2010年10月24日

老い日記[220]――生誕18,788日/禁煙173日目

 クエンティン・タランティーノ監督の『イングロリアス・バスターズ』をようやく観る。
 予告で「売り」になっていたブラッド・ピットよりも悪役のクリストフ・ヴァルツが飛び抜けて面白い。アカデミー賞助演男優賞も納得の怪演。タランティーノ監督お得意の、B級テイストに突然モードチェンジする人を食ったような演出も健在で嬉しくなる。音楽のセンスも相変わらず上等。ただし、本作の後味はすこぶる悪い。少しも飽きることなく2時間があっという間に過ぎるのだが、終わってみれば胸やけしたように不快感が残る。なぜか?カタルシスとはまったく無縁の終わり方だからか? 暴力シーンをことさら暴力的に描く意味わ見いだせなかったからか? それとも暴力を受け付けないほどに我が身が老いたってことなのか?
 
 
 夜は世田谷パブリックシアターでピーピングトムの『ヴァンデンブランデン通り32番地』を観る。このベルギーのダンス・カンパニーは初見。印象的だったのは、軟体動物のような体の動き。柔軟性がやたらと強調されていて見世物小屋的な味わいさえ漂う。ただし、今村昌平監督『楢山節考』にインスパイアされた作品とのことだったが、さほど関連は見受けられず。
 終演後のポストトークも聞くが、聞き役の評論家が質問するたびに自分の解釈を長々と語るので会場は「おいおい勘弁しろよ」というムードに包まれるが、評論家は我関せずで持論を展開。まさに空気がよめない状態。ああなっちゃいかんぞ、と話の中身より、そのことを心に留める。
 
 その後、新宿に出て飲みの席に合流。我が劇団の俳優Oと、Oと俺の大学時代の先輩Tさん、3人でわいわい飲む。早々に引き揚げるつもりだったのに、いつものようにそういうわけにはいかず、12時回ってようやく腰を上げる。
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「ピーピング・トム」のプログラム。関節、ないんじゃねーの?という動きが不気味だった。
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2010年10月23日

老い日記[219]――生誕18,787日/禁煙172日目

 不規則な生活がこのところ輪をかけて不規則になっている。朝・昼・夜という太陽の動きとは無関係に、場当たり的に「食べる・仕事する・眠る」を繰り返して時間がだらだらと過ぎる。いかんいかん、こんな日々を送っていてはまた癌になる。
 
 午後、新国立劇場「マンスリー・プロジェクト」へ。第2回の今回は、慶応大教授・常山菜穂子さんによる演劇講座「どこから始まる?アメリカ演劇」。
 いやいや、面白かったです。ン10年ぶりに大学の講義を聴いてるような感覚で、2時間たっぷり堪能。「宗教劇」→「愛国劇」→「メロドラマ」→「ミンストレルショー」→「レッグ・ショー」→「ワイルド・ウエスト・ショー」→「近代セリフ劇」という20世紀に至るまでの演劇史の流れがしっかり線として繋がり、聞けば聞くほど、「アメリカって常に誰かを出し抜いて、あるいは踏み台にして発展してきたんだなぁ」と、その天真爛漫なほどの厚顔無恥っぷりに感動すら覚えました。
 
 終了後は劇団ミーティングのため荻窪へ。『誰も見たことのない場所』の今後の展開についてあれこれ。その後、さらにF女史と演出助手Sとで打ち合わせ。話せば話すほど、「やらなきゃいけないことって尽きることがないんだなぁ」と、その途方もない展望に感動すら覚えました。
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青梅街道。膝が痛いのに歩道橋に上がらざるを得ず、記念にカシャ。
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2010年10月22日

老い日記[218]――生誕18,786日/禁煙171日目

 腱鞘炎がようやく治まってきたと思ったら、今度は右の膝が痛み出す。左の膝はもはや持病と諦めているが、これで右まで歩行不全に陥ったら、一気に車椅子生活に突入か?既に今の段階で階段を上るたびに、アタタタ、オトトト、と鈍い痛みが走り、すっかり階段嫌いになっている。(階段大好き!!っていう人間もいないだろうが)
 まぁ、そういう状況でもバカ男は走りますけどね。
 ということで今日のランニング。このところ人に抜かれてもなんとも思わなくなっていたのだが、今日は「このオッサン、絶対に年上!!」という人に抜かれた途端、負けん気が突き上げてきて、ひたひたと後を追う。オッサンの後をひたひたと追うオッサン。なんとも不気味な構図だなぁと思いつつ、つかず離れず出走っていたら、最近にないハイペースのままゴール。「あれ?もう終わり?」という楽々状態で1時間を走り終え、さして疲れもなし。なるほど。ライバルがいるって凄いことなんだなぁと今さらながら当たり前なことに改めて感心。というか、「今までどんだけ漫然と走ってたんだよ、てめぇ」ってことですが。
 
 ふと気がつけば10月も下旬。仕事に追われ、芝居の稽古に追われ、我が身のアイデンティティはいったいどこにあるのだろうと、じっと手を見る。(シワが増えている)
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近所の「開かずのダーツショップ」に灯りが……。思わず中を覗いてしまう。
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2010年10月21日

老い日記[217]――生誕18,785日/禁煙170日目

 煙草の大幅値上げの影響か、ネオシーダーを買い求めに行ったところ、「品切れです」。え?今まで一度もそんなことなかったのになんで? と驚きつつ別のドラッグストアに行くと、「今、欠品してます」。……何かの陰謀か? 煙草の値上げに恐れをなして禁煙に走ろうと思うが、すっぱり煙関係と決別できない誰かのような根性なしが一気に増殖したのか?
 
 日中、パソコンの前に陣取り、あれやこれやの仕事をちまちまこなすが、目先の小さな仕事さえ時間がかかり、あまりの集中力のなさに我が身を呪う。
 とある本に、「パソコンの前に座りっぱなしでネットサーフィンに明け暮れていると、人間、著しく集中力が低下する」と書いてあったが、我が身の集中力低下はそうか、インターネットのせいではないかと余計な妄想をたくましくして、またそれで時間を失っている。アホである。
 
 基礎稽古では今日も若手に苛立つ。あまりの頭の悪さに演出家は毒を吐くどころか、本気でコイツ、やってやろうかと殺意さえ芽生える。自分が怖い。
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剥がれた爪、再生の気配。オッサン、しぶとい。
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2010年10月20日

老い日記[216]――生誕18,784日/禁煙169日目

 右足がたぶん、腱鞘炎。新しいシューズが嬉しくて紐をぐいぐい締め上げて走っていたのが災いしたのか、右足の甲が痛い。土踏まずも押すと、「ひー」と声が出るほど痛みがある。
 そのうえ、右のこめかみにも鈍い痛みがある。偏頭痛なのか。この二、三日、やたらと生あくびも出るし、もしや脳卒中の前触れか?と不安は増幅するが、打つ手はないので、まぁ倒れたら倒れたときと半ばヤケクソ気分でやり過ごす。
 
 午前中から会議で西新宿へ。出席率、悪し。なんだかなぁ。このところ西新宿でも初台でも、演出家Mさんといつも一緒で、Mさんとだけしょっちゅう会議をしているような気になる。
 その後、研修所に寄って『やけたトタン屋根の上の猫』の舞台美術図面をもらう。ひゃー、舞台、斜めってる。おまけに傾いてる。どーすんだ、リーディング。椅子はどう置けばいいんだ?そもそも椅子、置けるのか?
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表札?と思いきや、「タクシー営業所」の文字。え、タクシー?
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どう見ても、普通の家。この表札には何の意味が……?
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2010年10月19日

老い日記[215]――生誕18,783日/禁煙168日目

 パソコンの前に陣取ることに疲れ、新しいシューズとウエアに浮かれて、いそいそと今日もランニングにお出かけ。
 いつもの「30分コース×2周」を軽やかにスタート。
 1周目は今日もすこぶる快調。いいねいいね、若いね俺。
 ところが、2周目はガクンとピッチが落ちる。なぜだ?
 今日のランニングの目標は「ピッチを一定に」。なので調子こいて1周目にホイホイ飛ばしたわけではない。このピッチなら約1時間、一定の速度を保って走れるはずと踏んでスタートしたのに、2周目で嘘のようにバテバテになり、落ちたピッチは結局、最後まで取り戻せないままゴール……。浮き浮き気分で出発したのに、我が身の衰えだけを噛みしめて無惨な気持ちで引き揚げる。
 
 夜、基礎稽古。若手男優に見られたと思った前進は幻にすぎなかったと思い知らされる。何を目標としているのか、何を表現したいのか、皆目わからず。これまた無惨な気持ちで稽古場を後にする。虚しい。虚しすぎる……。  

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行きません。こっちが無愛想なのに。

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2010年10月18日

老い日記[214]――生誕18,782日/禁煙167日目

 マッサージに行く。前にも書いたが、数年前からたまに行くこの治療院は昨年、経営規模を縮小。今では院長夫婦のみで患者をこなしていて、今日も院長から老老介護のようにしてマッサージを受ける。院長のマッサージは一番やってほしい所を簡単にスルーするので、「そこ、時間かけなきゃダメでしょ」と、かなりもどかしい気になるのだが、今日はやってもらって腰にずいぶん負担がきてることをはっきりと自覚。受ける前は、首・肩・ふくらはぎの張りが気になっていたのだが、腰にも相当に疲労がたまっている模様。ちょっと侮っていた院長のマッサージ、少し見直しました。
 歯科医院にも行く。現れた男先生、口の中を覗き込むや、「うん、うん。あ、歯茎はずいぶんよくなりましたね。歯間ブラシも頑張ってますね、うん、いいです」と褒めちぎる。人にはどこまでも厳しい演出家も褒められて悪い気はせず、むしろ、「俺って褒められて伸びるタイプなんだ」と勝手に思い込む。そしてすべての歯にクリーニングして、「じゃあ、半年間の経過観察に入りますね」とついに治療の終了宣言が……!  思い返せば、いい歳したオッサンになって何度正しい歯磨きの仕方を若いネーチャンに教えられたことか。歯を治療しに行くというより、どこか屈辱にまみれに行くという、そんな趣さえあった歯科医院通いとサヨナラ。歓喜。感動。思わず泣きそうになりました。(嘘です)

 右足首の違和感はまだ残っていたが、「走れば治る」とおバカな発想で夜、強引に走りに出る。但し、ランニングシューズを新調、膝をガードしてくれるウエアも購入。いやぁ、やっぱり専用に開発されたものって凄いです。走り出した途端に、「お、今日はイケる」と実感があり、そのままやたらとへばることもなく約1時間走破。足首の違和感もスタートして10分ほどで消滅。気持ちよく汗をかけて、快調快調。 
 マッサージで体がややスッキリ。歯もスッキリ。おまけに快調に走れて、おいおい、今日が「若返りスタート」の記念日になるんじゃないかと脳天気な幸せ者は本気で思う。
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THEATER/TOPS」のあったビルはすっかり様変わりして単なる飲食店の雑居ビルに。今なお、故郷を失った難民のような思いを消化しきれない。
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2010年10月17日

老い日記[213]――生誕18,781日/禁煙166日目

 睡眠パターンがすっかり老人。すぐに目が覚める。熟睡感が限りなく無に等しい。日中は生あくびを連発……。
 おまけに突如として右の足首に痛みを感じる。右足を着くたびにイテテテ……と痛みを伴う違和感が。連日、予想もしない部位に痛みが出たりするので「老い」はあなどれない。
  午後1時から劇団の企画会議。延々5時過ぎまで。疲弊しきっている50過ぎのオッサンに今さら表現者として突き上げてくる衝動はあるのか。やるたびに赤字でもやり続けるマゾヒスティックな(破れかぶれな)モチベーションは何なのか。話せば話すほどに答えに窮する矛盾が露呈してくる。う〜む。
 マイケル・サンデル著『これからの「正義」の話をしよう』が滅法面白い。ハーバード大学の「正義」という科目で、あまりの人気ぶりに講義を一般公開。NHK教育でもOAされた。その講義録から誕生した一冊。思考せよ。思考せよ。ページをめくるたびにそう訴えかけてくる。マゾヒスティックなモチベーションに自嘲的になっている場合ではありませぬ。
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迷わず突っ込め。
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2010年10月16日

老い日記[212]――生誕18,780日/禁煙165日目

 首の右側の「張り」がすごい。指でぐーっと押して、これでもかこれでもかと食い込ませると、ほんの少しだけすっきりする。でもまたすぐに、おもーく、にぶーくなる。日々ストレッチをしていても、すぐに固まる。この柔軟性のなさが老いなのか。
 パソコンに向かっていても首が重く、首をぐるんぐるん回しても重さは取れず、現実逃避のように走りに出る。走りに出たら出たで、足がおもーく、だるーい。いつもなら楽になってくる20分を経過しても重さが変わらず、口の中も異様に乾く。なんだか、かえって疲労感だけを募らせて帰宅。むなしい……。

 朝日新聞の3面に「文化芸術で助成金の不正受給」の記事がでかでかと出る。このタイミングで記事にする狙いは何にあるのか、意図を測りかねる……。フランスなどの文化先進国に比べて今なお日本の文化に対する税金投入が低いことは声高には叫ばれず、ごく一部の不正が鬼の首を取ったかのように大々的に報じられる。ニュースとはそういうものなのかもしれないが、不正を暴くことにジャーナリズムの精神を見いだしているのなら、なぜ不正が起こるのか、その背景にこそ鋭いメスを入れるべきではないのか。むなしい……。と、もと新聞記者は自戒を込めて思う。
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カップの底を覗くと「YES」の文字。オノ・ヨーコ展で買ったお気に入り。
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2010年10月15日

老い日記[211]――生誕18,779日/禁煙164日目

 爪が生き返っている。左足指の爪が、どうも再生し始めている気がする。まじまじと観察しないので100%の確信はないが、黒い部分が減っている。というか、ぽろりと剥がれ落ち、慌ててかぶせた爪がそのままくっついていることに驚く。とはいえ、ホントにくっついているんだろうなと触って確かめる勇気はないので推測ではあるが。

 

 昼前から会議のため西新宿へ。コミュニケーション教育について。予想以上に時間がかかり、終わったのは2時前。学校教育……なかなか一筋縄ではいかない。
 その後、雑用を済ませた後、珍しく時間が空いたので(執筆しなさい、執筆を)、喫茶店でゆるりとコーヒーなんぞ飲みながら、我が身が編集長を務める雑誌を読み返していたら、間違いを発見。しかも、かなり痛いミス。慌ててデスク担当のTさんに対応策を電話。いかんいかん、新鮮な気持ちで常に緊張感を持って仕事に臨まなければ。失った信用は、爪とは違っておいそれとは再生してくれない。自戒自戒。
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こちらは、ついに完結(たぶん誤植もない)。それにしても浦沢直樹作品にも思うが、連載ものの終わらせ方ってホントに難しいんだなぁとやりきれない気分になる。
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2010年10月14日

老い日記[210]――生誕18,778日/禁煙163日目

 腹の調子がよろしくない。一昨日、健診結果を見て胃が芳しい状態にないことを過剰に自覚したのか、突然、下痢に見舞われる。おかしい。まったく理由が思い当たらない。過労で下痢になったりするのか。それとも、仕事したくないよぉ、という体からのメッセージなのか。
 左膝は調子を取り戻したと思いきや、走りに出ると膝の辺り丸ごとがやたらと重い。こりゃ、増えた体重でますます負担がのしかかっているのではないかと減量を心新たにする。
 それでも走れば重さは消える。人生、何事も荒療治。そう我が身に言い聞かせて、稽古場が近いことをいいことにジャージ姿で走っていく。だが膝はいつまでも重く、走っているというより、よたよたと千鳥足のような有り様。それでも稽古場に着くと、どっと汗が噴き出す。
 基礎稽古。若手男優OとSは、ほんのちょっぴり前進。こちらも千鳥足のような歩みではあるが。
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新作『蠅の王』の原作。ただ今、壮絶に格闘中。
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2010年10月13日

老い日記[209]――生誕18,777日/禁煙162日目

 熊本での公演を追っかけてくれたKKTくまもと県民テレビ『テレビタミン』のOAを改めて見る(ディレクターMさんがDVDをわざわざくれました。感謝)。いやぁ、すごいです、恐れを知らぬ演出家の毒舌ぶり。まさに言いたい放題。長年一緒に仕事をしている美術家のIさんからしょっちゅう、「いつか刺されますよ」と言われていたが、刺される刺される、刺されてもしょうがないと人ごとのように深く同意する。だからってこの性格は恐らく変わらないが。

 イラストレーター古川タクさんが明日から旅行なので、共同通信の連載原稿を急いで書く。しかし、エンジンのかからないポンコツ頭はなかなかシャープに文章をまとめられず、推敲の終わっていない原稿を送って、取りあえずそれでイラストを描いてもらう。今回、劇団次回公演のチラシの打ち合わせも電話で済ませ、タクさんには助けられっぱなしだなぁと思っていたら、タクさんの個展の案内が届いた。
 古川タク「東京観光展」。111日〜1228日、17:0023:00と夕刻にオープンする珍しい展覧会(祭日は休廊)。芝パークホテル別館1Fにて。楽しみ。
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「僕の5倍は面白くしてください」。テロップに出されると今さらながら人間性を疑うようなコメントのオンパレード。
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2010年10月12日

老い日記[208]――生誕18,776日/禁煙161日目

 速いなぁ、時の経過。びゅんびゅん行くなぁ。仕事に追われてびゅんびゅん。のんべんだらりとびゅんびゅん。もうオッサンもうオッサンと言ってる間にびゅんびゅん。玉手箱を開けた浦島太郎のように時は非情に過ぎていく。

 約2週間前に受けた半日ドック検診の結果が届いた。まず対処すべきは高い尿酸値だろうなと思いつつ、データの詳細を目で追っていくと、いくつも所見が……。なんだ、「食道裂孔ヘルニア」って。文字からしてもインパクト大。おまけに、あろうことか「萎縮性胃炎」「後壁胃潰瘍S2」という表記も。もちろん尿酸値「7.0mg以下」ならOKのところ、「8.6」とかなり高い。しかも尿酸値の基準超えは3年連続。さらに脂質代謝、糖代謝もあまりよろしくない。おいおい、マズいんでないかい我が体。びゅんびゅんと知らぬ間に蝕まれてるんでないか。

 夜、基礎稽古。若手はバカ正直というか、頑固なほどに変わらない。変化しない。技術がないから仕方ないとも言ってはおれぬ。少しは向上してくれないと我が体、こちらは変わらなくていいのにストレスで胃潰瘍が癌に変化するんじゃないかと気が気ではない。
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高い所でゴンドラ乗って、ビルの名前のお取り換え。ゴンドラ、乗りたい。
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2010年10月11日

老い日記[207]――生誕18,775日/禁煙160日目

 10時チェックアウト。Kさんに鬼太郎米子空港まで送ってもらい、空港でしばらくお茶しながら来年の企画の打ち合わせ再び。スタッフ、キャストの候補を挙げてみるが、スケジュール調整、制作資金調達と高いハードルは少なくない。まだまだ遠い道のりに溜め息が出そうになるが、動き出さないことには何も始まらぬ、と我が身に言い聞かせる。

 飛行機は9日の羽田→米子も、今日の米子→羽田も満席。米子にそんなに人がいたんだと驚きを持って受け止めつつ(失敬な!)、そんなことはお構いなしに機内でシートベルトを装着するや、直ちに爆睡態勢。即座に眠りに落ちて着陸寸前のベストタイミングで目が覚める。機内で眠ることにかけては、もはやプロ級。何の役にも立たないが。
 3時半頃に自宅に戻り、溜まりに溜まった仕事場の書類の山を一気に片づける。少しずつ少しずつ山を崩して、机の上の面積が徐々に広がる。おまけに、コレやり始めたら止まらなくなるなぁと思いながら、これまでの芝居の資料も整理してスッキリ。さぁて、いよいよ次へ向けて、来年に向けて腹をくくらねば。
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鬼太郎、飛行機に乗る。

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後ろから見るとこんな感じ。どうってことないです。
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2010年10月10日

老い日記[206]――生誕18,774日/禁煙159日目

 自宅よりホテルのほうがよく眠れる。少なくとも少しは疲れが取れる気がする。ホテルだとベッドに入れば5分もしないうちに眠りに落ちている。自宅でもあっという間に眠りに入れるのだが(大抵へろへろなので)、ベッドまでが遠くて辿り着けない。いや、物理的な距離ではない。いつまでもダラダラとパソコンに向かい続け、休憩休憩とちょっとのつもりで座ったソファで寝てしまう。このけじめのないパターンの繰り返し。原因はいつまでたっても往生際の悪い性格。これはもう治らないのか?

 10時半から夜7時過ぎまで、びっちり戯曲講座。4本の戯曲を読み、あーでもないこーでもないと喋り倒す。
 隣の陸上自衛隊米子駐屯地では60周年記念のイベントがあり、戦車やヘリコプターに乗ったりできるらしい。むらむらと講座を放り出し、すぐさまそちらに出かけたい誘惑に駆られるが、そうもいかず憂さ晴らしのように受講生の戯曲にこれでもかと毒を吐きまくる。
 終了後はKさんと去年の今頃、毎日通っていた懐かしの稽古場へ。昨夜一緒に飲んだSさん、Yさんらが今月末の公演に向けて稽古中というので覗きに行く。突然押し掛けたので、やや気まずかったかと躊躇するが、2場面ほど流してやってもらって、請われるまま偉そうに押し掛け演出家はダメを出す。この男、謙虚さとは無縁なり。
 9時過ぎから、Kさん、Sさんに、去年演出した芝居に出てた男優Mを加えて4人で飲みに行く。男優Mとは1月以来なので9カ月ぶりの再会だったが、相変わらず残尿感たっぷりの受け答えで、それを肴にわいわい飲む。といっても3人とも車なので、我が身も皆に合わせて全員ソフトドリンク。まぁ、なんて健康的。
 12時過ぎに解散。Kさんにホテルまで送ってもらって、やれやれ今日もいろいろあったなと風呂に浸かろうとするが、昨日、慌ててパッキングしたせいか、リンスが見あたらず。代わりに同じシャンプーが2本入っていた。軽くへこむ。
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陸上自衛隊米子駐屯地60周年記念のイベント。車の中から撮ったが、シャッターチャンスをものにできず。この近くにヘリコプターや戦車がたくさん展示されていて乗り放題だった(動きませんが)。
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2010年10月09日

老い日記[205]――生誕18,773日/禁煙158日目

 久々に夕方近くまで時間あるぞ。いろんなことを一気に片づけるぞ。たっぷり時間があるのはなんとも素晴らしいことよ。優雅な気分でパソコン前に陣取り、わっせわっせとお仕事お仕事。ガンバレガンバレと我が身を叱咤激励しつつ、ちまちま進む。ああ腹減ったなぁ、そろそろ1時まわったかなと思って時計を見たら3時20分。マジかよ。目を疑うが時刻は変わらず。
 慌ててすべてを中断。急いでパッキング開始。優雅なはずが一気にあたふたとギリギリの攻防戦に突入。有り難いことに外の雨も強くなる。バシャバシャ降ってる。焦ってまとめた荷物を背負って傘さして家を出て、一路、羽田へ。
 なんとか出発30分前に到着。お、意外と余裕あるじゃん。と思っていたら保安検査場が見事なほどに大混雑。行列に並んでいるだけで時間はほいほい過ぎて、またまたギリギリ攻防戦。結局、検査場から搭乗口まで小走りで行き、なんとか間に合う。それにしても、30分前に着いたのにドリンクを買うことすらできず小走りしなきゃいけないなんて、なんかおかしくないか羽田空港。国際線拡大で浮かれてるんじゃないか。

 空港にニックネーム(?)が付けられるようになったのはいつからなのだろう。久々に降り立った米子空港も気がつけば正式名称が「鬼太郎米子空港」になっている。雑誌の広告で「世界で唯一、妖怪に名前がついている空港です」という宣伝コピーを見たが、それほどに何も売りがないんだな、とむしろ哀れを誘う。
 ただ、地元の人の話では『ゲゲゲの女房』効果は今なお絶大で、境港市の「鬼太郎ロード」は観光客であふれかえっているらしいが。

 鬼太郎空港には事業担当のMさんが迎えに来てくれて、明日の打ち合わせをしつつホテルに送ってもらう。8時過ぎにチェックイン。ひと段落して9時にロビーで女優Kさんと待ち合わせ。それから「ProjectBee」のメンバー(Kさん、女優Sさん、劇作家Yさん)と来年の企画打ち合わせをしつつの飲み会。
 ……地方の演劇界はいずこも厳しいなぁ。そのことのみを痛切に噛みしめ、いやいやそれでもなんとかしなきゃねガンバローと言い聞かせながら12時半頃に店を出たら、外はその決意を打ち砕くかのような、どしゃ降り。ホテルまでのほんの数十メートルをダッシュで帰るが、もちろんずぶ濡れ。すっかりやる気をなくし、じっと手を見る。(見なくていいです)
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行列ができる保安検査場。なんとかならんか。
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2010年10月08日

老い日記[204]――生誕18,772日/禁煙157日目

 今日も朝から西新宿で会議。ぎりぎりセーフで会議室に入ると、まだ一人しかいない。結局、欠席者が2人、おまけに早退も2人で、会議そのものも珍しく1時間ほどで終了。
 今日は引き続き芸能花伝舎で稽古なので、2時間ほどぽっかりと時間が空いてしまう。近くのマッサージに行こうかと思うが何も情報を持っていないので、結局どこへも行けず。

 2時から演劇研修所の稽古(授業)。5期生のメンバーは男女ともに「俺が俺が」のタイプが多く、なかなか一丸となったムードをつくれないもどかしさを感じつつ、キャスティングのためのワークショップは今日で終了。その後、事務所で担当Nさん、プロデューサーIさんともども相談しつつ、配役の意向を伝えて決定を出す。
 すっかり夜の踏ん張りが利かなくなったオッサンは、帰宅すると今日も「ああ、疲れた疲れた」と怠惰の海に沈みゆく。
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未だに見る勇気がありません。
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2010年10月07日

老い日記[203]――生誕18,771日/禁煙156日目

 せっかく東京に戻ってきたのだからストレスのない生活を送ればいいものを、ここ数日続けてソファで寝てしまい、今朝も熟睡した感覚がまるでないまま、もそもそと起き出す。
 11時から西新宿で臨時総会。日本劇団協議会は公益社団法人に移行することを議決。その後、千駄ヶ谷に総会出席者の大半もそのまま移動して芸術文化振興基金の説明会。日本青年館は昨年同様に超満員。税金をもらって芸術にいそしむ人がこんなにもいるのかと改めて思い知る。
 終了後に臨時総会から一緒だった劇団FのプロデューサーNさん、同劇団の女優Nさん、宮崎からやって来たMさんに、我が劇団のF女史と遅めのランチ。ダブルNさんとF女史はまだ3時半過ぎだというのに生ビールをあおる。いいなぁ、極楽とんぼはと思いつつ、我が身にはジンジャーエールを流し込む。

 夕方、1週間ぶりの歯科医院。今日は男先生。仮の詰め物を外して出来上がってきた金属を被せる。手際よく、ものの5分もかからず終了。あっという間に終わったのだから、次の治療にも取りかかってくれればいいものを、今日はこれでおしまい。なんだか少し損した気分。というか、いつまで通わなきゃいけないんだ?あと何が必要なんだ、我が身の歯には?

 夜は劇団の基礎稽古。稽古場が我がマラソンコースの近くなので、自宅からリュックを背負って走って行くも息切れ激しい。稽古は若手男優3バカトリオを相手に、報われない不毛な闘いが今日も続き悪戦苦闘。いつものことながら肉体的疲労よりも精神的に疲れが激しい。バカな子ほど可愛いと言うが、お願いだから早くいっぱしの大人(俳優)になってくれ。
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天まで伸びる? 演技向上にとっておきのクレーンはないものか。
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2010年10月06日

老い日記[202]――生誕18,770日/禁煙155日目

 一日マッサージに行ったくらいでは鉄板と化した首・肩は少しも揺るがず、むしろもっともっと揉んで揉んでほぐして、と気のせいか、昨日より症状のひどさを訴えてくる。よし、連チャンで出かけるかと一瞬思うが、溜まっている書き物仕事がそれを赦してくれず、午前中はパソコンの前に泣く泣くじっと、へばりつき続ける。
 午後、新国立演劇研修所の稽古。来月のテネシー・ウィリアムズのリーディング公演。明後日までにキャスティング確定せねばならないのだが、光明はなかなか見えず。
 終了後は初台のほうの新国立劇場へ。宮田慶子さん芸術監督就任第一弾『ヘッダ・ガーブレル』を観る。これまでにないヘッダ像が新鮮。平均年齢の高い俳優陣だろうに、皆若々しい。俳優なんだから当然じゃんと思いつつ、この中に今日マッサージを受けた人はいるだろうかと、どうでもいい妄想にしばし取り憑かれる。
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アイルトン・セナを描いたドキュメンタリー映画の広告。あの、あっけないレース中の事故死から16年。生誕50年だと。同学年だったんだなぁと今さらながらしみじみ。
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2010年10月05日

老い日記[201]――生誕18,769日/禁煙154日目

 左足の指(第2指)の爪がついに丸ごと剥がれる。シャワーあがり、いつものように巻き付けているバンドエイドを貼り替えようと外したら、なんだ?何がバンドエイドにくっついてるんだ? とよくよく見ると、爪だった。
 ひえ〜。慌てて爪を元の位置に被せる。ほとんど本能的に。でもって新しいバンドエイドを巻き付ける。ほとんど訳がわからず。爪はもうすっかり剥がれているのでまるで意味のない行為なのたが、反射的にそうした。すっぱり爪の剥がれた指。爪の下の肉がむき出しになった指。直視する勇気がありません。

 朝から検便を携えて健診センターへ。「便検査を持ってきました」。受付の若いお姉ちゃん看護師に告げるのは一種の拷問のよう。ま、受け取るほうは何とも思っちゃいないのだが。
 その帰り、どうにもこうにも体が鈍く重くてたまらず、マッサージに飛び込む。恐らく、今年に入って初。去年は結構通っていたのだが、今年はずっと足が遠のいていた(時間もなかった)。
 久々に訪れた治療院はマッサージ師は夫婦だけになり、以前よりさらに規模が縮小。「うわぁ、この人、めちゃくちゃウマい。気持ち、ええー」とかつて思ったマッサージ師の姿は当然なく、もうすっかり初老となった院長のマッサージを老老介護のようにして受ける。
 夜は劇団の基礎稽古。時間が短いので、あまり大したことができないまま終了。この基礎稽古、残尿感だけをたっぷり味わうなぁと思っているのは我が身だけなのか?
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地下鉄のキャンペーン広告。このシリーズは結構お気に入り。いつ、ネタが尽きるのか?
posted by 老い日記 at 00:00 | Comment(0) | 日記