襲われながら、いよいよ痴呆症の進む演出家はやるせない思いで心をいっぱいにして桜台へと改めて向かう。
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剪定された植木。切られてもまた芽吹く。その逞しさが羨ましい。
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2011年07月27日

覚えてる覚えてる。――[496]生誕19,064日

 スマートフォンって便利なのだろうか。まだメールを打つのにも慣れない初心者は最近、とみにそう思う。インターネットのPC画面をそのまま見られるのは確かに便利だが、ほかにどんな有意義な使い道があるのか、さっぱりわからない。いろんなアプリをダウンロードすればいろんなことができる。それは初心者でもわかっているが、でもどれも有料でしょう?金、取られるんでしょう? と、どうも罠にはめられそうな気がして、ずっと二の足を踏んでいる。
 なので毎日、「Android au」で使っているのは電話、メール、インターネットのみ。これって宝の持ち腐れなのか?誰か、この疑心暗鬼の演出家に、「これ有料だけど、すっげぇ便利」というものがあったら教えてください。あ、無料でこんなことができるよ、という情報もあれば。
 
 夜、シアタートラムで『荒野に立つ』を観る。知り合いの女優Aちゃんが出演していて終演後に楽屋を尋ねると、「先生」と呼び止められる。振り向くと、今夜の芝居に出ていた別の若い女優。「あ、知ってる」と思ったが先に、「日芸で教えてもらいました、覚えてますか?」と言われ、「覚えてる覚えてる」と答えたものの痴呆症が進行中の老体演出家は名前が出てこない。こちらの「覚えてる」連呼が信用できなかったのか、若き女優はさらに「あのI・Rなんかと同期です」と、かつて一跡二跳にも在籍していた若き男優の名前を出して追い打ちをかける。だから覚えてるって、確か名前はM……と言おうとしたところに、知り合いの女優Aちゃんから声がかかって話は打ち切り。
 結局、若き女優には「覚えてる」を証明できないまま楽屋を後にしたが、覚えてるからね、M・A(彼女の名前)。帰り道、パンフレットを見て芸名使ってることは初めて知ったけど。
 あ、蛇足ながら、この痴呆症演出家、芝居を観てるときには、あ、M・Aだとはもちろん気づいておりません。(泣)
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ひと足お先にお披露目っ。我がワンツーワークス次回公演『死に顔ピース』の古川タク氏によるチラシ・イラスト。かわゆい。
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2011年07月26日

逝く人ばかり。――[495]生誕19,063日

 睡眠3時間足らずで目が覚め、もはや老人は二度寝もできず、仕方がないので久々に朝からランニングに出る。
 早朝のまだやわらかい空気の中、善福寺川公園ではラジオ体操にいそしむ老人大集団と、やや離れて太極拳に体をくねらせる老人小集団がいて、やはり早朝の公園は老人ワールドなのだなと、その近寄りがたい光景を横目にタッタッタッタッと孤高の老人演出家はいつものコースをひた走る。
 
 朝から疲れ果てて自宅に戻ると、「照明家のSさんが亡くなりました」とメールが入っていて驚く。
 ああ、Sさん、死んじゃったんだ……。あれは今年の初めだったか、新宿の飲み屋で偶然会って、「元気っすか?」となぜか握手をしたんだったな、と思い出す。Sさんは一跡二跳の初期の頃、ずいぶんと世話になった。何本も一緒に作品をつくったが、一緒にラジオ体操も太極拳もやったことはないなと、そんなことを思う。このところ周りは逝く人ばかりで、我が人生に再び関わりに戻ってくる人は独りもいない。いつのまにか、一人、また一人と逝ってしまう。我が身がいずれあちら側に行ってしまったら、みんなで太極拳をやれる場所があればいいのにな、と感傷いっぱいに老人演出家は思いを馳せる。
 
 夜は『誰も見たことのない場所』の稽古で笹塚へ。あちら側へ行ってしまった人たちを巡るこの芝居が今日はまた一段と心に刺さる。
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稽古場の一角にある喫煙所。煙草が好きだったSさんが座っているような錯覚に襲われる。
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2011年07月25日

アイス「伯方の塩」味。――[494]生誕19,062日

 連日の疲労が溜まっているのか妙に体がだるく、ちょっとこれは限界限界と昼過ぎにパソコンの前から離れてしばし横になる。横になると、重力とともに疲労感が背中のほうへ、下へ下へと堆積していき、ああ、体の内側にはこんなにも疲れがあったんだと実感する。こうして宮崎の演出家O君は横になったまま、みるみる具合が悪くなり亡くなったのだろうかと思うと、封印していたやるせなさも一気に吹き出してくる。
 
 稽古の陣中見舞いで自宅にジェラートアイスが発泡スチロールの箱で届く。それも2個。それをせっせと稽古場まで持ってって開けてみると、1箱12個入りで全部で24個。なんと全部種類が違う。アイスに目のない演出家はカロリーなんぞ無視して、変わり種も多い種類の中から「伯方の塩」味をいただく。見事に塩味。美味。勢いに乗って「夏みかん」もほおばる。これまた当たり前だが、みかん味。美味。劇団メンバーもみんな「それ、どんな味?」「ひと口、ひと口」と、芝居で絡むよりも上手くコミニュケーションがとれている。
 送ってくれた広島のTさん、ありがとう。我が身もちょっと疲労回復できました。(単純この上ないが)
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アイスに目のない演出家は、みんなに「食え食え」と言いつつ、真っ先にむさぼり食う。
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2011年07月24日

大丈夫か、O君。――[493]生誕19,061日

 ワンツーワークス主催「俳優のためのワークショップ」2日目。今日も午後1時半にスタート。ウォーミングアップから始め、向上心旺盛な俳優&俳優の卵の面々に、ベーシック・スキルを一つ一つ解説しながら、それぞれ自分の体と声の不自由さ・幅の狭さに向き合ってもらう。
 ワークショップには「何かをつくりあげる」という確固たる目的はないゆえ、今回はドS演出家もドSっぷりを封印(と思っているのは本人ばかり、という場合もあるが)、穏やかに和やかにワークショップを進める。実際、いつもの我が劇団の若手男優との不毛な闘いに比べれば、こうした現場は天国のように楽しい。参加者も初顔が結構多く(はるばる広島や新潟からの参加者も)、新しい人との出会いはそれだけで新鮮で心が弾む。その上、この手のワークショップにしては珍しく男性が約3分の2と驚くような高比率なので、野郎どもが溌剌と動く様も懐かしの体育会系部活のようで微笑ましい。
 などと思っていたら、若手男子(31歳)がそれこそ体育会系部活のごとく、やたらに張り切って足を負傷。病院にまで行く羽目になったが、その後大丈夫か、O君。
 
 ワークショップは今日もみっちり8時まで。ドSっぷりを封印しても疲労感は隠せない老体演出家は、誰よりも動いていないのに誰よりもへろへろ。減量作戦もいいが、体力増進にも努めなければ、と一瞬だけ思う。
 終了後は「お疲れさん」飲み会。こちらにも15、16人ほどの結構な人数が参加。互いに親交を深め合う。終わって安堵したへろへろ演出家も今日は生ビールをあおり、ぷはー、と唸る。
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埃まみれのガラスに落書き。「I LOVE TOKYO」って、犯人は田舎出身者か?名前は「大吾」だと思うが、明らかに「犬」になっているのは何の暗号なのか?
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2011年07月23日

主催ワークショップ。――[492]生誕19,060日

 午前中から新宿で打ち合わせ。9月に演出する予定の劇団H公演のキャスティング。すんなり決まるかと思いきや意外に難航。気がつけば次の時間が迫っていて、なんとか目途がついたところで急いで西新宿へ。歩いても十分間に合う距離だとは思いつつ、老人演出家は迷うことなく、たった1駅を悠然と地下鉄で移動する。
 
 1時半からは我がワンツーワークス主催の「俳優のためのワークショップ」。ありがたいことに定員20人は満員。加えて我が劇団の若手も参加し、受講者は計24人。それに我が劇団のベテラン男優O&女優Sがインストラクターを務めるので、講師のオッサン演出家を足すと総勢27人。
 まずまずの広さと思っていた稽古場が結構狭い。全員で体を動かし始めると、一気に室内には熱気と湿気が満ち満ちて、おいおい稽古場で熱中症はシャレにならんぞと思いつつも、次から次にみんなでわっせわっせと動いてもらう。
 声と体をコントロールするための「中心軸」「重心」「緊張と弛緩」「リズム」「スローモーション」、会話の技術のための「スイッチング」「拡大と転換」「ポジショニング」「共同体と対立」。チラシに書いたメニューは目白押しで、こうした基礎の基礎を丁寧に一つ一つやっていたら、あっという間に時間が過ぎる。
 
 延々6時間半のワークショップは午後8時に終了。ほとほと疲れた演出家は直帰のつもりでいたのだが、受講者から「メシとか行かないんすか?」と言われ、我が劇団の俳優Oともども若者受講生ら数人と焼き鳥屋に流れる。が、ここでアルコールが入ると一気に酔いが回りそうなので充電切れの演出家はウーロン茶を注文して鶏だけをガツガツ食べる。
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このドアの向こうは熱気むんむん。
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2011年07月22日

無能な演出家。――[491]生誕19,059日

 朝から会議で西新宿へ。新役員による「常務理事会」初会議。議題も満載で、2時間びっちり、あれやこれやと言葉が飛び交う。と言っても、何にでも口を挟んでわいわい喋っているのはFさん(青年劇場)と我が身の二人で、新メンバーの30代・40代の若い2人はひたすら黙って聞いている。
 すると、会議の締めでFさん、あろうことか新メンバーの2人に、「こんな感じでやってますんで、次回からはバンバン古城さんのように喋ってください」とのたまう。すかさず、「数年かかってようやくこれだけ喋れるようになりました」と笑顔で切り返すと、「ウソー」という声がFさんだけでなく、あちらからもこちらからも上がって非常に驚く。四面楚歌。
 
 『誰も見たことのない場所』の稽古は徐々に流れができつつあるものの、若手の場面は未だに迷い道。それにしても若手の言うセリフは、ひと言聞いただけで「違う」と思う。思うのだが、この「違う」が異星人には伝わらない。何度も説明し、時にはやっても見せて、少しはわかってくれたか?と期待するのも束の間、すぐにまた意味不明の世界に引きこもる。困り果てた演出家は、「どう言っても変わらない君を見てると、君を変える術を持たない俺はなんて無能な演出家なんだと思うよ」と言い出す始末。孤軍奮闘。
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ロバート・キャパの写真集。ときどき眺めます。
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2011年07月21日

ロボットと話す。――[490]生誕19,058日

 減量作戦、停滞。10kg減からプラスマイナス2kgを行ったり来たり。ここ最近、昨日と今日で2kgも違うということが珍しくないのだが、これはフツーのことなのか?みんなそうなのか?
 例えば約1時間のランニングで、今は確実に2kgは減る。が、翌朝になって体重計に乗ると、また確実に1.5kgは戻っている。ランニング後から翌朝までに1.5kgも食べたとはとても思えないのだが、体重計は「ホントはあなた食べたんですよ」という数字を指し示す。不条理きわまりない。一進一退の日々。ここが勝負どころ、スレンダー演出家への道はそう遠くはないぞ、とは思うものの体重計に乗るたびに、「じりじり」する。
 
 午後、虎ノ門へ。日本劇団協議会のK事務局長、F専務理事とともに、内閣府の出先機関に出向く。担当役人との面談時間は45分とあらかじめ伝えられていたのだが、さすが「事務方」と呼ばれるだけあって、きっちり45分、予定通りに事務的に話は進む。ギャグも冗談も一切なし。そんな和やかさを望む我が身が場違いなのだとは思うが、なんだか味気なさを通り越して、ロボットと話しているような感覚に陥る。 しかし役人というのは大変だね。いろんな団体から提出される山のような書類を重箱の隅をほじくるように丹念に目を通し、事細かに訂正を入れる。それを毎日毎日何時間も掛けてひたすらやっているのだと思うと、俺には無理だわ、と感心することしきり。ああ、こんなふうに日々を過ごし生きている人たちもいるのだと、改めて「人生いろいろ」と思い知る。
 彼らのモチベーションはいったいどこにあるのだろう。ややもすると、巨大システムの歯車の一つとしか思えない気がするのだが、国のため、国民のためという自負があるのか?まさか「公僕」という思いが心の支えではあるまいと思うのだが。
 
 夜は稽古で西新宿へ。客演陣の参加が徐々に芝居に厚みを持たせてくれるが、相変わらず我が劇団の若手はすきま風をもたらしてくれる。ありがたや、ありがたや。ここですんなり出来のにいい芝居になったら演出家の仕事はなくなるってことですよね?だからいつまでもクソ演技を続けてくれてるんですよね? ああ、感謝感謝。
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標識、傾きすぎじゃね? 液状化? 怪力酔っ払いの仕業?
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2011年07月20日

意地だけで。――[489]生誕19,057日

 更なるダイエットに励むべく今日もせっせと走る。走ってはみるが、体が重い。足が上がらない。なぜだ?体重は軽くなりつつあるはずなのに、全身あちこちに砂袋をぶら下げたような、この重さはいったい何が原因なのか? 
 こうなるとオッサンは意地だけで勝負する。重いよぉ〜重いよぉ〜と心では泣きながら、ひたすら達成感という自己満足を手に入れるためだけに走り抜く。(体にいいかどうか関係なし)
 
 『誰も見たことのない場所』の稽古は客演および我が劇団のベテラン勢の場面はなんとか形になりつつあるものの、若手の場面は相変わらず厳しい。
 ちんたらちんたらやってる暇はない。そんな暇はどこにもない。早く目途をつけたい演出家はオノレにそうカツを入れるのだが、いかんせん芝居は意地だけでは乗り切れない。それが無性に歯がゆいが、ストレスを溜め込むとまた癌になりそうなので見て見ぬふりをする。そのさじ加減が難しい。
 ……って、演出家が見て見ぬふりをしていいのか?
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制震ビルに免震ビル。今や地震対策こそ不動産最大のセールスポイント。「3.11」以降、世の中は確実に変化。
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