2010年09月14日

老い日記[180]――生誕18,748日/禁煙133日目

 『誰も見たことのない場所』を取りあげた特集は、11日のNHK「おはよう日本」で無事にオンエアされたとのこと。見ていないので(首都圏限定だったので見られず)中身についてはまだ何とも言えないが、それなりに反響があったらしい。劇団宛にもメールや電話が届いたようだ。活字離れ・テレビ離れが進んでいると言われるけれど、なんのなんの、今なお一定の影響力はある。若きディレクターNさんが「自殺」をどうまとめたのか、気になるところ。出しゃばらなくていい演出家が出しゃばりすぎていないか、これはもっと気になるところだが。

 県立劇場のスタッフKさんがついにダウンしてお休み。連日の長時間勤務・午前様帰宅で無理がたたったのか?考えてみれば連日、12時間近く劇場にいる。東京のプロデュース公演では、まず考えられない拘束時間の長さ。その面倒を見る劇場スタッフは更に長時間、劇場に居続けることになる。ダウンもむべなるかな。(Kさん、たっぷり静養してください)
 本番まであと10日ほど。これからバッタバッタと倒れる人が続出しなければいいのだが。――と言いつつ、「倒れたモン勝ち」という気がしなくもない。倒れれば休めます。それほどに皆、相当に消耗しているはず。ではまず真っ先に模範を垂れて、体力乏しい演出家が倒れてもいいですか?

 稽古は今日も、ちょぼちょぼ前進。『上通物語』はとにもかくにもスタッフワークが不安。全貌がなかなか見えず、これじゃあ体によくないわと思いながらも、焦りとストレスをどっぷりと溜めこんでホテルに戻る。
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空を走る線路のような夕焼け雲。束の間の休息。
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2010年09月13日

老い日記[179]――生誕18,747日/禁煙132日目

 稽古稽古で一日が明け暮れる。午前中も今やほかの書き物仕事より、芝居の映像台本を書いたり、段取りや演出の詰めをあれこれと検討したりで、あっという間に時間が過ぎる。ランニングの時間すらまともに取れず、もどかしい。
 そんなこんなで準備をして、いざ稽古場へ足を運んでも役者がなかなか揃わないので、もどかしさは一段と強くなる。

 今日は朝から『上通物語』の稽古場台組み。よせばいいのに俳優Oは老体に鞭打って、実家から調達した自転車で颯爽と出かけたらしい。ところが後で聞いたら、この仕込みにも地元演劇人の姿はほとんどなかったらしく、なんだかなぁと気持ちがみるみる萎える。せめてスタッフには、演出部のプロをもっと入れたほうがいいんじゃないのか。本番がいよいよ間近になってきて、そのしわ寄せがどこに行くのだろうと今から戦々恐々としている。恐ろしや。
 『メランコリーの予感』は場転の演出もほぼ固まって、なんとか全貌が見えつつあるが、台組みまで済ませたというのに『上通物語』はまだまだこれからが勝負。日に日に鉄板の如くなっていく肩や首の重さを引きずりながら、本番に突き進むしかない。誰か、稽古場にマッサージ機を常備してください。
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下校中の中学生。ぐだぐだ喋りながら遠回りして帰った日々が懐かしい……。すっかり気分はおじいちゃん。
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2010年09月12日

老い日記[178]――生誕18,746日/禁煙131日目

 上通の長崎書店の前で木曜日から行われていたパネル展の最終日。畳大のパネルが4枚。片面は「熊本市の歴史」、もう片面はオープニングステージ『上通物語』と『メランコリーの予感』の宣伝。芝居のあらすじ、人物相関図のほか稽古風景の写真も満載なのだが、そこにまたも出なくていい演出家の姿が大写しに。ああ、みっともない。
 そういえば熊本県立劇場のホームページにはオープニングステージのアイコンがあり、そこにも脳天気演出家の顔写真が。「なんで出すんですか、作家の顔を出せばいいじゃないですか、二人とも地元なんだから」とぐちぐち言ったら、担当のMさん、ビシッとひと言、「おだまり」。お、お、おだまりって……。思わず、くらっと一瞬、めまいが……。

 午後、『上通り物語』に出演する碩台小学校の合唱部が稽古に初参加。先生2名を含め、総勢30名近く。フルコーラスで三部合唱の『なでしこのうた』も堪能。その歌声の美しさに俳優Oの目には涙が……。「あんた、泣いてんの?」と冷酷演出家が言い放つも、俳優Oは「うん、うん」と涙を拭くのみ。このオッサン、既におじいちゃんである。合唱部には3回歌ってもらったのだが、おじいちゃんは3回とも泣いていた。演出家は涙に暮れる老人のほうに「哀れ」を感じて涙が出そうになる。
  

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上通のパネル展。

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またここにも出なくていい演出家の姿が……。
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2010年09月11日

老い日記[177]――生誕18,745日/禁煙130日目

 これで世界は大きく変わってしまう。そう思った「9・11」から丸9年。あの衝撃から9年も経つ。なんでもすぐに恐怖症パニックに陥るアメリカでは今、コーラン焼却騒動が巻き起こっている。9年経っても何も変わらない。むしろ悪化の方向にしか変化は起こらない。人間はつくづく愚かだと虚しく思う。

 『メランコリーの予感』、早くも昼夜ともに完売。祝。芝居は今から追い込みだが、観る側は準備万端。もう逃げ場はないぞ。(逃げる気だったのか、この男)
 毎日毎日、稽古に、しかも効率の悪い稽古に明け暮れる日が続き、その上、9月も中旬に突入したのに猛暑は相変わらず続き、身も心もすっかりバテ気味。これに効く最大の特効薬は「おお、面白くなってきた面白くなってきた」というワクワク感だけなのだが。そうそう簡単に薬は手に入らない。地道に一歩ずつ階段を昇るしかない。(たとえ左膝が痛くとも)

 今日は県立劇場には一日中、ハッピ姿の老若男女があちこちにうようよ。もうすぐ行われる祭りの前夜祭。ハッピ姿の人々は誰もが意気揚々としてエネルギーに満ち満ちて、芝居の稽古より断然面白そうで、ついふらふらとついていきたくなる。 
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秋の大祭の前夜祭で県立劇場はにわかにお祭りムード。右から二人目、Hちゃんは『上通物語』にも出演する。
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2010年09月10日

老い日記[176]――生誕18,744日/禁煙129日目

 いよいよ我が体、痛風、確定か。昨日から右足の親指の付け根の左側(いわゆる外反母趾になる部分)の骨がじんじん痛い。激痛というほどではないが、一時的なものではなく一日中痛みが消えないので、疑いはかなりの高確率で濃厚。痛風経験のある人からはよく「立って歩けない」という話を聞くが、このまま左足親指がトンデモナイ激痛へと進化するのだろうか。それとも、この段階になってもまだ予防法ってあるのか?左足は膝がヨレヨレ、右足は痛風。シャレにならんな。

 俳優O&Sとともに本格的に熊本に乗り込んで、はや5日目。芝居は2本とも「繋ぎ」の部分がまだまったく見えない状況。早く手を打たねば、どちらも関節のないぶらんぶらんした流れの悪い芝居になってしまう。
 という状況ながら、『メランコリーの予感』マチネ公演はなんと、本日をもってチケット完売(拍手)。ソアレ公演も残り10席(拍手間近)。『上通物語』はキャパが1200席と大きいので簡単にはいかないものの、ここにきてチケットの伸びが目覚ましいとのこと(拍手まだまだ)。体への疲労は容赦なく溜まっていくばかりだが、芝居もいよいよ追い込みをかけないといけませぬ。
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熊本県立劇場の正面入り口付近に立つ、孤高のバレリーナ(?)。
近くで見ると顔が潰れていて怖い。
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2010年09月09日

老い日記[175]――生誕18,743日/禁煙128日目

 出かけるときにフロントで宅急便を渡される。我が身が編集長を務める雑誌の青焼き。超速便でのお届け。その事実だけで「さっさと仕事しろよ」というメッセージのようで、稽古に向かう前から気分はどんより。


 午後は『上通物語』の稽古を進めるが、代役ばかりでやればやるほど虚しさが募る。この稽古、意味ある?単なる時間の無駄じゃね? と何度も思う。その度に、いやいや少しでも前へ前へと我が身を駆り立てるが、今ひとつ燃えきれない。
  
 7時からは日航ホテルで行われている「熊本県芸術文化祭前夜祭」に、役者も含めた10人ほどでゲリラ的に押し掛ける。早い話が営業。県下の各芸術分野から計860人が出席する大パーティーなので、壇上で挨拶させてもらい、その後にテーブルを回ってチケットを売り歩くというドブ板作戦。
 でもなぁ……。乾杯の後の挨拶じゃ、ほとんど誰も聞いてないし、我が身も制作統括のO氏の後にマイクの前に立ったが、喋ってるそばから群衆の中の孤独のような気分を噛みしめる。つまり、効果ゼロ。役者に芝居のワンシーンでもやってもらったほうがまだ見てもらえたんじゃないかと、我が身のスピーチの不味さを棚に上げて切に思う。
 挨拶後に出席者名簿を見せてもらったら、華道80名強、茶道60名強、日舞70名強と大軍団ジャンルがある一方で、演劇はたったの2名……。話になりません。 しかし、芸術文化祭の前夜祭パーティーで、芸術文化祭オープニングステージのチケットを「お願いします」と売り歩かなくてはいけないなんて、なんとも不思議な現実。東京であれ地方であれ、「演劇は貧乏」という鉄則だけを突きつけられる。

 パーティーでは新聞社時代に世話になった写真部のSさん、Y先輩の奥さんに声を掛けてもらい、「おお、懐かしい」と、しばし昔にタイムスリップ。Sさんは「もっと老けてるかと思ったけど、全然若いね」とこちらがニマッとなるようなことを言う。ドブ板作戦がさほど効力を発揮しない中、老いたる演出家はこの言葉だけを収穫として受け取っておく。

 稽古場に戻って8時半過ぎから『上通物語』の衣裳パレード。登場人物が多いのと、ここでも人が揃っていないので、11時半までかかっても半分ほどしか進まず、途中で打ち切り。時間は刻々と迫れど、先は長いっす。

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前夜祭のパーティー。日舞や合唱も披露される。

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 司会のマイクを通した声が虚しく響く。「皆様にお願いがございます」……
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2010年09月08日

老い日記[174]――生誕18,742日/禁煙127日目

 ワンツーワークス『誰も見たことのない場所』を取りあげるNHK総合「おはよう日本」のオンエア予定日を間違ってた。正しくは今週土曜日の11日。間違って書いたことで情報が錯綜、え?変わったの?確定ですか?と周りもあたふた。申し訳ない。11日朝7:30からと早いけれど、ぜひご覧くだされ。但し、放送エリアは首都圏の関東甲信越のみ。(泣)

 追っかけ取材といえば、現在稽古真っ盛りの『上通物語』『メランコリーの予感』も熊本の地元テレビ局(KKT)が追っかけくれているのだが、今日の夕方、その第1弾がオンエア。6月の制作発表から最近の稽古までを実にうまく編集してあって、時間も15分とたっぷり。作品紹介もサラリと嫌味がなく、一生懸命に取り組むみんなの姿勢もびんびん伝わってくる。
 が、困ったことに出なくていい演出家がやたらと出てくる。出たら出たで役者に対して罵詈雑言の嵐。「変態!」「俺の5倍は面白くしてください」「演出家は何でもできるんだよ」「謝ってないで、さっさと言えよ」「大女優!笑うな」……。ご丁寧にいちいちテロップまで出されるもんだから、文字にされると毒の吐きっぷりがまたよく際だつ。間違いなく熊本全県民を一気に敵に回したな。いやぁ、まいった。はははは。

 煙草をやめて、既に4カ月が経過。ところがいつしか「ネオシーダー」に再び手を出した軟弱男は、今や煙草のようにスパスパとネオシーダーを吸っている。「だってこれ煙草じゃないよ」という澄まし顔の言い訳にも皆さん、けっ、という顔でお笑いになるので軟弱男は非常に分が悪い。日に日に地下に潜った犯罪者のような気分になっている。懺悔。

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 もはや中毒の域……?
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2010年09月07日

老い日記[173]――生誕18,741日/禁煙126日目

 気がつけば目の下にクマができている。しかも、かなりくっきり。ホテルに戻って顔を洗い、顔を上げたら鏡にクマのはっきりついたゾンビのような顔があって、ぶったまげる。これを人は「死相が出てる」と言うんじゃないのか?
  日中の『メランコリーの予感』で、ついに主演女優のMに物申す。芝居勘は鋭いのに人とうまくコミュニケーションできない若き主演女優は、意見されると全否定されたように受け取ってしまう。ああ、面倒臭い。しかし何度も修羅場をくぐってきた演出家は泣き出したMにも少しも動じず、ほったらかして違う場面の稽古を楽しく進める。オジサンもただ者ではないのだよ。(何の自慢にもならんが)
 夜は『上通物語』の稽古について10時過ぎまで。

 スタッフワークに苦言を呈してから、毎夜稽古後に残って若き面々が打ち合わせをしているのだが、おかげで束ねる役割を担う演出家もなかなか帰れず、今日も12時半近くになってほうほうのていで劇場を出る。劇場の担当プロデューサーも毎夜毎夜遅くまで居残り(しかも朝は我等より早い)、今にも倒れるんじゃないか?と心配になる。明日、担当Mさんに死相が出ていないかどうか見ることにしよう。

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ホテルの近くにある日本郵政のビル。2階の角部屋が記者クラブで記者時代によく入り浸っていた。懐かしい。一跡二跳『流れる庭―あるいは方舟―』に出てくる記者クラブのモデルでもある。
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2010年09月06日

老い日記[172]――生誕18,740日/禁煙125日目

 東京滞在25時間で、再び熊本へ。12時過ぎに羽田空港で同行する俳優O&Sと合流。機内では恒例のように睡眠確保、体力温存と目をかたくなに閉じ続ける。
 3時半頃には劇場に到着するが、こちらも恒例のように俳優が揃っておらず気持ちが萎える。結局、6時まではスタッフ打ち合わせや台本手直しに終始。
 6時から『メランコリーの予感』の衣裳パレード。肝心の衣裳担当Mさんが具合が悪いとかでお休み。致し方なしとはいえ、少々唖然。おかげで衣裳プランがよくわからないまま、あーだこーだとやっていたら9時半までかかる。それからすぐさま『上通物語』の稽古へ。もう時間がないなと思いつつ、細かいことを言いだしたら止まらなくなって、退館時間を30分以上もオーバーして檄を飛ばし続ける。
 その後、再びスタッフワークを中心に細々と打ち合わせを重ね、12時前になってようやく劇場を後にする。

 ホテルにチェックイン後、俳優O&Sとコンビニに行くついでに近くのコインランドリーを確認しに行ったら、営業時間が正午〜午前1時。ありゃりゃ、今の稽古時間とほぼ丸かぶり。洗濯のために稽古を切り上げて帰ってくる羽目になるのか?長期滞在のたびに直面する洗濯問題。悩ましい。

 さて3週間後が帰京の日。どんな思いを抱えて東京に戻ることになるのやら。不安満載でも突っ走るしかない。

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今日も二つの稽古場を掛け持ち。この矢印を何度も往復。
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2010年09月05日

老い日記[171]――生誕18,739日/禁煙124日目

 睡眠3時間。7時半過ぎにはチェックアウトし、タクシーで空港へ。機内では睡眠確保を決め込み、がくがく頭を揺らしながらも惰眠を貪る。
 10時半過ぎに羽田着。そのまま高円寺の劇場へまっしぐら。12時頃に着くと、俳優Oが演出代行で部分稽古(ターゲットは若手男優N)の真っ最中。NHKは追っかけ取材になったようで、カメラが回っている。しかし遅い到着の演出家に宮崎公演で気になった場面を改めて稽古する時間はもちろん残されておらず、アフタートークの打ち合わせをちゃちゃっと済ませ、ムーブメントだけを通してスタンバイ。あっという間に本番へとなだれ込む。

  最後列上手側で観劇。
 お、意外とダレてないじゃん、と芝居にのめりかけたら、劇場に着いたときに稽古していた場面で男優Nが台詞をすっ飛ばし、完全頭真っ白状態に。あちゃー。相手役の女優Yが立て直そうとするも、男優Nはもう青木ヶ原樹海を彷徨う人のように自分がどこにいるのかわからない。台詞があっちに行ったりこっちに戻ったり、ぐだぐだのまま、その場面は終了。
 ほとんど素の状態で舞台袖に引っ込んでいくNの無念な背中が痛ましい。というか、情けない。明らかな自爆。いったい何のための稽古だったんだ? NHKは終演後もお客さんからもコメントを録ったり、女優陣にインタビューしたりと精力的にカメラを回している。実質アフタートークのためだけに帰ってきた演出家も一番最後にカメラの前に陣取らされる。
 ディレクターNさんは、「今までテレビ取材もかなり受けてるんですか?」「ずいぶんカメラに慣れていらっしゃいますよね?」「古城さんのことが番組になったことってないんですか?」と場つなぎとはいえ、意外な質問を繰り出す。実際は少しもカメラに慣れていない演出家だが、カメラが回り始めるや、この芝居について、ドキュメンタリー・シアターについて、立て板に水の如くあれこれ話す。要は慣れの問題ではなく、どれほど言いたいことがあるかの問題。イッパツで撮り終える。
 バラシよりもNHKの取材のほうが時間がかかり、先に始めてもらっていた打ち上げに遅れて参加。若手やスタッフは朝までの勢いだったが、パッキングに手つかずの演出家は1時過ぎには歩いて帰途に就く。
 NHKのオンエアは11日、「おはよう日本」。
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劇場には広島DOCSメンバーからの花も飾られていた。感謝。
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2010年09月04日

老い日記[170]――生誕18,738日/禁煙123日目

 午前中ホテルで書き物仕事を粘っていたら、稽古開始に7分遅れて県立劇場着。あわあわと控え室に向かっていたら、あわあわと走ってきた演出助手兼若き作家Iが我が顔を見るなり、「ああ〜古城さんよかった〜来た〜」と全身に安堵感をたっぷりまとう。なんでも俺が昨日苦言を言ったものだから、怒り心頭に達してやる気をなくした演出家は心が折れたんだ、それでもう来ないんだと演出助手チームで慌てふためいていたそうな。――あの私、もう50過ぎてるんで。そんなに子どもじゃないんで。ま、遅刻すんなよっつーだけの話ですが。
  50過ぎると、毎日毎日きっちりウォーミングアップをすれど、以前ほど体がほぐれて楽になっていく感覚を味わえない。左膝もそれ以上張り切るととんでもないことになるよと、隙あらばしくしくと痛みをちらつかせるので、運動というよりリハビリを頑張った気になって、どこか虚しい。老いるというのは哀れなものよ、と我が身を嘲笑いながら必死で若者に負けじとバットマンの足を振りあげる。

 今日も『メランコリーの予感』は壊滅的な出席状況なので、一日中『上通物語』の稽古を進めるが、こちらもメインキャストさえ半分も揃わない。それでも辛抱強く、腐らず、演出に徹して毒を吐く。(うさ晴らしではありません)
 東京の座・高円寺では『誰も見たことのない場所』初日。劇団メンバーから報告がある前に、観にいってくれた劇作家・演出家のAさんから「面白かったよ」とメールが届き、ああ、なんとかなったんだなとひと安心する。でもなんか、おかしくないか、この状況?いいのか俺、過去の人で。
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バイオリンを抱えた考える人。う〜む。みんな悩んでいるのだ。
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2010年09月03日

老い日記[169]――生誕18,737日/禁煙122日目

 県立劇場の担当プロデューサーMさんにホテルに迎えに来てもらい、朝10時過ぎから熊本日日新聞本社へ。今回の芝居で使わせてもらう昔の写真についての打ち合わせを済ませた後、懐かしの編集局へ顔を出す。
 いましたいました、ああ、懐かしの先輩T山さん(25年ぶり)、全然変わってないっす。先輩Y本さん、すっかり変わってて一瞬わからず(腎臓移植をしたそうで痩せ細っていた)、先輩T畑さん(25年ぶり)、顔は覚えていたのに名前が出てこず(スミマセン)。ほかにも懐かしい顔がチラホラ。先輩諸氏からは口々に「痩せてほっそりしてた古城君しか知らないからなぁ(すっかり太ったなぁ)」「すっかり貫禄ついたね(とんでもなく太ったね)」と温かいお言葉をたくさんいただく。
 今では販売会社の社長になっているという記者時代に直属の先輩だったHさんも訪ねてみるが会議中とのことで会えず名刺だけ置いてくる。(後ほどメールが届いた)
 まだ午前中だったせいもあろうが、懐かしの編集局は静かで大人しく、常にわいわいぎゃぎゃー騒がしかった記憶の中の様子とはまるで違っていて、その違いから過ぎ去った時間の途方もない長さを噛みしめる。
 
 打ち合わせに意外と時間が掛からなかったので(今日中に写真を入手できると思っていたが打ち合わせだけで終了、少々、肩すかし)、早々と劇場に着く。そのぶん沸々と気力をみなぎらせて稽古に向かうが、驚くほど役者が揃わない。スタッフワークも指示系統が定まっておらず、おいおい大丈夫なのか、と懐かしい気分は一気に吹き飛んで現実に引き戻される。
 稽古終了後、演出助手チームを前に、プロデューサーMさんともども、スタッフワークの進行について意見する。要するに、君ら甘いんじゃねーの?ナメてんじゃねーの?ってことだが。

 さてさて今日は一方で、我が劇団ワンツーワークス、座・高円寺に劇場入り。場当たり・ゲネプロに演出家不在というトンデモナイ状況で果たしてどうなったことやらと気を揉むが、誰からも報告なし。あれ?忘れられてる?
  
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かつての職場、熊日新聞社。新社屋も建っておりました。
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2010年09月02日

老い日記[168]――生誕18,736日/禁煙121日目

 昼前に県立劇場へ。12時からパンフレット用の対談録りと写真撮影。人っ子独りいない演劇ホールのロビーで、ライターさんを前に、今回の劇作家ダブルIさん(二人のイニシャルはまったく同じ)と、それぞれ30分ほど上演する芝居について話す。その後、誰もいない客席・舞台に移動して写真撮影。丸裸の舞台は立っているだけで心地よく、地方には1年の半分以上は何も行われずほったらかしになっている劇場がいっぱいあるんだろうなぁ、と無性に勿体ない気になる。

 1時半から稽古開始。午後は『上通物語』、夜は『メランコリーの予感』。ともにできるところを粛々と進めるのみ。
 10時過ぎに稽古を終えて、スタッフ&制作打ち合わせ。立場上、やむを得ないとはいえ、休む暇はまるでなく、時折無性にセブンスターが吸いたくなる。
 ホテルに戻ったのは12時過ぎ。コンビニに出かける気力なし。広島疲れ、宮崎疲れがここにきて一気に噴きだしてきたのか、パソコンに向かっていても意識が遠のき、目が開かない。(お陀仏したわけではない)

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無人の演劇ホール。ロビーだけで十分な稽古スペースが確保できますな。
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2010年09月01日

老い日記[167]――生誕18,735日/禁煙120日目

 東京滞在わずか2日足らずで、今日から熊本。8時半過ぎには家を出て羽田へ。
 機内では珍しく一睡もせず、ずっと仕事のゲラとにらめっこ。熊本空港から乗ったタクシー内でも仕事を続けた甲斐あって、県立劇場に着く間際になんとか片づける。(拍手)

 着いてひと息するのも束の間、2時から稽古開始。今日は演劇ホールに『上通り物語』の巨大な仮セットが組みあがっていてテンション上げ上げ。勇んで稽古に臨む。……なのに肝心の役者が全然揃わない。『メランコリーの予感』は演出助手に任せて、夜10時まで『上通物語』の稽古に張りつくが、夜になっても代役オンパレードで、効率悪いことこの上なし。こんな状況で芝居つくれと言われてもなぁ……。先行き大丈夫なのかと演出家はやや途方に暮れる。結局、最後の場面まで進むことすらできず、巨大仮セットはさしたる役割を果たせぬまま、たった一日で、バラシ・撤収。

 担当プロデューサーMさんによると、演劇ホールを一日押さえたことでン10万円ものお金が飛んだという。なんてこった。こんなに役者が揃わないなら、単なる無駄遣いじゃないかとセットを組んでもらったことを激しく後悔。申し訳ありません……。というか役者、来いよ。君らの芝居じゃないのか?
  この1週間のあいだに『河童』→『誰も見たことのない場所』→『上通物語』&『メランコリーの予感』と、めまぐるしく取り組む芝居が変わり、頭の切り替えだけで結構疲れる。だけどそれより、志気の上がらない稽古場はもっと疲れる。 ――と、この日記、またまた愚痴日記になりつつあるぞえ。

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せっかく組んだのに、一日で撤収……。
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2010年08月31日

老い日記[166]――生誕18,734日/禁煙119日目

 久々に俳優Tと会う予定がお流れになり、日中はせっせと書き物仕事に精を出す。――はずだったが、ここへ来て取材の依頼が続々と来る。広島にいるときに朝日新聞から依頼があって(文化部ではなく社会部)、電話取材で応じたのだが、その記事が今朝の新聞に掲載され、それを見て連絡が相次いだ模様。明日からの9月は自殺対策月間なので、それで各社、触手が動いたのだろう。NHK、毎日新聞、時事通信の計3社から取材の申しれがあった。
 毎日新聞の記者には電話取材で応じる。既に原稿が起こされていて、事実確認の意味合いが強かった。
 NHK「おはよう日本」のディレクターとは夜会うことになり、書き物仕事は右に置いて資料なんぞ揃える。こちらが待ち合わせに指定した阿佐谷の「ルノアール」はなんと昨日から改修工事に入っていて閉まっており、遅れてきた我が身は店の前で立ちんぼ状態になっているディレクターKさんを発見して恐縮至極。それから場所を変えて、『誰も見たことのない場所』についてあれこれ話す。NHKは明日の稽古、3日のリハーサル、5日の本番と追い続けたいとのことだったが、演出家は明日から熊本で東京不在。人生、こんなもんです。(それでも取材をすることにはなったが)

 終わってみれば、つかの間の鋭気を養うはずの一日は結局、あれやこれやと追われて書き物仕事もさして進まず、疲労も取れず。また癌にならなきゃいいけどなぁと思いつつ、明日から熊本入りするためのパッキングは今なお手つかず。

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朝日新聞に掲載された記事。宮崎公演は昨日付の宮崎日日新聞にも掲載。

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2010年08月30日

老い日記[165]――生誕18,733日/禁煙118日目

 睡眠2時間で、朝6時半過ぎにはタクシーで独り、宮崎空港に向かう。劇団メンバーは12時すぎの便だが、午前中から会議の我が身は、タイトなスケジュールで老いた我が身をさらに鞭打つことに。夜遊びが過ぎると翌日にめちゃくちゃ響く、もうそういう歳だということを遊んでいる間は考えない。この点だけは未だにクソガキのまま。
 羽田に着いて、そのまま新国立劇場へ。10時半から、企画サポート会議。いきなり東京モードに引き戻されて、応対するのに身も心もスイッチチェンジがちょっと大変。東京に帰ってくると、なぜだか戦闘モードを強いられる気がする。誰かが挑み掛かってくるわけではないのだが。
  2時過ぎで、18日ぶりに我が家に帰宅。あちこちに行ったり来たりで机の上は資料や書類が山積み。それを横目で睨みながら荷物を解き、パソコンに向かう。
 夕方、3週間ぶりの歯科医院。今日は検査をしてもらって無事、治療終了。と思って軽やかに診察台に座ったのだが、現れた男先生、「今日は左上の奥の歯を隣の歯とプラスティック樹脂で固定します」「(まったくの想定外に戸惑いつつ)……固定するんですか?」「一番奥の歯と、その手前の歯をドリルで削って、そこに樹脂を流し込んで固めます」「………」 歯の老化は我が認識よりも進んでいるらしく、左上の奥歯はどうやら生死がかかっている模様。「隣の歯と固定すればぐらつきは減りますから、その間にしっかりケアして歯周ポケットに菌が入らないように頑張ってください」ということで、またもその個所のブラッシングの仕方の学習。50を過ぎて「歯はこう磨くんですよ」と教えられる無念さをまたも噛みしめる。

 夜、若手俳優Oと一緒に、せっせと杉並公演のパンフレットづくり。これは俺の仕事か?と訝りつつ、その恨みはOにだらだら愚痴る。途中、食事に出て、そこでもOの演技について、ぎゃんぎゃん愚痴る。それでもマイペース男Oは少しも響いてる様子が見えず。いっそ、殺したほうがいいのか?

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宮崎空港にて。「頑張ってくれ宮崎。応援するぜ」
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2010年08月29日

老い日記[164]――生誕18,732日/禁煙117日目

 タクシーに分乗して朝9時、劇場入り。
 すぐに共催の宮崎県の担当者と客席について話し合う。舞台高が低い上、フラットな客席なので、観劇には最悪の状況。少しでも見やすいようにと結局、前3列の椅子を撤去する。それでも座った演技はかなり見づらいので、10時半からの部分リハーサルでは、「そこは立ったままで」「そこは台の上に乗って」と、動きの変更に重点を置く。その後、アフタートーク司会のアナウンサーSさんが劇場を間違えて打ち合わせに遅刻というハプニングもあり、あっという間に開場時刻。というか、時刻過ぎてる。()
  13時開演。宇都宮公演に続いて宮崎も満席。(喜)
 アフタートークにもかなりの人が残ってくれて、ひと安心。司会のアナウンサーSさんとは去年、「みやざき演劇祭」の演出で宮崎に滞在している間にSさんがパーソナリティーを務めるラジオ番組「サンデーラジオ大学」に出たことがあったので(約1時間の番組、ずっと喋りっぱなし)、安心して進行を任せる。今回は男優O、女優S、男優Sも一緒だったので、こちらも安心してOをいじりつつ進める。

 小林の高校演劇部の後輩T、幼なじみYちゃん。大学演劇部の先輩Iさん。現在進行中の熊本演劇人の面々。終演後、実に多彩な見知った顔と再会できて心は踊る。 それから撤収・積み込みにかかり、いったんホテルに戻って改めて外に繰り出して打ち上げ。仕込み・バラシを手伝ってくれた「みやざき演劇祭」のメンバーも交えて総勢25人ほど(打ち上げだけに来た奴もいたが)。すっかりすべてが終わったようなムードで(まだ杉並区公演があります)、自己紹介も交えつつ、大人数でわいわい飲む。
 2次会に劇団メンバーこぞって移動したところ、ビリヤード、ダーツのあるプールバー(懐かしい響き)なもんだから、一次会から一転してレクリエーションのお時間に。若い劇団員がキャッキャはしゃぐ中、オッサン客演Fさん、オッサン俳優Oと同じテーブルに就きつつ、「あとでオッサン3人で大人のビリヤード、しようぜ」と言うと、Oは今ひとつ浮かない返事。「あ、若い連中に混じってやりたいんだ?」と水を向けると、「やりたーい、若い奴らと一緒に何やってんだよ、この、このぉ、と言ってはしゃぎたい」とクソガキの顔でぬかす。このオッサン、既に退行現象が始まってるのか?
 12時過ぎて帰ろうとしたら、客演姉御Mに半ば強制的に引き留められ、じゃもうちょい残るよと腰を落ち着けたものの、皆ビリヤードに興じていて、俺は何のために引き留められたんだ?いじめか? と思いつつ、宮崎の女流演出家として気を吐くKさんと延々、コミュニケーション・ワークショップの真面目な話題で話し込む。まだまだレクリエーションが終わりそうもないエネルギー発散若手連中を尻目に、Kさんに車で送ってもらって、ああ、これで明日も一日睡眠不足だと我が身を呪いながら、午前2時半頃にホテルに帰る。

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ホテルは大淀川のすぐ横。去年の宮崎滞在時には、この川沿いの芝生部分をよくランニングしてたなぁ。

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2010年08月28日

老い日記[163]――生誕18,731日/禁煙116日目

 朝9時過ぎにホテルをチェックアウト。広島駅までプロデューサーOさんに送ってもらい、いざ宮崎へ。広島→博多(新幹線)、博多→福岡空港(地下鉄)、福岡空港→宮崎空港(JAC)という道程。飛行機はプロペラ機で、二度目の搭乗だが、やはり少々ビビる。
 ローカル線の定めとはいえ、福岡空港からの搭乗はとってもさみしい。渡された番号札を持って(17番搭乗口と書いてある)、いったんターミナルの外へ出て、バスに乗るときにその番号札を返す。とってもアナログ。バーコードかざしてピッ、なんて無縁の世界。宮崎空港はもっと哀れで、着陸すると飛行機から降りて、そのままとぼとぼと歩いてターミナルの中へ裏口のような所から入っていく。容疑者連行かよ。
 宮崎空港には去年の「みやざき演劇祭」でもお世話になった地元演劇人兼フリーアナウンサーMさんにわざわざ迎えに来てもらい、午後1時過ぎには劇場に着く。
 搬入口で劇団メンバーをはじめ、この芝居に関わる面々と久々の再会。なんせ広島で1本芝居をつくっていたので、半月ちょっとぶりの再会だったが、それ以上に会ってない気がしてずいぶんと懐かしい気になる(認知症ではありません)。照明家Iさんからは顔を見るなり、「あれ?なんか太くなってない?」と言われ、あ、いつものとろこに帰ってきた、という気になる。

 仕込みを順調に済ませ、夕方6時から止め通しの場当たり。久々に観た『誰も見たことのない場所』は至る所がおかしなことになっていて、きちんと見続けないとホントに芝居はくたびれて、しおれて、腐っていくんだなぁと改めて思う。小返ししつつ進めたので、終わってみれば退館時間ぎりぎり。
 いったんホテルに帰り、わざわざ我が故郷・小林からリハーサルを見に来てくれた旧友O&Y、俳優Oと一緒に、若手3バカトリオも連れて飲みに出る。宮崎名物、鳥サシ、鳥の炭火焼きが滅法うまい。肉巻きおむすびも美味。調子に乗って腹いっぱいに食べ、ますます太くなって1時頃にホテルに帰る。 

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 誰も見たことのない場所』の美術。

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 屹立する棺桶と白い樹木のコントラストに妙に惹かれる。
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2010年08月27日

老い日記[162]――生誕18,730日/禁煙115日目

 DOCS公演『河童』、無事終了。
 薄いと思われたマチネ、観客は約8割の入り。ソアレは補助席も出る満員御礼。ありがたやありがたや。 マチネではポジティブ&プレッシャーに弱っ男K(17歳)が、またも歌をど忘れ。おいおいK、本番だぞ。総じて緊張が前面に出ている男子陣に対し、女子陣は本番に強い。安定感のあるF(20歳)、U(18歳)はもちろん、役をチェンジされたH(19歳)も我が物顔で嫌らしい女を演じていた。マチネ後に「全然緊張してなかっただろ?」とHに聞くと、「もうガチガチでしたよぉ〜」と予想を裏切る返事。地なのか?
 歌忘れで大いに肝を冷やした演出家はソアレの前に、その場面を何度も何度もパブロフの犬のように繰り返す。1回やっては、「もう大丈夫か?」「すいません、もう1回やらせてください」。とことん付き合う覚悟で繰り返し、「もうOKか?」「はい、もう大丈夫です」。4回やった後力強い返事が。――果たしてソアレ、無事に歌えました。ノリもよかった。よかったな、K。
 観に来てくれた人からは絶賛の嵐。広島の拠点劇場の役割を担うアステールプラザの事業担当Kさんは「今年観たすべての芝居の中で一番良かった」と手放しの褒めよう。ほかにも「去年から格段にレベルアップした」「目が離せなかった」と顔を紅潮させて語ってくれる人が続々。よかったな、DOCS諸君。短期決戦、君らの勝利だ。な。

 全員でバラシ・撤収をして9時半頃から打ち上げ。まだまだ育ち盛りのDOCSメンバーにふさわしく、打ち上げはトンカツが主力の店。宴会なのにカツサンド、串カツ……と、50男には嫌味にも思える料理が次々に出る。おかげでこのところ酒もすすまなくなったオジサンはカルピスをぐびぐびあおる。 
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本番前。おめかしする河童。
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2010年08月26日

老い日記[161]――生誕18,729日/禁煙114日目

 洗濯のために早起き。虚しい。座ってるだけで汗が滲み出るコインランドリーで洗濯機が回るのをじっと待つ。虚しい。人はこうやって大人になっていく。(なりません)
 ランドリーはホテルから徒歩12分ほどもかかり、午前中とはいえ、この猛暑の中、ホテルとランドリーを往復するだけで病気か?と思うほどに汗が滴り落ちる。こうして我が身はみるみる痩せていく。(痩せません)


  DOCS10日目。洗濯に手間取り、その後の書き物仕事のメールやり取りにも手間取って、段取りの悪い演出家は「ウォーミングアップは自分たちでやっといて」と電話して社長出勤。
 稽古は今日も昨日と同じスケジュール。午後は頭から止め通し。夜6時からのゲネプロは通算3回目。
 キーマンK(17)はそのゲネプロでまさかの、歌を忘れるという大失態。さすがのポジティブ男もプレッシャーが相当のしかかっているようで少々かわいそうになるが、それでも本人には毒づくこの演出家は本当に性格が悪い。
 

 いよいよ明日が本番。Kに限らず、誰もがやる気満々ながら、不安もいっぱいなのだろう。稽古終了後に、「明日、マチネ前に(つまり午前中に)ゲネプロ4回目をやりたいか?」と問うと、「やらせてください」と主演の河童が即答。ほかの面々もうんうんと頷く。おかげで明日は9時入りに。なんてこった。ものぐさ演出家は聞かなきゃよかったと激しく後悔。もしもし、河童さん。オジサンは頭の皿が乾いて死んじゃいますよぉ。


  ホテルに帰るとホントに体がぐったり。重い。鈍い。パソコンに向かうものの、頭の回転が鈍くて仕事にならない。ええい、と諦めてベッドに入ればいいものを、だらだらとした頭と体でだらだらと仕事をしている。

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受付もほぼ設営完了。明日の本番を待つのみ。

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